ニュース
ウェザーニューズ、2012年 第四回桜開花予想発表
今週は西~東日本で開花エリア拡大、都心は週末に開花へ
- 先週は高知、熊本、鹿児島、宮崎、長崎、静岡で開花シーズンに
- 都心では週末頃にいよいよ開花、来週末は満開でお花見に最適!
- 近畿・東海は、過去5年の中でも最も開花が遅くなるところが多い予想
- 関東・中国・四国・甲信は、開花が遅かった昨年と同じくらい遅い時期に開花する見込み
- スマートフォン・携帯・インターネットサイト「ウェザーニュース」で、最新の開花情報を毎日更新
- 第五回桜開花予想発表は、4月2日(月)13時発表予定
株式会社ウェザーニューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、桜シーズン到来に向けて、桜の名所や公園などを対象とした約2万2千箇所の桜の開花予想を発表しました。本発表は、見頃が短い桜の開花時期を事前に知ってもらうことで、“日本の桜”を楽しんでもらうことを目的としています。開花予想の対象となった桜は、全国のお花見名所660箇所、近所の公園1万箇所、「さくらプロジェクト」に参加する一般の方の「マイ桜」約1万2千本(3月26日現在の登録数)です。開花予想にあたっては、過去8年間に一般の方から寄せられた160万通にもおよぶ桜の開花状況に関する膨大な“観察リポート”、先週全国で一斉調査した“つぼみリポート”、今後の“気象状況の予測”などをもとに算出しています。スマートフォン「ウェザーニュースタッチ」、携帯サイト、インターネットサイト「ウェザーニュース」内の「さくらCh.」では、全国2万2千箇所の最新の開花予想(開花日、5分咲き日、満開期間(満開開始日)、桜吹雪日)を毎日更新し、気象条件によって左右されやすい桜の開花の最新情報を公開していきます。
全国約2万箇所の桜開花予想は下記から確認できます。(無料) | ||
---|---|---|
スマートフォンアプリ 「ウェザーニュースタッチ」 ※名所、マイ桜の情報のみ検索できます |
携帯サイト URL:https://wni.jp/ |
インターネットサイト「さくらCh.」 URL: https://weathernews.jp/sakura/ |
2012年の桜開花予想
~桜開花の時期~今シーズンの冬は強い寒波により、記録的な積雪となったところがありました。つぼみが徐々に開花の準備を始める2月も、気温は平年より低く推移しました。3月上旬はいったん暖かくなるタイミングがありましたが、その後は気温が大きく上がらなかったところが多く、今年の開花は全国的に過去5年平均よりも、全国平均で5日程度遅くなる見込みです。今年のソメイヨシノの最も早い1輪開花は、四国太平洋側や九州南部ですでに始まっており、今週は気温が徐々に上がって九州北部や四国瀬戸内海側、近畿南部、東海で開花エリアが拡大し、都心でも週末頃に開花を迎える予想です。近畿、東海では過去5年の中でも最も遅くなるところが多くなり、九州・四国・中国・関東・甲信でも開花が遅かった昨年と同じくらい遅い時期に開花する見込みです。4月上旬には北陸や東北南部でも開花がスタートし、5月中旬にかけて北海道へと開花エリアが広がっていくでしょう。
2012年の開花状況
今年のソメイヨシノの一輪開花は熊本県と高知県から始まりました。西日本太平洋側で気温が上がった3月22 日~23日は高知県や鹿児島県、熊本県で、3月24日には宮崎県で2割以上の桜が一輪開花以上の状態になり開花シーズンに入りました。これは昨年とほぼ同時期ですが、熊本県では7日遅いシーズンインです。3月25日には静岡県や長崎県でも開花のシーズンに入りました。
各都道府県における開花実況(※昨日時点)
~つぼみ調査による全国の桜の生長状況~
全国約2,000本を超える桜のつぼみを調査した結果、今回も全国的に昨年に比べてつぼみの生長が遅い状態が続いていることが分かりました。「先がピンクに」以上に生長しているつぼみの割合は、関東では昨年に比べて17%程度減少、近畿では38%程度減少しています。前回の調査では昨年と同程度まで生長していた東海でも、昨年よりも13%程度減少しています。九州南部は、昨年と同程度まで生長が進み、すでに開花が始まっています。一方、北海道のつぼみはまだ変化が見られず、昨年と同様に100%のつぼみが「まだ小さく固い」状態でした。
~被災地のつぼみ調査と桜の生長状況~
先週も宮城県気仙沼市や名取市、七ヶ浜町、福島県南相馬市やいわき市など東日本大震災で大きな被害を受けた東北のエリアからも、つぼみのリポートが届いています。徐々に変化が現れ始めたつぼみが増えており、早いところでは福島県で「半分以上が緑に」なったつぼみも見られ、今年も順調に生長が進んでいるようです。4月上旬には東北南部沿岸から開花が始まり、4月下旬にかけて東北北部へと開花前線が北上していく見込みです。
※つぼみ調査について
ウェザーニューズでは、全国の桜の生長状況を調べるため、先週の3月22日~24日の期間、全国の一般の方と共に"つぼみ調査"を行いました。つぼみ調査により、つぼみの"今"の状態を細かく把握することで、2月20日に発表した開花傾向より精度の高い開花日を予想することができます。つぼみ調査では、つぼみの様子を"日当たり""枝""生長度合い"などを基準に選び、7ランク別(まだ小さく硬い、先が黄色に、先が緑に、半分以上が緑に、先がピンクに、花びらが見えた、花の軸が伸びきった)に写真と共に報告します。つぼみ調査は毎週定期的に行う予定で、それをもとに毎週月曜日に最新の予想を発表していきます。
~開花に影響する気温の推移と予測~
<休眠打破期 12月から2月前半の実況>
桜の開花に大きく影響する「休眠打破」は1日の平均気温が3度~9度くらいが、最も大きな効果があると考えています。今年は、強い寒気でしっかり冷え込んで、ほぼ全国的に休眠打破は順調に行われていたことが見込まれます。
<「生長期」 2月後半以降の今後の実況と予測>
2月後半も平年よりも気温が低い状態がしばらく続き、つぼみの生長はスローペースだったと予想されます。3月上旬はいったん暖かくなりましたが、その後、気温が大きく上がるタイミングがあったのは九州や四国太平洋側など一部のエリアにとどまりました。ほとんどのエリアが開花を促すような春本番の暖かさにならず、桜の生長は引き続き遅れたままでした。今週は次第に春らしい暖かさになる予想で、西~東日本太平洋側では開花を迎えるところが増えてきます。ただ、このタイミングで開花を迎えなかったところでは、3月末~4月初めに予想している寒の戻りの影響で、開花が遅くなる可能性があります。
~3月19日発表の桜開花予想との相違点~
最新の実況、予想に基づく解析に加え、一般の方によるつぼみ調査結果を反映させた結果、中国、近畿、中部、関東、東北南部では、前回発表した桜開花予想から一日程度、遅らせたところがあります。
2012年の各都道府県における名所の桜開花予想
下記の予想地点は、全国660箇所の名所から都道府県ごとに1つをピックアップ(北海道は2つ)したもので、その他の予想地点は、インターネットサイト(https://weathernews.jp/sakura/)または、スマートフォンアプリ「ウェザーニュースタッチ」、携帯サイト(https://wni.jp)にてご確認いただけます。また、昨年および5年平均開花日は、一部を除き各地点への当社独自調査によるものです。
ウェザーニューズの桜開花の定義について
<名所660箇所の桜開花予想について>
ウェザーニューズでは、桜の開花日を「その木に1輪以上の桜が初めて咲いた日」と定義しています。公園など、複数の桜の木がある場合の開花の定義は「その範囲の桜が開花すると予想されるピーク日」を算出しています。5分咲き日、満開期間(満開開始日)、桜吹雪日も同様の定義で行ないます。開花の確認は、該当施設の管理者などによる開花の判断があったかどうかを基準とします。
※1)2年前のシーズンより定義を変更したため、5年平均開花は推定値になります。
<各エリアの桜開花予想について>
桜は、樹齢や生育環境によって開花日に変動が生じるため、同じエリア内でも開花日は一本一本違います。ウェザーニューズでは、身近な桜の開花日をより感覚と合った形でお伝えするため、各エリアの開花日においては、開花日決定の対象となるような桜の木の選定を行わず、エリア全体の桜を対象とします。そのため、対象となる範囲が広く、桜の木が多い各エリアの開花日に関しては、開花のピークを迎える期間として発表しています。
ウェザーニューズの桜開花予測の手法について
ウェザーニューズでは、今シーズンの桜の開花予想にあたり、下記の4つの視点で分析し、開花予想を発表しています。
(1) サポーターリポートの分析
ウェザーニューズでは、全国各地の一般の方(サポーター)と、桜の“つぼみ”から“開花”“満開”“葉桜”になるまでの過程を共に観察する「さくらプロジェクト」の取り組みを2004年より毎年実施しています。昨年は、約2万人が本プロジェクトに参加し、当社には、過去8年で160万通以上もの各地点における開花情報が寄せられています。開花予想の発表は、これら蓄積された写真等の膨大な量の観察データを、地点ごとに細分化、分析し、ピンポイントに算出して行います。また、今後発表する予測に関しても、刻々と全国からリポートされる開花やつぼみの実況を取り入れて反映していきます。
(2)近年の統計データを分析
桜の開花予想を算出する際、過去の統計データは分析の基本データとなります。通常、過去30年~50年程度の長期間のデータを使用しますが、昨今の平均気温の上昇傾向により、長期の統計データでは、正確な開花予想の算出が難しくなってきました。当社では各地点の開花予想の算出にあたり、気温が上昇傾向にある過去20年の統計データを基本としています。また近年の急激な変化を把握するため過去5年、過去10年の統計データをも応用分析しています。さらに今年から、全国3,000箇所に設置している気象観測機「ソラテナ」のデータも活用し、きめ細かいデータを開花予想の算出に反映していきます。
(3) 最新の気象データをもとに開花に影響する気温の推移と開花予想を算出
桜の開花には、前年からの気温傾向が大きく関わります。桜が順調に開花する条件は、前年の秋から冬にかけて十分に冷え込むこと、そして2月後半以降に暖かさが増してくることです。秋から冬にかけての冷え込みは「休眠打破」のために必要なものです。また、開花を促すためには3月の気温が大きく影響し、3月の暖かな春の訪れが早いほど桜の生長が促されて桜の開花が早まる傾向にあります。なお、開花直前の時期に寒の戻りがあると、寒さが強まった日数だけ開花日が遅れる現象がありますが、こうした急激な冷え込みは、事前に把握、特定が難しく、これによる開花日の遅れは傾向として内包しています。こうした寒の戻りの傾向は、開花時期直前のつぼみ調査や最新の独自週間予報等から予測に反映します。
(4) 全国660箇所の桜の名所への取材データ
ウェザーニューズでは、「さくらプロジェクト」のコンテンツとして、毎年、全国の桜の名所(約660箇所)の紹介を桜の開花の実況と併せて提供しています。「さくらプロジェクト」では、これらの名所に、電話などで現地へ独自に取材を行い最新の桜の開花状況を調査してスマートフォン、携帯、インターネットサイトに情報を更新をしています。こうした全国の桜名所スポットの過去データを分析し、開花予想に反映しています。