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ウェザーニューズ、2016年の花粉飛散傾向発表

来春の花粉飛散量は全国で平年より少なめ!関東では5割減

〜風が強い日や雨の翌日は一時的な飛散増加に注意、油断せずに対策を~

株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、10月8日、2016年の花粉シーズンにおける全国の“スギ・ヒノキ花粉”傾向を発表しました。本発表は、花粉症に悩む方に来年の花粉の飛散傾向をお知らせすることで早めに対策をとっていただき、少しでも花粉シーズンを快適に過ごしていただくことを目的としています。2016年の花粉飛散量は、今年の夏、暑い時期が短かった影響で平年(2008〜2015年平均)より3割少なくなる見込みです。2015年に飛散量が少なかった西日本では前シーズンより増加となる予想ですが、平年を上回るほどにはならない見込みです。ただ、風が強い日や雨の翌日は一時的に花粉の飛散が増えることがあります。飛散量が平年より少ない予想でも油断せず、早めに対策するのがおすすめです。ウェザーニューズの「花粉プロジェクト」には、症状が重くなる前から花粉をなるべく体内に取り込まないことが花粉症対策に効果的とのリポートが寄せられています。例年、2月以降は次第に花粉飛散量が増えてくるので、花粉シーズンに備えてください。

来春の花粉飛散量の傾向

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 夏の天候と、“表年”や“裏年”などの条件を考慮して総合的に判断すると、2016年のスギ・ヒノキ花粉シーズンの花粉飛散量はほぼ全国的に平年(2008〜2015年平均)より少なくなる見込みで、東日本を中心に予想飛散量が平年の70%未満となる地域が目立ちます。また、平年比が90%を超える山形県や岩手県でも、平年を上回る量の花粉が飛ぶことはない見込みです。
 2015年シーズンと比べると、2015年の花粉飛散量が少なかった西日本を中心に前年比が100%以上の地域が多くありますが、量としては平年並〜少なめとなりそうです。ただ、風が強い日や雨の降った翌日などには一時的に花粉の飛散が増えるため、油断はできません。これまでにサポーターの皆さんからいただいた症状や対策の報告によると、症状を和らげるには花粉をなるべく体内に取り込まないようにする対策が有効とのことです。例年、2月以降に花粉の飛散量が次第に増えていきますが、本格的な花粉シーズンを迎える前から対策しておくと良さそうです。

〜2015年の夏は日照不足と8月後半の低温で、雄花の生育に適さない天候〜
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 一般的に、前年の夏に十分な日照があり、夏らしい暑さであるほどスギ・ヒノキ花粉の発生源となる雄花生産量は多くなる傾向があります。よく晴れた暑い夏ほど植物の光合成が盛んになるからです。(北海道のシラカバ花粉も同様。)
2015年の夏は“短期集中型の夏”でした。8月上旬に猛暑日が集中したものの、東日本では8月中旬以降、オホーツク海高気圧の勢力が強まった影響で冷たい空気が流れ込みやすくなり、8月下旬の気温は平年を大幅に下回りました。東京では8月の最高気温が25℃に届かない日が6日あり、これは大冷夏となった1993年以来の記録となりました。また西日本では、8月中旬は前線、下旬は台風の影響で広い範囲で天気が崩れ、8月下旬の気温は平年を大幅に下回りました。このため、今年の夏は平年より日照が少なく、東〜西日本を中心に雄花の生育に適した天候ではなかったと言えます。

〜東北や東日本では花粉が少ない“裏年”、西日本は花粉が多い“表年”に〜

 花粉の飛散は多い年と少ない年が交互にやってくることが多く、花粉が多く飛散する“表年”の翌年は、飛散量が減少する“裏年”となる傾向があります。北海道や西日本は2015年に“裏年”だったため2016年は“表年”となり、2015年より花粉の飛散量が増加する見込みです。一方、東北や東日本は2015年が“表年”だったため、2016年は“裏年”となり、周期的にも前年より飛散量が少なくなる傾向があります。ただ、近年の九州では“表年”“裏年”の飛散量の増減があまり明瞭ではなく、“表年”“裏年”による増減より、夏の天候に大きく影響される傾向があります。

エリア別:花粉飛散予想

  エリア別の花粉飛散予想
左図:2016年の予想花粉飛散量、右図:過去8年の花粉飛散量と2016年の予想花粉飛散量
北海道
(※シラカバ花粉)
 花粉の飛散量は前年の夏の天候と、“表年”“裏年”による増減傾向で決まります。2015年は“裏年”にあたり飛散量が非常に少なくなりましたが、2016年は“表年”となり、前年より飛散量が増える傾向となりそうです。
 2015年の夏は前年より晴れる日が多かったものの、平年と比べると日照時間は少なくなりました。2016年シーズンのシラカバ花粉の飛散量は平年の70%程度となる見込みです。ただ、飛散数が非常に少なかった2015年シーズンと比べ50%程度増加するので油断はできません。
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東北北部  2015年の夏は2014年より太平洋側のエリアほど日照があり、スギ雄花の生育が促される天候となりました。ただ、2016年は“裏年”となり、前年より飛散数が少ない傾向となりそうです。
 夏の天候や隔年の増減傾向から、2016年シーズンの予想飛散量は、平年の80~90%程度、2015年シーズンの70~90%となる見込みです。飛散量は平年より少なめとなる予想ですが、今年の春に症状が出た方は油断せずに対策をしてください。なお、東北北部で春に多く飛散するのはスギ花粉で、ヒノキ花粉はほとんど飛散しません。
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東北南部  2015年の夏は2014年より太平洋側のエリアほど晴れて暑い日があり、スギ雄花の生育が促される天候となりました。ただ、2016年は“裏年”となり、前年より飛散数が少ない傾向となりそうです。
 夏の天候や隔年の増減傾向から、2016年シーズンの予想飛散量は、平年および2015年シーズンの60~100%となる見込みです。飛散量は平年より少なめとなる見込みですが、今年の春に症状が出た方は油断せずに対策をしてください。なお、東北南部で春に多く飛散するのはスギ花粉で、ヒノキ花粉はほとんど飛散しません。
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関東  2015年の夏は2013年や2014年の夏と比べると南部ほど雲が広がりやすく、8月後半以降は平年より気温の低い時期もあり、スギ・ヒノキ雄花の生育にはやや不向きな天候となりました。また、2016年は“裏年”となり、前年より飛散数が少ない傾向となりそうです。
 夏の天候や隔年の増減傾向から、2016年シーズンの予想飛散量は、平年の40~70%、2015年シーズンの60~90%程度となる見込みです。シーズンを通した飛散量は多くはありませんが、風が強い日や雨の翌日は一時的に多く飛散することがあるので油断できません。例年、2月以降は花粉の飛散量が増えていくため、油断せずに早めに対策するのがおすすめです。
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北陸・
甲信北部
(長野県)
 2015年の夏は、2014年と比べると新潟県や長野県を中心に晴れて暑い日もあり、スギ・ヒノキ雄花の生育が促される天候となりました。なお、2016年は“裏年”にあたり、前年より飛散数が少ない傾向となりそうです。
 夏の天候や隔年の増減傾向から、2016年シーズンの予想飛散量は、平年の60~90%となる見込みです。また、2015年シーズンと比べると新潟県や長野県では70~80%程度、その他の地域では100〜110%となる見込みです。飛散量はそれほど多くならない予想ですが、風の強い日や雨の翌日は一時的に多く飛散することがあるので油断できません。なお、例年、北陸で春に飛散するのは主にスギ花粉で、ヒノキ花粉は少ない傾向にあります。
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東海・
甲信南部
(山梨県)
 2015年の夏は岐阜県や三重県を中心に晴れて暑い日もあり、2014年の夏よりもスギ・ヒノキ雄花の生育が促される天候となりました。なお、2016年は“裏年”にあたり、前年より飛散数が少ない傾向となりそうです。三重県や岐阜県では2015年の飛散が少なかったため、前年よりも多く飛散する傾向となりそうです。
 夏の天候や隔年の増減傾向から、2016年シーズンの予想飛散量は、平年の50~80%と少ない予想ですが、2015年シーズンと比べると三重県では200%、岐阜県では150%で前年を上回る予想になっています。静岡県・愛知県・山梨県では2015年比が50〜70%と少ない予想ですが、風が強い日や雨の翌日には一時的に多く飛散する可能性があり、油断はできません。
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近畿  2016年は“表年”となり、前年より飛散数が増加する傾向の年ではありますが、2015年の夏の日照は2014年より増えたものの十分ではなく、スギ・ヒノキ雄花の生育にはやや不向きな天候となりました。
 夏の天候や隔年の増減傾向から、2016年シーズンの予想飛散量は平年の60~90%となる予想です。また、飛散量が少なかった2015年シーズンと比べると、奈良県や和歌山県では180~200%、その他の府県では120~130%となる予想です。飛散量は平年よりやや少ない見込みですが、前シーズンを上回る予想なので、油断せずに対策をしてください。
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山陰  2016年は“表年”となり、前年より飛散数が増加する傾向の年ではありますが、2015年の夏の日照は2014年より増えたものの十分ではなく、スギ・ヒノキ雄花の生育にはやや不向きな天候となりました。
 夏の天候や隔年の増減傾向から、2016年シーズンの予想飛散量は平年の50~70%、2015年シーズンの120〜160%となる見込みです。飛散量は平年より少ない予想ですが、前シーズンを上回るため、油断せずに対策をしてください。
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山陽 2016年は“表年”となり、前年より飛散数が増加する傾向の年ではありますが、2015年は平年より梅雨が長かったことに加え、夏は暑い晴天の日があまり続かず、スギ・ヒノキ雄花の生育には不向きな天候となりました。
 夏の天候や隔年の増減傾向から、2016年シーズンの予想飛散量は平年の80%程度、2015年シーズンの110〜130%となる見込みです。飛散量は平年より少ない予想ですが、2014年に比べて今夏は日照が増えた影響で、2015年シーズンよりはやや増加するため、油断せずに対策をしてください。
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四国  2016年は“表年”となり、前年より飛散数が増加する傾向の年ではありますが、2015年は平年より梅雨が長かったことに加え、夏は暑い晴天の日があまり続かず、スギ・ヒノキ雄花の生育には不向きな天候となりました。
 夏の天候や隔年の増減傾向から、2016年シーズンの予想飛散量は平年の50〜90%、2015年シーズンの150〜210%となる見込みです。飛散量は平年より少ない予想ですが、2014年に比べて今夏は日照が増えた影響で、2015年シーズンよりは増加するため、油断せずに対策をしてください。
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九州北部  九州北部では明瞭に“表年”“裏年”が現れない傾向があり、夏の天候がスギ・ヒノキ雄花の生育状況に大きく影響すると考えられます。2015年は平年より梅雨が長かったことに加え、夏は暑い晴天の日があまり続かず、スギ・ヒノキ雄花の生育には不向きな天候となりました。
 これらのことから、2016年シーズンの予想飛散量は平年の40~80%の飛散量となる見込みです。ただ、2015年シーズンの飛散量が非常に少なかったため、2015年比が200%を超える予想の県が多くなっています。油断せずに対策をしてください。
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九州南部  九州南部では明瞭に“表年”“裏年”が現れない傾向があり、夏の天候がスギ・ヒノキ雄花の生育状況に大きく影響すると考えられます。2015年は梅雨明け直後などに晴れて暑い日がありましたが、夏に十分な日照がなく、雄花の生育には不向きな状況となりました。
 これらのことから、2016年シーズンの予想飛散量は、鹿児島県で平年の40%程度、宮崎県で平年の70%程度となる見込みです。ただ、2014年に比べて今夏は日照が増えた影響で、2015年の100〜120%程度となる予想です。油断せずに対策をしてください。
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参考情報

都道府県別2016年花粉飛散予想

※平年値:2008年〜2015年の8年平均飛散量

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