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ウェザーニューズ、「秋冬の小売需要傾向2024」を発表

今シーズンも暖冬、秋〜冬は全国的に平年より気温が高い傾向

〜秋・冬物商品の動き出しは例年より遅く、11月の寒気流入で需要急増の可能性〜

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株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:石橋 知博)は、2月までの秋冬の天気傾向と商品需要を予想した「秋冬の小売需要傾向2024」を本日発表しました。今シーズンも暖冬傾向で、秋冬にかけて全国的に平年より気温が高い見込みです。秋の気温(10〜11月)は全国的に平年より高い傾向で、冬の気温(12〜2月)は北〜東日本で平年より高く、西日本と沖縄・奄美では平年並~高くなりそうです。10月までは太平洋高気圧の張り出しが平年より強く、季節の歩みが遅くなりますが、11月は西日本を中心に寒気が流入し、季節が一気に進む可能性があります。また、冬前半は寒気が入りやすいですが、冬後半は冬型の気圧配置が長続きせず、平年より暖かくなりそうです。

例年より季節の歩みがゆっくりで、秋冬の衣料品や飲食物などの季節商品の需要は例年よりも動き出しが遅い傾向ですが、11月以降の冷え込みで需要が急増する可能性があります。冬後半は気温が高いことで冬物商品の需要は長くは続かず、年明けとともに低下する見通しです。

当社では、アパレル・食品などのメーカーや小売店に対して、1kmメッシュの高解像度な気象データや企業専用にお天気アプリをカスタマイズできる「ウェザーニュース for business」、商品との気象相関分析や広告サービスなどを提供しています。気象データのビジネス活用にご興味のある企業の方は以下URLよりお問い合わせください。

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https://biz.weathernews.jp/contact/

気温傾向:北〜東日本は平年より高く、西日本は平年並~高い予想

秋(10〜11月)の気温は全国的に平年より高い予想です。地球温暖化の影響により北半球全体で平年より気温が高く、偏西風は全般的に平年より北を流れやすい傾向です。この影響で、10月にかけて太平洋高気圧の後退が平年より遅くなり、日本付近は暖かい空気に覆われやすくなることで、秋の気温は全国的に平年よりも高くなる見込みです。全般に平年より気温が高く、10月までは季節はゆっくりと進みますが、11月になると偏西風が日本付近で南へ蛇行し、西回りで寒気が流入する可能性があるため急な冷え込みに注意が必要です。一気に季節が進む可能性があるので、衣替えの準備は万全にしてください。また、10月は台風が発生し、本州付近に接近する可能性もあるため、最新の情報をご確認ください。

冬(12〜2月)の気温は、北〜東日本は平年より高く、西日本は平年並~高い、沖縄・奄美は平年並〜やや高い予想です。冬も偏西風は平年よりも北を流れやすい状態が継続します(①)。また、今年の秋にラニーニャ現象が 発生し、冬にかけて継続する見込みです(②)。ラニーニャ現象の影響で、ベンガル湾からフィリピン近海の対流活動が平年より活発になり、活発域は、冬前半はベンガル湾付近で、後半は次第に東へ移る見込みです(③)。このため、中国内陸の偏西風は、平年よりも北を流れやすく(④)、この下流にあたる日本付近では、冬前半ほど偏西風が南に蛇行しやすくなります(⑤)。この影響で、冬前半ほど西日本を中心に寒気が入りやすい見込みです(⑥)。

寒さのピークは1月下旬~2月上旬の見込みですが、冬前半ほど平年より気温差が大きくなるため、早めの寒さ対策が必要です。また、初雪は北日本で平年より遅く、東・西日本は平年より早いところがありそうです。

 

降水と降雪の傾向:降雪量は平年並、ただし大雪のおそれも

10月にかけて秋雨前線が停滞し、東日本を中心にぐずつきやすい時期がありそうです。このため10〜11月にかけての降水量は、北〜東日本で平年並か多く、西日本と沖縄・奄美は概ね平年並となりそうです。

南からの暖かく湿った空気の流れ込みや、台風による強雨や大雨にご注意ください。
 12〜2月は前半ほど冬型の気圧配置が強まり、強い寒気が入ることもありますが、後半は長続きしない傾向です。そのため、降雪量は全国的に平年並となる予想ですが、北日本の日本海側を中心に強雪や大雪になるおそれもあるため、雪への備えを十分にしてください。一方、南岸低気圧の発生数はやや少ない傾向ですが、寒気の南下するタイミング次第では、関東や東北太平洋側で積雪や大雪の可能性もあるので、注意が必要です。

秋冬の小売需要傾向2024
〜今シーズンの予想〜

当社流通気象チームの気象データアナリストは、過去の9〜2月のGoogle検索数の傾向と気象データの関係を分析し、今シーズンの秋冬の気温傾向をもとに季節商品が注目される時期を予想しました。

9月は残暑の影響で秋物商品の動き出しが鈍い傾向が見られますが、今年は秋を通して季節の歩みがゆっくりで平年より気温が高いため、秋冬の季節商品の需要増シーズンは例年より遅くなりそうです。

10月に入ると朝晩は気温が下がってきて、毛布、羽毛布団、おでん、鍋つゆ、セーター、ダウンジャケット、ハンドクリームなどの需要が次第に増えそうです。11月以降の寒気流入で一気に冷え込み、需要が本格化する見込みです。また、こたつや毛布、おでんなどは、冬の期間(12~2月)も気温が下がるタイミングで需要が伸びる見込みですが、平年よりも気温が高い傾向が続くため、秋冬商品の需要は年明け後に段々と減少しそうです。

〜類似年の需要傾向〜

今冬(12~2月)の気温傾向は、2020〜2021年と類似すると予想しています。2020年12月〜2021年2月の東京の気象を振り返ると、冬の前半に強い寒気が流れ込んだ時期がありましたが、後半は寒気の南下が弱くなりました。

気温は1月半ばにかけて大きなアップダウンもありながらも段々と下降、その後上昇傾向に転じています。体感報告は1月半ばにかけては、「寒い」が多くを占めましたが、1月半ば以降は「ちょうどいい」の割合が多い日がたびたび現れ、2月に入ると、「ちょうどいい」体感の日が多くなりました。

当時の冬のコート検索数は緩やかに減少していますが、ダウンジャケットは気温が下がった12月半ば頃に検索数の山が見られますが、その後は急激に減少しています。「鍋つゆ」は、1月半ばにかけては気温に呼応して増加する傾向が見られますが、1月後半からは減少トレンドを示しています。

製造業・小売業向け気象サービス

当社は食料品やアパレル、家電のメーカーや、スーパーマーケットやコンビニなどの小売店向けに、1kmメッシュ(四方)の気象データを提供し、企業の店舗運営や販売戦略をサポートしています。天気・気温・降水量・風向・風速・気圧・湿度などさまざまな気象要素や体感に関する短期・中期・長期予報や実況データをAPIなどで提供します。企業は、気象データを企業が運用している商品の需要予測や来店客予測、レジシフトの調整、自動発注システムなどに取り入れることができます。

また、企業専用にお天気アプリをカスタマイズできる「ウェザーニュース for business」や企業の商品と気象データの相関を分析する「気象相関分析」、気象的に商品需要が高まるエリアや時間帯にお天気アプリ「ウェザーニュース」上で広告を配信する「天気連動広告」や、お天気キャスターとのYouTubeやSNSでのコラボ企画も実施しています。気象情報のビジネス活用にご興味のある企業の方は、以下よりお問い合わせください。

▼お問い合わせはこちらから
https://wxtech.weathernews.com/contact.html

10〜2月のエリア別気象見解

エリア
気温傾向
(平年との比較)
気象見解
北日本
(北海道・東北)
平年より高い
 
・10月〜11月:高い
・12月〜2月:高い
<10月>北日本の天気は周期変化します。北海道は晴れる日が多いものの、前半は日本海側で曇りや雨のぐずついた天気となる時期もありそうです。東北も晴れる日が多いですが、上旬は太平洋側を中心に強雨や雷雨の日がありそうです。
気温は各地で平年より高い予想です。昼間の暑さは和らぎ、昼間でも肌寒く感じる日も出てきます。朝晩と昼間の体感差も大きくなっていくため、ストールなどの小物アイテムを活用し、服装で体感温度の調整を行ってください。
<11月>天気は周期変化します。低気圧や前線の通過とともに寒気が南下して、季節はさらに進みます。一時的に冬型の気圧配置となり、前半には北海道の平野部でも初雪の可能性があります。後半には東北でも初雪となりそうです。ただ、平年と比べると遅い傾向です。
気温は平年より高い予想です。朝晩は冷えるので服装で調節を行ってください。
<12〜2月>今冬は昨年に比べ冬型の気圧配置になりやすいものの、後半ほど長続きしない傾向です。降雪量は日本海側、太平洋側ともに平年並の見込みです。日本海側では強く降る日もあるため、十分に備える必要があります。また、寒気が流れ込むタイミング次第では、南岸低気圧の影響で、東北太平洋側でも積雪、大雪になる可能性があります。
気温は平年より高い予想です。寒さのピークは1月下旬~2月上旬の予想で、しっかり寒さ対策をする必要があります。
東日本
(関東甲信・北陸・東海)
平年より高い
 
・10月〜11月:高い
・12月〜2月:高い
 
<10月>東日本の天気は周期変化します。晴れる日が多いですが、太平洋側を中心に上旬は強雨や雷雨になる日がありそうです。台風が接近する可能性があるため、最新情報を確認するようにしてください。
気温は平年より高く、昼間は暑さを感じる日もまだありそうです。それでも長袖が欲しくなる日が段々と出てきます。特に朝晩は気温が下がり、上着やストールなどの小物を活用するようになりそうです。
<11月>天気は周期変化します。太平洋側は晴れる日が多くなるものの、上旬は強雨に注意が必要です。北陸エリアは寒気の影響でしぐれる日が増えてきます。
気温は平年より高い予想です。昼間は少し暑さを感じることもありそうですが、朝晩はヒンヤリ感じるので、一日の体感変化に注意が必要です。ジャケットなどの羽織るものが活躍しそうです。朝晩の冷たい空気が葉の色を少しずつ染めていき、段々と市街地でも紅葉狩りが楽しめるようになります。
<12〜2月>今冬は昨年に比べ冬型の気圧配置になりやすいものの、後半ほど長続きしない傾向です。降雪量は日本海側、太平洋側ともに平年並の見込みです。寒気が流れ込むタイミング次第では、南岸低気圧の影響を受け、関東で積雪、大雪になる可能性があります。
気温は平年より高い予想です。寒さのピークは1月下旬~2月上旬の予想で、しっかり寒さ対策をする必要があります。
西日本
(近畿・中国・四国・九州)
平年並〜高い
 
・10月〜11月:高い(九州北部はやや高い)
・12月〜2月:平年並~高い
<10月>天気は周期的に変化しますが、晴れる日が多くなりそうです。台風が接近する可能性があるため、最新情報の確認をするようにしてください。下旬は強雨に注意が必要です。
気温は平年より高く、昼間は暑さを感じる日もまだありそうです。ただ、段々と過ごしやすく感じる日が出てきます。特に朝晩は気温が下がり秋を感じることができそうです。朝晩と昼間の体感差で体調を崩さないように注意が必要です。
<11月>天気は周期変化します。晴れる日が多くなるものの、上旬は強雨に注意が必要です。
気温は平年より高い(九州北部はやや高い)予想です。昼間は冬服だと少し暑さを感じる日もありますが、朝晩はヒンヤリ感じるので、一日の体感変化に注意が必要です。ジャケットなどの羽織るものが活躍しそうです。朝晩の冷たい空気が葉の色を少しずつ染めていき、段々と市街地でも紅葉狩りが楽しめそうです。
<12〜2月>今冬は昨年に比べ冬型の気圧配置になりやすいものの、後半ほど長続きしない傾向です。降雪量は日本海側、太平洋側ともに平年並の見込みです。
気温は平年並~高い予想です。寒さのピークは1月下旬~2月上旬の予想で、昨年以上に、しっかり寒さ対策をする必要があります。
沖縄
奄美
平年並〜高い
 
・10月〜11月:高い
・12月〜2月:平年並~やや高い
<10月>前半は周期変化しやすく、後半はぐずつく日が増え、台風の接近や大雨に注意が必要です。最新の情報を確認し、備えをシッカリするようにしてください。
気温は平年より高い予想です。段々と暑さは落ち着いて、朝晩は少しずつ涼しくなり、季節の歩みを感じられそうです。
<11月>低気圧や前線の影響で雨が降ったり、晴れたりと天気は周期変化します。
気温は平年より高い予想です。それでも朝晩を中心に少しずつ肌寒さを感じられるようになり、長袖シャツの出番となりそうです。
<12〜2月>今冬は昨年よりも寒気の影響を受けやすく、天気は周期変化しやすい見込みですが、ぐずつきやすい時期もありそうです。
気温は平年並~やや高い予想です。寒さのピークは1月下旬~2月上旬の予想で、昨年以上に寒さ対策をする必要があります。
※本傾向は9月20日時点のものです。

 

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