株式会社ウェザーニューズ(本社：千葉市美浜区、代表取締役社長：草開千仁)は、2023年春の花粉の飛散と花粉症の症状のまとめを発表しました。本発表では、一般の方や企業、病院などの協力のもと全国約1,000か所に設置した独自の花粉観測機「ポールンロボ」が観測した花粉飛散量と、アプリ「ウェザーニュース」を利用する花粉症の方からシーズン中に寄せられたのべ128,751通の症状報告をまとめています。
なお、2024年春の花粉飛散傾向は、10月頃に発表予定です。

＜ポイント＞
1. 飛散量：西・東日本で大量飛散　北海道や東北北部で少ない傾向
2. 飛散時期：高温の影響　飛散開始直後に大量飛散
3. 症状報告：飛散の多い西日本〜東北南部でつらい人が増加　発症・症状のピークは前倒しに

2023年 花粉の飛散まとめ

＜西・東日本で大量飛散　北海道や東北北部で少ない傾向＞

ウェザーニューズ独自の花粉観測機「ポールンロボ」が観測した2023年春の花粉飛散量は、全国平均で昨年比180％、平年比186％(※1)となり、昨年、平年より多くなりました。
地域によって飛散量の偏りが大きいのが特徴で、西日本や東日本では昨年よりも大幅に飛散量が増加した一方、北海道や東北北部では飛散量が昨年を大きく下回りました。
花粉の飛散量は花粉の生成量と飛散時期の天候に左右されます。花粉の生成量は主に前年夏の気温や日照時間、年ごとの花粉の増減傾向の影響を受けます。
昨年の夏は暖かい空気に覆われた日が多くなったため、平均気温は全国的に平年を上回りました。西日本では太平洋側を中心に日照時間が平年を上回り、雄花の生長に適した天候となりました。西日本では昨年春の飛散量が前年を下回ったところが多く、その反動で今年の飛散量は大幅に多くなりました。今年は、飛散がピークを迎えた3月に晴れて記録的な暖かさになったことも、飛散量が増えた要因と考えられます。
一方、北日本では、昨年の夏は日照時間が平年を下回り、雄花の生長にはやや不向きな天候となりました。北海道や東北北部では昨年春の飛散量が前年を上回ったところが多く、その反動で今年の飛散量は昨年より減少しました。

※1 花粉飛散の平年：過去10年間(2013～2022年)の平均

＜高温の影響　飛散開始直後に大量飛散＞

2023年春の花粉飛散の特徴は、2月から3月の暖かさの影響で飛散開始から本格飛散に至る期間が著しく短かったことです。飛散が始まってからあっという間に大量飛散となるエリアが多くなりました。3月以降も高温が続いたため飛散終了時期も早くなり、短期間に飛散が集中しました。
今年の2月は上空の寒気の影響が弱く、平均気温は西日本と東日本で平年よりも高くなりました。飛散開始時期は関東エリアで平年よりやや遅くなった一方、北日本や西日本では概ね平年並み～平年よりやや早くなりました。平年では飛散が開始してから1～2週間程度で本格飛散に至りますが、今年は飛散が開始してから1週間以内に本格飛散に至ったエリアが多くなりました。
3月以降もほぼ全国的に高温傾向が続き、飛散が早く進んだことによって飛散の終了時期は平年より前倒しになりました。花粉の飛散期間は昨年よりやや長いものの平年よりは短く、短期間に飛散が集中した形になりました。

2023年 花粉症の症状報告まとめ

＜飛散が多い西日本〜東北南部でつらい人が増加＞

花粉症の症状のつらさはどうだったのか、スマホアプリ「ウェザーニュース」のユーザーから寄せられる症状報告を分析しました(※2)。その結果、花粉症の症状がつらいと感じた方の割合は、全回答数の23％となり、昨年の19％よりも4ポイント増加しました。
地域別に見てみると、特に東北南部や近畿以西では昨年との違いが顕著で、これらの地域では花粉の飛散量も昨年に比べて大幅に多くなっています。一方、飛散量が昨年よりも少なくなった北海道と東北北部では、昨年よりもつらいと感じた人の割合が減少しました。

※2 症状がつらい人の割合:スマホアプリ「ウェザーニュース」の『花粉 Ch.』に 2023 年 2 月 1 日〜 5 月 31 日までに 花粉症のユーザーから寄せられた症状報告(のべ128,751通)のうち、“非常につらい”“つらい”の回答を合計し、割合で表示。

＜発症・症状のピークは昨年より早い傾向＞

花粉症の発症時期に関する調査(※3)では、花粉症の方の過半数が「今年は発症が早かった」と感じていました。今年と昨年の症状報告の変化を比較してみると、今年は2月下旬から花粉症の症状が「つらい」と感じる方が増え、昨年よりも早い傾向となりました。これは花粉の飛散が本格化したタイミングと重なります。
「つらい」の割合がピークを迎えたのは2月28日頃からでした。昨年は3月12日頃だったことから、最もつらい時期が昨年より約12日も早く訪れています。
一方、「つらい」割合が減少したのは今年も昨年も4月中旬からでした。今年は症状のピークが前倒しになった分、「つらい」と感じる期間が長くなったことがわかります。

※3 調査：スマホアプリ「ウェザーニュース」にて「今年の花粉症、症状が出た時期はどう？」と質問し(選択肢：“早かった”“例年通り”“遅かった”“花粉症ではない”)、“花粉症ではない”の回答を除いて集計(調査期間：2023年3月29日～3月30日、回答数：8,122)。

都道府県ごとの花粉飛散傾向

＊ 総飛散量：各都道府県に設置された花粉観測機「ポールンロボ」が観測した飛散量の平均
＊ 症状：2/1〜5/31の期間において症状が出ている方(“非常につらい”“つらい”“ややつらい”と回答した方)のうち、“非常につらい”または“つらい”と回答した方の割合

シーズン開始・終了日

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