2020年現在、“人々の生活に貢献できる開発をしたい”というまっすぐな想いを胸に、“チームワーク”と“スピード感”を持った体制下で、アプリケーション開発に携わっている柴﨑 弘佳と邉見 萌乃。今回はウェザーニューズのエンジニアとして活躍するふたりが、ミッションに取り組む中で感じた想いやビジョンについて語ります。
邉見 「私はウェザーニュースアプリの開発に携わっています。担当はiOSの開発です。
こちらのアプリは累計ダウンロード数2400万であり、お天気情報だけでなく地震などの緊急系の情報も発信しています。また、使っていただいているユーザーのことを“サポーター”と呼んでおり、空の写真を送ってもらい体感を送ってもらうことで、サポーターと一緒にアプリをつくり上げています」
大学では気象学を専攻し解析でプログラミングに触れる機会があった邉見。そのスキルを活かし新卒では物流系の会社に就職し、情報システム部門で働いていました。
邉見 「ヘルプデスクやシステムに対する要望をまとめるといった仕事をしていたのですが、開発をお願いする仕事をしていくうちに“自分でもできるようになりたい”と考えるようになったんです。
大学のつながりからウェザーニューズで働いている人もおり、アプリの存在も知っていたため、気象に関わる仕事をしながら開発ができるという点に惹かれ、転職を決めました。
もともと物流業界出身で、入社前のインターンでは予報の部署に入っていたため、BtoBの部署の配属になるかと思っていたのですが、BtoS(S=サポーター)を担うアプリ開発の配属になったのは予想外でしたね」
一方、Androidのアプリ開発の担当として、ウェザーニュースアプリに関わっている柴崎も企画から、コーディング、テストまで幅広い業務を担当しています。
柴崎 「もともと技術系の高専出身で、学生のころからものづくりに携わりたいと思っていました。ウェザーニューズを知ったきっかけは、東日本大震災です。
地震Ch.で発信している情報を見て、気象情報を提供するアプリの重要性を感じ、こんなアプリに関わっていきたいという想いで入社をしました。
なので、今の仕事にはとてもやりがいを感じています」
邉見 「運営や予報のチームには私と同じく気象を学んでいた人が多いのですが、開発に関しては幅広い理系人材がいますね。自然に関心がある人が多いのかもしれません
そして、iOSとAndroidチームは同じコンテンツのアップデートが多いため密に連携しています。作業自体はそれぞれのチームで担当しているのですが、リリースやテストのスケジュールは一緒に行っていますよ。というのも弊社はDevOps体制を取っていて、チームワークとスピード感を重視しているんです」
季節や自然災害に応じて求められるコンテンツが変わってくるため、社内で連携してすぐにリリースしていけるような体制が求められています。
ウェザーニューズではDevOpsのOpsを担うのはコンテンツの運営チーム。ここにマーケットチームも加わることで、ユーザーのニーズを素早くくみ取り、サポーターと共にアプリやその他のコンテンツをつくってきました。そして、この一連の工程は、BtoSの方向性に適していると邉見は分析します。
邉見 「現在はリモートワークですが、BtoSコンテンツに関わるすべてのチームで朝会を行っています。開発、マーケティング、運営チームが集まり、その場で気象情報を共有しつつ、システムのリリーススケジュールや、大事なイベントを共有したのち、各チームに分かれて詳細なタスクを確認する形です。
毎週1回の定例MTGでは、アプリのレビュー評価を確認しながら次のコンテンツに向けた指標を考えています。日頃のコミュニケーションを大切にしているからこそ、台風といった自然災害がきたタイミングでも、状況に合わせてスムーズに連携をすることができているんだと思います」
開発チームはiOSとAndroid合わせて10名。アプリ内で表示するWEBコンテンツのサーバーやデータベースの担当者を含めると30名ほどのメンバーがいます。
柴崎 「その他にコンテンツの運営チームやマーケティングチームが同じフロアで働いており、部署内の各チームと連携しながら仕事進めています。
私は気象系のバックグラウンドがないため、朝会で今週は雨が降るなどといった気象情報を伝えてもらえると、『アプリのアクセス数が増えるんだろうな』といった心構えで仕事が進められます。
開発には幅広い理系人材がいるので、そういう面でも刺激的な環境下で仕事ができていると感じていますね」
柴崎 「開発に携わる中で印象に残っているのは、2017~2018に行ったUIの大規模リニューアルです。弊社のアプリは規模が大きく、コンテンツの量が多いため、さまざまな機能をさらに使いやすくしたいと考えていたんです」
アプリの歴史が長いことから昔の設計が残っていましたが、そうなるとメンテナンスにも苦労をするため、Android版はこのリニューアルのタイミングですべて改修することにしました。
柴崎 「これまでは1~2ヵ月のスパンで開発をしていたのですが、イチからチームで書き換えていく作業であったため、5ヵ月かけて改修をしていきました。将来のメンテナンスを考えながら設計をしていたのですが、大きいアプリだからこそ緊急性の高い情報の取り扱いなど、考えることの幅広さを実感しましたね」
開発したアプリをリリースする前には、一般の方に体験していただきフィードバックをもらいながら集まったバグや意見をもとに修正を何度も重ねて完成させていきました。当時を振り返る柴崎は、こう続けます。
柴崎 「この仕事をしていると、自分のつくったものが日本中の人の手にとってもらえるという実感を持つことができます。そして、ユーザー数が増えるにつれてやりがいととともに責任感も高まっていきますね」
邉見 「アプリには問い合わせスペースを設けているのですが、このリニューアルの後に“使いやすくなった”という声をもらえたのが嬉しかったです。知人や友人からも話題にしてもらうことが以前より増えた気がしています」
ウェザーニューズにはアプリのユーザーレビューを細かくチェックしており、ユーザーの声をできる限り反映させていきたいという考えがあります。
邉見 「たとえば、UIの大規模リニューアルでは、“天気予報の画面がすぐ見たい”というニーズに応え起動時画面を天気予報やその他好きなコンテンツにカスタマイズできるようにしたんです。また、ウェザーリポートの機能では、動画の送信を可能にしたり、全国のサポーターから送られてきたリポートの写真をより見やすくしたりするなどの工夫を行いました。
使っている人にとって何をしたら良いのかと仮説を考えてリリースするのはもちろんのこと、リリースした後も本当にその仮説が合っているのか数字でしっかりと検証することが大切だと思っています。地道な作業ではありますが、そうした積み重ねによって良いものができあがっていくと考えていますよ」
障害検知の面で素早い対応ができるしくみをつくっていきたいと意気込む柴崎。その上で、ユーザーからのフィードバックが来る前にこちらから不具合に気づけるようにしていきたいと熱い思いを語ります。
柴崎 「現在も安定性を高めるための取り組みを実施していますが、台風や地震などでアクセスが集中した際、正確な情報がユーザーに届けられる状態が何より大切だと考えています。不安なときこそちゃんと使えるアプリでいたいんです」
AndroidもiOSも新しいOSに変わっていく中で、常に最新の状態を取り入れていくことは大変でありつつも、他社と差別化ができるポイントだと話す柴崎。柴崎個人としても社外での勉強会に参加したり、早めに情報を取得して作業ができるようにしたりしています。
柴崎 「社内でも勉強会に参加した内容をシェアするSlackチャンネルがあり、最新情報をチームで共有していく文化ができているんです」
一方、邉見は今後もさらにたくさんの方々に使ってもらえるアプリにしていくために、ユーザーの体験に価値をおいたUI/UXの改善が必要不可欠だといいます。
邉見 「ユーザーにとって声にはならないものの、改善したら喜んでいただけるポイントってまだ隠れていると思うんです。たとえば、コンテンツの表示スピードといった細かな部分も、ユーザーエクスペリエンスにつながっています」
邉見は、以前に社内のマーケティングチームのメンバーから「アプリの起動画面が遅い」という声をもらった経験を振り返ります。
邉見 「常日頃自分で開発していると“そういうものだ”と疑問に思わない部分なのですが、実際に速度を計測してみたところ改善の余地があったんです。起動画面は不具合が起きたら大きな問題になるため、気づかないうちに保守的になっていたのでしょう。
そして、改善に取り組んだ結果、“サクサク動く”感覚を実感してもらうことができました。1秒にも満たない数字の修正ではあったものの、ユーザーの声にならない要望は、こうしたスピードの中にあるのかもしれませんね」
ユーザー参加型のアプリだからこそ、ユーザーの体験やフィードバックを何よりも大切に、正確な気象や災害情報をお客様の元に届けていきたい。──柴崎と邉見は、これからもアプリケーション開発で、人々の生活を豊かに、そして明るくしていくことでしょう。