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8月24日、北海道・礼文島の記録的豪雨について
礼文島に雨雲が長時間流入し、50年に一度の大雨を記録
~ 24時間雨量は183mmに達し、島北部で土砂災害も発生 ~
8月24日、朝から昼過ぎにかけて北海道礼文島で豪雨となり、島北部の礼文町船泊村で土砂崩れが発生しました。礼文島では24日の13時半までの24時間雨量が183mmに達し、8月の一ヶ月分の降水量を上回る50年に一度の大雨となりました。この大雨をもたらした北海道の西海上の低気圧は、同月19日から20日にかけて、中国や韓国で大雨を降らせ冠水や河川氾濫などの被害を引き起こしたものです。この低気圧は当時、北海道の西海上に停滞しており、低気圧に向かって流れ込む南よりの風と東よりの風が礼文島と利尻島の間でぶつかり、雨雲が発生・発達し、さらに上空の南よりの風によって礼文島に長時間流れ込んでいたことが記録的大雨の要因であるとウェザーニューズでは見ています。
動きの遅い低気圧により雨雲が長時間流れ込み、50年に一度の大雨を記録
8月24日当時、礼文島の西海上には、19日から20日にかけて中国や韓国で大雨を降らせた低気圧が停滞していました。その低気圧に向かって、南よりの風と宗谷海峡を通った東よりの風が礼文島と利尻島の間(礼文水道)でぶつかり合い、発達した雨雲を発生させていました。さらにその雨雲が上空の南よりの風に運ばれて礼文島に流れ込んだことによって、礼文島で激しい雨となりました。また、西海上の低気圧は偏西風の流れから取り残され、長く同じ場所にとどまっていたため、礼文島への雨雲の流れ込みが長時間続き記録的大雨となり土砂災害を引き起こす原因となりました。
8月24日の雨雲の様子
24日の雨雲の様子を見てみると、午前5時ごろから雨雲が礼文島、利尻島付近にまとまり始め、特に午前7時から9時にかけて礼文島南部に発達した雨雲がかかり続けていることがわかります。
礼文島から寄せられた土砂災害発生当日の天気報告
土砂災害発生当日、礼文島からは強い雨の降り方を伝える報告が寄せられました。
今後の北海道の天気傾向
今後、北海道ではオホーツク海高気圧に覆われるため、強い雨や荒天の心配はなさそうです。一方、これまで強い雨が長時間降っていた礼文島や利尻島、道北などの地域は、場所によっては地盤が緩んでいる可能性があるため、引き続き土砂崩れに注意してください。