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超小型衛星「WNISAT-1」、メインミッション変更

北極海の海氷観測衛星「WNISAT-1R」を2015年打ち上げ


株式会社ウェザーニューズ(所在地:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)と株式会社アクセルスペース(所在地:千代田区神田小川町、代表取締役:中村友哉)は2014年5月16日(金)、昨年11月21日に打ち上げた超小型衛星「WNISAT-1」の一部機器の故障によるメインミッションの変更、及びリカバリー衛星「WNISAT-1R」の打ち上げを発表しました。「WNISAT-1R」は北極海を通航する船舶へのサポート強化の早期実現に向け、2015年6~8月の打ち上げを予定しています。

「WNISAT-1」搭載機器の故障及び今後の活用について

「WNISAT-1」は、昨年11月21日の日本時間16時10分11秒、ロシアのヤースヌイ宇宙基地からドニエプルロケットによって宇宙へ打ち上げられました。その後、試験運用を行っていましたが、カメラ及び高精度姿勢センサー(スタートラッカー)の故障が確認されました。これにより北極海の海氷観測という当初のミッションの遂行は不可能となりましたが、磁気センサーとその他の機能については正常に稼働していることから、今後は航空機の北極航路運航支援サービスに向けた太陽活動の影響による磁場観測と、次期衛星のバス技術実証へミッションを変更し、2014年夏以降の運用を目指します。

<詳細>
・故障内容
-高精度姿勢センサー(スタートラッカー)故障により、レーザーミッションが実施不可能になりました。
-カメラ故障により、海氷モニタリングミッションが実施不可能になりました。

・原因
-放射線の影響により装置内のICが破壊された可能性が考えられます。
(参考:https://www.axelspace.com/wp-content/release/WNISAT1_report_20140516.pdf)

北極海の海氷観測衛星「WNISAT-1R」、2015年打ち上げ予定

北極海を通航する船舶への運航支援サービス「Polar Routeing Service」の強化に向けて、北極海の海氷観測衛星「WNISAT-1R」の開発を開始、2015年6~8月の打ち上げを目指します。「WNISAT-1」打ち上げ及び運用の経験をもとに、耐放射線性を強化した姿勢センサー(スタートラッカー)と複数のカメラを搭載するとともに、システム全体の信頼性を高めることで想定外の事象が発生した際のサバイバビリティー向上にも取り組む予定です。

<WNISAT-1R概要>

大きさ 60cm×60cm×60cm
<WNISAT-1Rイメージ>
20140516
重量 50kg以下
搭載機器 ミッションカメラ6台(冗長構成
高耐放射線性OBC(On Board Computer)