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広島市の大規模土砂災害について
バックビルディング現象による局地的豪雨が影響
~ 広島県内は今夜いっぱい、九州北部は明日午前中まで局地的豪雨・雷に注意 ~
8月20日未明、広島市内での局地的豪雨によって安佐南、安佐北両区で土砂災害が発生しました。今回、土砂災害をもたらした豪雨は同じ場所で次々と積乱雲が発生する『バックビルディング現象』が影響したと考えられます。この後、広島県内は今夜いっぱいまで、九州北部では明日午前中まで局地的な豪雨や雷に警戒が必要です。これまでの雨で地盤が緩くなっているため、引き続き土砂崩れにも注意してください。
広島市に局地的豪雨をもたらせたバックビルディング現象について
バックビルディング現象とは、ある場所で積乱雲が発生し続け、上空の風に流されて積乱雲が移動し別の場所で雨を降らせる現象です。その際、積乱雲が線状に並び、同じ場所で強い雨や雷をもたらします。今回、豊後水道を通って日本海側に停滞する前線に向かって広島県と山口県の県境に流れ込んだ湿った南風が、丘陵部にぶつかり上昇気流となって積乱雲を発生させました。一方、上空1500m付近では南西風が吹いており、この南風とぶつかり県境付近で発生した積乱雲をさらに発達させながら北東方向へ運んだため、風下側の広島市北部で長時間にわたり局地的豪雨となりました。また、この時の積乱雲は雲頂高度15000m弱まで発達していることがウェザーニューズ独自の「WITHレーダー」によって確認されました。
19日から20日にかけての雨雲の様子
20日午前1時ごろから雨雲がライン上に並び始め、同午前5時ごろには解消されています。このことからバックビルディング現象は20日午前1時から同午前4時ごろまで続いたと考えられます。
ウェザーリポートによる当時の様子
土砂災害の様子とともに、前日の19日には雷に関するリポートも多数寄せられました。