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2012年 桜開花傾向発表。寒気が長引く影響で西・東日本ほど遅めの開花。
今年の桜、寒気が長引く影響で西・東日本ほど遅めの開花
~ 西日本~中部では過去5年で最も遅い開花の見込み ~
~ 塩害を受けた被災地の桜も美しい花が期待できそう~
- 全国のお花見名所660箇所の開花日、5分咲き日、満開開始日、桜吹雪日を発表
- インターネットサイトと携帯サイト「ウェザーニュース」で、最新情報を毎日更新
- 3月5日(月)に、第1回桜開花予想を発表予定
対象地点:各エリア / お花見名所660箇所 / 近所の公園1万箇所 / 要望があった桜の木全て
株式会社ウェザーニューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、2月20日(月)、来たる桜シーズンに向けて、各都道府県における桜の名所660箇所、及び各エリアの桜開花傾向を発表しました。本発表は、見頃が短い桜の開花時期を事前に知ってもらうことで、“日本の桜”を楽しんでもらうことを目的としています。“開花傾向”は、過去8年間に一般の方から寄せられた桜の開花状況に関する膨大なリポートと、今後の気象状況の予測をもとに算出しています。スマートフォン「ウェザーニュースタッチ」、携帯サイト、インターネットサイト「ウェザーニュース」では、本日より開花傾向を毎日更新し、気象条件によって左右されやすい桜の開花の最新情報を公開していきます。また、本日から開始する「さくらプロジェクト」の参加者から寄せられる観察リポートを取り入れた“開花予想(第一回)”は、3月5日(月)に一斉発表を予定しており、近所の公園、学校、自宅の桜の木など、要望があった桜の木、全ての開花予想を行ない、発表します(開花日が知りたい桜の木の登録に関しては、本日発表の「さくらプロジェクト」の資料をご参照下さい)。
全国660箇所における名所の桜開花傾向は下記から確認できます(無料) | ||
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スマートフォン 「ウェザーニュースタッチ」 https://weathernews.jp/s/※近日オープン予定 |
携帯サイト URL:https://wni.jp/ |
インターネットサイト「さくらCh.」 URL:https://weathernews.jp/sakura/ |
2012年の桜開花傾向
~桜開花の時期~
今シーズンの冬は強い寒波により、記録的な積雪となったところもありました。しっかりと冬の寒さが続いたことで、桜の芽は「休眠」状態から覚め、開花に向かっての生長のスタートをスムーズに切れたと考えられます。あとは春に向かって気温が上がるにつれ生長が進んでいきますが、今年は2月の気温も平年より低いところが多く、春本番の暖かさを感じられるのは3月中頃になってからの予想です。また、暖かくなってからも寒の戻りがあり、つぼみの生長が足踏みすることがあります。このため、今年の開花は全国的に過去5年の平均よりも遅めで、西日本~中部では過去5年の中でも一番遅くなるところが多くなる予想です。今年のソメイヨシノの最も早い桜の一輪開花は、3月下旬から九州、四国太平洋側の沿岸部で始まり、短い期間で西日本、東日本へと広がります。都心周辺は3月下旬から4月はじめに開花ピークを迎えそうです。
~被災地の桜の開花について~
昨年は、東日本大震災により津波の影響を受けた桜もありました。ただ、塩害などの影響を受けた宮城県名取市や石巻市、塩竈市などの地域の桜の木でも、花を咲かせた報告が届いたことから、幹や枝に大きなダメージを受けていない桜であれば今年も無事に開花を迎え、美しい花が咲きそうです。今年は、津波の影響を受けた桜の様子にも注目し、生長の様子を追っていきます。
2012年の各都道府県における名所の桜開花傾向
下記の予想地点は、全国660箇所の名所から都道府県ごとに1つをピックアップ(北海道は2つ)したもので、その他の予想地点は、インターネットサイト(https://weathernews.jp/sakura/)または、携帯サイト(https://wni.jp)にてご確認いただけます。また、昨年および5年平均開花日は、一部を除き各地点への当社独自調査によるものです。
ウェザーニューズの桜開花予想の定義について
<名所660箇所の桜開花予想について>
ウェザーニューズでは、桜の開花日を「その木に1輪以上の桜が初めて咲いた日」と定義しています。公園など、複数の桜の木がある場合の開花の定義は「その範囲の桜が開花すると予想されるピーク日」を算出しています。5分咲き日、満開開始日、桜吹雪日も同様の定義で行ないます。開花の確認は、該当施設の管理者などによる開花の判断があったかどうかを基準とします。
※1)一昨年シーズンより定義を変更したため、5年平均開花は推定値になります。
<各エリアの桜開花予想について>
桜は、樹齢や生育環境によって開花日に変動が生じるため、同じエリア内でも開花日は一本一本違います。ウェザーニューズでは、身近な桜の開花日をより感覚と合った形でお伝えするため、各エリアの開花日においては、開花日決定の対象となるような桜の木の選定を行わず、エリア全体の桜を対象とします。そのため、対象となる範囲が広く、桜の木が多い各エリアの開花日に関しては、開花のピークを迎える期間として発表しています。
ウェザーニューズの桜開花傾向の手法について
ウェザーニューズでは、今シーズンの桜の開花傾向にあたり、下記の4つの視点で分析し、開花傾向を発表しています。
(1) サポーターリポートの分析
ウェザーニューズでは、全国各地の一般の方(サポーター)と、桜の“つぼみ”から“開花”“満開”“葉桜”になるまでの過程を共に観察する「さくらプロジェクト」の取り組みを2004年より毎年実施しています。昨年は、約2万人が本プロジェクトに参加し、当社には、過去8 年で寄せられた160万通以上もの各地点における開花情報が蓄積されています。開花傾向の発表は、これら蓄積された写真等の膨大な量の観察データを、地点ごとに細分化、分析し、ピンポイントに算出して行います。また、今後発表する予測に関しても、全国から刻々とリポートされる開花やつぼみの実況を取り入れて反映していきます。
(2) 近年の統計データを分析
桜の開花傾向を算出する際、過去の統計データは分析の基本データとなります。通常、過去30年~50年程度の長期間のデータを使用しますが、昨今の平均気温の上昇傾向により、長期の統計データでは、正確な開花傾向の算出が難しくなってきました。当社では各地点の開花傾向の算出にあたり、気温が上昇傾向にある過去20年の統計データを基本としています。また近年の急激な変化を把握するため過去5年、過去10年の統計データを応用分析しています。さらに今年から、全国3,000箇所に設置している気象観測機「ソラテナ」のデータを活用し、きめ細かいデータを開花予想の算出に反映しています。
(3) 最新の気象データをもとに開花に影響する気温の推移と開花傾向を算出
桜の開花には、前年からの気温傾向が大きく関わります。桜が順調に開花する条件は、前年の秋から冬にかけて十分に冷え込むこと、そして2月後半以降に暖かさが増してくることです。秋から冬にかけての冷え込みは「休眠打破」のために必要なものです。また、開花を促すためには3月の気温が大きく影響し、3月の暖かな春の訪れが早いほど桜の生長が促されて桜の開花が早まる傾向にあります。なお、開花直前の時期に寒の戻りにがあると、寒さが強まった日数だけ開花日が遅れる現象がありますが、こうした急激な冷え込みは、事前に把握、確定が難しく、これによる開花日の遅れは傾向として内包しています。こうした寒の戻りの傾向は、開花時期直前のつぼみ調査や最新の独自週間予報等から予測に反映します。
(4) 全国660箇所の桜の名所への取材データ
ウェザーニューズでは、「さくらプロジェクト」のコンテンツとして、毎年、全国の桜の名所(約660箇所)を開花の実況と併せて提供しています。「さくらプロジェクト」では、これらの名所に、電話などで現地へ独自に取材を行い最新の桜の開花状況を調査して、スマートフォン向けサイト、携帯サイト、インターネットサイトに情報を更新しています。こうした全国の桜名所スポットの最新情報と過去データを分析し、開花傾向に反映しています。
各エリアの桜開花傾向
<桜開花情報に関するウェザーニューズの考え方>
日本の春を告げる象徴とも言える桜開花情報は、日本人にとって特別な意味をもつ重要な情報と考えています。一昨年から気象庁の開花予想が取りやめられると同時に、新たに始める企業も増え、これまでの桜情報の在り方が変わる時期を迎えました。多くの情報源から、利用者が能動的に自分にあった知りたい情報を入手できる環境が整っていくことは、一般の利用者をはじめ、桜のイベント等に携わる自治体や企業にとっても有益なことと考えています。ウェザーニューズでは、8年前から利用者がただ情報を受け取るだけでなく、自らが参加し、その主体性を通じて、より桜を楽しんでいただく桜情報を創ってきました。今年も、桜を楽しむ日本人すべてにウェザーニューズの桜開花情報を利用していただけるよう、これまで以上に楽しく、質の高い情報発信を目標に、サポーターと共に取り組んでいきます。