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昨今の世界情勢におけるコンテナ船の航海状況について

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株式会社ウェザーニューズはグローバルの気象・海象データのほか、約30万の自動船舶識別装置データ(以下、AIS情報)等の船舶データを有しており、年間5万航海の運航をサポートするとともに、世界中の船の運航状況の分析をしています。今回、当社は昨今の関税問題が海運の荷動きに影響を与えている可能性を調べるため船舶データを分析しました。
AIS情報からコンテナ船を抽出し、世界各国から北米西岸(※)に入港した船の航海数を集計したところ(図1)、2025年4月の航海数は3月と比べて前月比104%、2024年4月と比べても前年同月比104%と微増となっていました。
また、太平洋の主要航路である中国から北米西岸に到着した航海数(図2)については、2025年4月の航海数が3月と比べて前月比123%、4月の前年同月比でも121%と増加傾向が見られました。しかし、日ごとに細かく分析すると、4月19日~30日の1日の平均出帆数は1.5隻となり、3月の1日の平均出帆数2.8隻、および4月1日~18日の1日の平均出帆数2.5隻と比較して、減少傾向にあります。関税率が大きく引き上げられたのは 4 月 9 日ですが、コンテナ船は通常、定期便運航のため、航行計画の変更等により出帆数の減少として現れ始めたのが 19 日ごろからであると考えられます。
このため、5月に中国から北米西岸に到着する航海数は、大幅に減少すると予測されます。
当社は、今後はコンテナ船のほか、自動車専用船やばら積み貨物船、原油タンカーなど、多種多様な船舶の動向を分析していきます。国際情勢は海運の荷動きやコストに大きな影響を与える要因の一つであることから、当社は関税の動きにも注目しながら、船の安全航海をサポートしていきます。

※ 北米-アジア間の大半が北米西岸の利用になるため、北米西岸のデータで分析を行っています。
図1 :世界各国の港発‐北米西岸着の航海数
図2 :中国発‐北米西岸着の航海数
図3 :中国発‐北米西岸着の日別航海数
(日付は出帆日、5月13日時点のデータ)

 

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