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ウェザーニューズ、2014年 第二回桜開花予想発表

西〜東日本は昨年より遅め、北日本はかなり早めの開花に

~ 上野恩賜公園や大阪城公園は29日に開花、高知公園は全国で最も早く開花する見込み ~

株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、桜シーズン到来に向けて、桜の名所や公園などを対象とした桜の開花予想を発表しました。本発表は、見頃が短い桜の開花時期を事前に知ってもらうことで、“日本の桜”を楽しんでもらうことを目的としています。開花予想の対象となった桜は、全国のお花見名所700箇所、近所の公園1万箇所、「さくらプロジェクト」に参加する一般の方の「マイ桜」約6746本です。開花予想にあたっては、過去10年間に「さくらプロジェクト」に参加された一般の方から寄せられた桜の開花状況に関する膨大なリポートと、先週土曜日から月曜日にかけて全国で一斉調査した“つぼみリポート”、今後の“気象状況の予測”などをもとに算出しています。スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」、携帯サイト、インターネットサイト「ウェザーニュース」内の『さくらCh.』にて、全国の桜の最新開花予想(開花日、5分咲き日、満開期間(満開開始日)、桜吹雪日)を随時更新し、気象条件によって左右されやすい桜の開花の最新情報を公開していきます。

2014年の桜開花予想

~桜開花の時期~
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今年は昨年同様、全国的に気温が低く寒い冬でした。また太平洋側でも記録的な雪になりました。冬らしい冷え込みにより、桜の芽は「休眠」状態から覚め、開花に向かっての生長のスタートをスムーズに切れたと考えられます。スタートを切った後は気温が上がることで開花にむけてつぼみの生長が促されます。昨年は3月に入って急激に気温が上昇したため、西〜東日本で非常に早く開花しましたが、今年は3月前半の気温が昨年より非常に低くなったため、昨年より遅めの開花となる見込みです。北日本は、昨年は開花直前の時期の気温低下で開花が遅くなりましたが、今年は昨年ほどの冷え込みはない見込みで、昨年よりかなり早めに開花する予想です。今年のソメイヨシノの最も早い桜の一輪開花は、3月半ば過ぎから九州・四国の沿岸部・紀伊半島南部で始まり、西日本、東日本へと広がります。都心周辺は3月下旬の後半に開花のピークを迎えそうです。

~つぼみ調査による全国の桜の生長状況~

全国2,605本のつぼみ調査の結果、現在の桜の生長状況は、開花が記録的に早かった昨年に比べると遅いことが分かりました。昨シーズンの同時期に比べ、「先が黄色に」以上に生長しているつぼみの割合は九州・四国・関東・北陸・東北で約2割減少、中国・近畿・東海・甲信では約1割減少しています。それでも、つぼみの生長が早い九州や四国では「先が緑に」以上になったつぼみの割合が3割を超え(第1回目の調査時より2割以上の増加)、昨年より遅いペースながらも、つぼみの生長は順調に進んでいることが分かりました。このエリアではわずかですが「花びらが見えた」つぼみも現れており、間もなく開花が始まる桜があることが確認できました。また、北海道のつぼみはまだ変化が見られず、ほとんどのつぼみが昨年同様、「まだ小さく硬い」状態です。

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東北地方
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関東地方
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東海地方
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北陸地方
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甲信地方
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近畿地方
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中国地方
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四国地方
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九州地方
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※つぼみ調査について

ウェザーニューズでは、全国の桜の生長状況を調べるため、3月8日~10日の期間、全国の一般の方と共に“つぼみ調査”を行いました。つぼみ調査により、つぼみの“今”の状態を細かく把握することで、2月20 日に発表した開花傾向より精度の高い開花日を予想することができます。つぼみ調査では、つぼみの様子を“日当たり”“枝”“生長度合い”などを基準に選び、7ランク別(まだ小さく硬い、先が黄色に、先が緑に、半分以上が緑に、先がピンクに、花びらが見えた、花の軸が伸びきった)に写真と共に報告します。つぼみ調査は毎週定期的に行う予定で、それをもとに毎週水曜日に最新の予想を発表していきます。

~開花に影響する気温の推移と予測~
<休眠打破期 12月から2月前半の実況>

桜の開花に大きく影響する「休眠打破」は1日の平均気温が3~9度くらいが、最も大きな効果があると考えています。今冬は平年より気温の低い期間が長く、休眠打破が順調に行われていると分析できます。北日本の11~12月は平年より気温が高めでしたが、1月上旬~中旬および2月中旬は寒気の流れ込みで厳しい寒さとなり、休眠打破に必要な寒さは十分だったと分析しています。

<「生長期」 2月以降の実況と今後の予測>

2月後半以降、暖かければ暖かいほど開花が早まります。2月上旬前半と2月下旬後半に気温が平年より高くなりましたが、2月上旬後半~2月下旬前半は気温の低い日が多くなりました。2月の1ヶ月間の気温はほぼ全国で平年並で、桜のつぼみの生長は順調に進んでいると分析できます。西~東日本では、3月の気温は平年より低めで、開花時期に気温が急上昇して記録的な早さで開花を迎えた昨年と比べると、数日遅い開花になるところが多くなる見込みです。

~2月20日発表の桜開花傾向との相違点~

2月20日に発表した桜開花傾向は、気象の実況と予測、過去10年に一般の方から寄せられた桜の生長状況に関する観察リポートなどの解析をもとにして“傾向”として発表したものです。今回は、最新の実況、予想に基づく解析に加え、一般の方によるつぼみ調査結果を反映させた“予想”として発表しています。今回のつぼみ調査の結果、前回発表した開花予想日から大幅にずれることはないペースでつぼみの生長が進んでいることが確認できたため、前回発表した予想日からの修正はほとんどありません。

◆ 2014年の各都道府県における名所の桜開花予想

下記の予想地点は、全国700箇所の名所から都道府県ごとに1つをピックアップ(北海道は2つ)したもので、その他の予想地点は、インターネットサイト(https://weathernews.jp/sakura/)または、スマートフォンアプリ「ウェザーニュースタッチ」、携帯サイト(https://wni.jp)にてご確認いただけます。また、昨年および5年平均開花日は、一部を除き各地点への当社独自調査によるものです。

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※ 1)2010年より開花の定義を「5~6輪」開花からより需要の高い「1輪」開花に定義を変更したため、それ以前(2008年、2009年)の1輪開花日は当社の推定値に基づいて算出しています。
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※インターネットサイト「ウェザーニュース」(https://weathernews.jp/sakura/)のイメージ図。全国約700地点における最新の開花予想日がご覧いただけます。

ウェザーニューズの桜開花予想の定義について

<名所700箇所の桜開花予想について>

ウェザーニューズでは、桜の開花日を「その木に1輪以上の桜が初めて咲いた日」と定義しています。公園など、複数の桜の木がある場合の開花の定義は「その範囲の複数の桜の木に1輪以上の桜が初めて咲いた日」を算出しています。5分咲き日、満開期間(満開開始日)、桜吹雪日も同様の定義で行います。開花の確認は、該当施設の管理者などによる開花の判断があったかどうかを基準とします。

<各エリアの桜開花予想について>

桜は、樹齢や生育環境によって開花日に変動が生じるため、同じエリア内でも開花日は一本一本違います。ウェザーニューズでは、身近な桜の開花日をより感覚と合った形でお伝えするため、各エリアの開花日においては、開花日決定の対象となるような桜の木の選定を行わず、エリア全体の桜を対象としま
す。そのため、対象となる範囲が広く、桜の木が多い各エリアの開花日に関しては、開花のピークを迎
える期間として発表しています。

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ウェザーニューズの桜開花予想の手法について

ウェザーニューズでは、今シーズンの桜の開花予想にあたり、下記の4つの視点で分析し、開花予想を発表しています。

(1) サポーターリポートの分析

ウェザーニューズでは、全国各地の一般の方(サポーター)と、1人1本お気に入りの「マイ桜」を登録し、桜の“つぼみ”から“開花”“満開”“葉桜”になるまでの過程を共に観察する「さくらプロジェクト」を2004年より毎年実施しています。今日までに合計6746本(現在も登録受付中)の「マイ桜」が登録され、定点での観察結果が日々ウェザーニューズに届いています。昨年は、約1.5万人が本プロジェクトに参加し、当社には、過去10年で寄せられた180万通以上もの各地点における開花情報が蓄積されています。開花傾向の発表は、これら蓄積された写真等の膨大な量の観察データを、地点ごとに細分化、分析し、ピンポイントに算出して行います。また、今後発表する予測に関しても、全国から刻々とリポートされる開花やつぼみの実況を取り入れて反映していきます。

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(2) 近年の統計データを分析

桜の開花傾向を算出する際、過去の統計データは分析の基本データとなります。通常、過去30年~50年程度の長期間のデータを使用しますが、昨今の平均気温の上昇傾向により、長期の統計データでは、正確な開花傾向の算出が難しくなってきました。当社では各地点の開花傾向の算出にあたり、気温が上昇傾向にある過去20年の統計データを基本としています。また近年の急激な変化を把握するため過去5年、過去10年の統計データを応用分析しています。また、より精度の高い開花予想が出来るよう、全国3,000箇所に設置している気象観測機「ソラテナ」の気象データを取り入れ、気温と各エリアの開花状況の分析を実施しています。

(3) 最新の気象データをもとに開花に影響する気温の推移と開花傾向を算出

桜の開花には、前年からの気温傾向が大きく関わります。桜が順調に開花する条件は、前年の秋から冬にかけて十分に冷え込むこと、そして2月後半以降に暖かさが増してくることです。秋から冬にかけての冷え込みは「休眠打破」のために必要なものです。また、開花を促すためには3月の気温が大きく影響し、3月の暖かな春の訪れが早いほど桜の生長が促されて桜の開花が早まる傾向にあります。なお、開花直前の時期に寒の戻りがあると、寒さが強まった日数だけ開花日が遅れる現象がありますが、こうした急激な冷え込みは、事前に把握、確定が難しく、これによる開花日の遅れは傾向として内包しています。こうした寒の戻りの傾向は、開花時期直前のつぼみ調査や最新の独自週間予報等から予測に反映します。

(4) 全国700箇所の桜の名所への取材データ

ウェザーニューズでは、「さくらプロジェクト」のコンテンツとして、毎年、全国の桜の名所を開花の実況と併せて提供しています。今年は全国700箇所の情報を公開します。「さくらプロジェクト」では、これらの名所に、電話などで現地へ独自に取材を行い最新の桜の開花状況を調査して、スマートフォン向けサイト「ウェザーニュースタッチ」の『さくらCh.』、携帯サイト、インターネットサイト「ウェザーニュース」(https://weathernews.jp/sakura/)に情報を更新しています。こうした全国の桜名所スポットの最新情報と過去データを分析し、開花傾向に反映しています。


2014年の各都道府県における名所の開花状況と開花予想日

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※インターネットサイト「ウェザーニュース」(https://weathernews.jp/sakura/)にて、全部で約700地点の開花予想日や満開開始日を掲載しています。最新の情報や掲載されていない地点の情報は、ホームページからご覧いただけます。

各エリアの桜開花予想

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ゴールデンウィーク終盤に見頃に
北海道地方では、3月後半から4月の気温はほぼ平年の予想で、4月は気温差が一時的に大きく平年を上回ることもあります。気温の上昇で桜の生長が順調に進み、例年並かやや早め(過去5年平均)の開花となる見込みです。5月の始めには道南から桜が咲き始め、5月半ばにかけて開花エリアが広がっていきます。札幌周辺では、ゴールデンウィーク中盤から続々と開花が始まり、連休終盤には満開の桜を楽しめそうです。全国で開花が最も遅い根室釧路方面でも5月下旬には満開の桜を楽しむことができそうです。

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4月中頃から桜満開の季節に
東北地方では、これから4月の気温は平年並かやや低くなる予想です。桜が咲く直前には、気温差が大きくなって一時的に平年を上回ることもあります。開花直前の暖かさで桜の花はほぼ例年並(過去5年平均)の開花となる見込みですが、福島県では過去5年平均より数日遅い開花になるところもあります。4月2週目くらいから福島沿岸で開花が始まり、4月下旬にかけて開花前線は順調に北上を続ける予想です。一番の見頃時期を迎えるのは、仙台や福島周辺で4月半ばとなります。青森周辺ではちょうどゴールデンウィークに見頃を迎える名所が多くなりそうです。

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関東南部は桜満開の入学式に
関東地方の3月前半は気温の低い日が多くなりましたが、3月後半は平年より気温が高めになります。寒暖の差はあるものの、次第に暖かな日が増え、花芽の生長がグッと進む日もありそうです。このため桜の開花が大幅に遅くなることはありませんが、昨年は記録的な早さで開花を迎えたため、例年(過去5年平均)と比べると数日遅めの開花となる見込みです。桜の開花は3月下旬後半に南部から始まり、4月の初めにかけて開花前線が北上していく予想です。見頃時期を迎えるのは都心周辺では3月末~4月初めの予想。関東南部では各地で桜満開の入学式を迎えることができそうです。

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東海地方は桜満開の入学式に
中部地方の3月前半は気温の低い日が多くなりましたが、3月後半に気温が上昇する日もあるため開花が大幅に遅れることはありません。ただ、昨年は記録的な早さで開花を迎えたこともあり、例年(過去5年平均)と比べると数日遅めの開花となる見込みです。3月下旬の早い時期に東海沿岸から桜の開花が始まり、北陸地方も4月上旬には開花時期を迎える所が多くなります。見頃時期を迎えるのは、名古屋周辺で3月末~4月初め頃となり、4月はじめの入学式シーズンには桜が満開となりそうです。北陸地方は、4月中旬頃に見頃を迎える所が多くなりそうです。

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京阪神は桜満開の入学式に
近畿地方の3月前半は気温の低い日が多くなりましたが、3月後半は平年より気温が高くなります。寒暖の差はあるものの、次第に暖かな日が増えていくため、桜の開花が大幅に遅くなることはありませんが、昨年は記録的な早さで開花を迎えたため、例年(過去5年平均)と比べると数日遅めの開花となる見込みです。3月下旬になると紀伊半島南部から桜の開花が始まり、4月の始めにかけて開花前線が北上していく予想です。見頃時期を迎えるのは京阪神周辺では4月上旬となり、今年の入学式シーズンは桜の満開の時期になりそうです。近畿北部の桜が見頃を迎えるのは、4月中旬の見込みです。

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山陽は桜満開の入学式に
中国四国地方の3月前半は気温の低い日が多くなりましたが、3月後半は平年より気温が高くなります。寒暖の差はあるものの、次第に暖かな日が増えていくため、桜の開花が大幅に遅くなることはありませんが、昨年は記録的な早さで開花を迎えたため、例年(過去5年平均)と比べると数日遅めの開花となる見込みです。3月下旬にさしかかる頃には高知沿岸から桜の開花が始まり、沖縄を除くと高知が全国で最も早い開花になる可能性があります。山陰地方の沿岸も3月末には開花時期を迎えます。見頃を迎えるのは、広島市周辺で4月の始めとなり、4月の一週目くらいまで桜を楽しむことが出来そうです。

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3月下旬に見頃のピークに
九州地方の3月前半は気温の低め日が多くなりましたが、3月後半は平年より気温が高くなります。寒暖の差はあるものの、次第に暖かな日が増えていくため、桜の開花が大幅に遅くなることはありません。ただ、昨年は記録的な早さで開花を迎えたため、例年(過去5年平均)と比べると数日遅めの開花となる見込みです。3月下旬には沿岸部で桜の開花が始まり、その後、標高の高い所へと開花が進んでいく予想です。見頃時期を迎えるのは、福岡市周辺では3月末~4月初めとなり、4月の一週目まで桜を楽しむことが出来そうです。