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ウェザーニューズ、今冬の爆弾低気圧の振り返り発表
発生数は過去3年で最多、今冬は日本の周辺で猛発達の傾向
~ 歴代最強クラスの爆弾低気圧により北日本で暴風雪、高波や高潮など海上でも大荒れ ~
株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、4月2日、12月〜3月までの爆弾低気圧に関する振り返りを発表しました。今冬は日本付近で13個の爆弾低気圧※1が発生し、過去3シーズンで最多となりました。中でも、2014年12月16日〜18日に発生した爆弾低気圧は、24時間で58hPa※2の猛烈な発達をみせ、歴代トップクラスの勢力となりました。これは、12月は偏西風が例年より南下したことで、日本付近の上空に寒気が流れ込みやすく、大気の状態が不安定だったことが要因と考えられます。今後、天気は周期変化し、多くの低気圧が日本付近を通過します。特に5月、6月は日本上空への寒気の流れ込みに伴い、本州付近で低気圧が発達しやすいため、大雨や突風に注意が必要です。海上でも高波や強風が予想されるため、沿岸での工事・作業、船舶の運航は最新情報を確認の上、計画を立てたほうが良さそうです。また、GWなど休日のアウトドアや海のレジャーの際も、ウェザーニューズのインターネットサイトで最新の天気をご確認ください。
※1.ウェザーニューズでは 24時間で24hPa以上発達した低気圧を爆弾低気圧と定義
世界気象機関(WMO)では日本(北緯40度)付近において24時間で17.8hPa以上低下する温帯低気圧のことを爆弾低気圧と定義
※2.中心気圧の低下率は気象庁の解析に基づく
今冬の爆弾低気圧について
過去3シーズンに、爆弾低気圧が日本付近(北緯25度〜50度、東経120度〜150度)を通過した数は、2012年冬期(2012年12月〜2013年3月)が12個、2013年冬期(2013年12月〜2014年3月)が7個だったのに対して、今冬 (2014年12月〜2015年3月)は13個と、過去3シーズンでは最多となりました。
特に昨年12月は、例年と比べて偏西風が南下していたことにより、日本付近の上空に寒気が流れ込みやすく、爆弾低気圧が発生しやすい状況となっていました。12月16日〜18日には、24時間で58hPa発達という歴代トップクラスの爆弾低気圧が発生、日本付近を通過し日本各地に荒天をもたらしました。ちなみに、過去の爆弾低気圧の発達度は、2012年冬期は最大で44hPa/24時間の発達、2013年冬期は最大で46hPa/24時間の発達でした。
爆弾低気圧のコースを見てみると、今冬は偏西風に乗って発達しながら本州に沿って北上し、北海道の東海上で停滞したものが多くなりました。日本に近い海域で発達したため、各地で記録的大雪や暴風などをもたらしたと考えられます。
2014年12月16日〜18日の爆弾低気圧について
2014年12月16日、低気圧が日本付近を通過し、17日から18日にかけて24時間で58hPaという歴代トップクラスの強さで発達し、猛烈な爆弾低気圧となりました。日本付近は強い冬型の気圧配置となり、北日本や東日本・西日本の日本海側を中心に大雪や暴風雪となり、太平洋側の名古屋市や瀬戸内の広島市でも大雪となりました。また、この爆弾低気圧は北海道の東海上で最も発達し、道東エリアでは稀な暴風雪となり、爆弾低気圧の中心に近い根室市では、非常に低い気圧と最大瞬間風速39.9m/sの強風によって高潮の被害が発生しました。日本海沿岸でも9mを超える波高を記録し、北陸や東北、北海道の港を中心に船舶に対する避難勧告が1日以上にわたり発令されるなど船舶の運航にも大きな影響をもたらしました。
2015年4月〜6月の低気圧の傾向
今後、日本付近では低気圧が発生・発達し、通過することが多くなります。4月は低気圧と高気圧が入れ替わり通過し、天気は例年通り周期的に変化します。5月は例年と比べて上空の寒気の流れ込みやすいため、本州付近で低気圧が発達しやすく、低気圧や前線の通過時は雷雨や突風に注意が必要です。6月は梅雨前線が北上し、各地で梅雨入りする見込みです。この時期は、前線上で発達する低気圧に伴って荒天となる可能性があります。
これから、冬期に比べると穏やかな天候となりますが、低気圧が急発達し、爆弾低気圧となる可能性があります。陸上では大雨や強風、海上でも強風を伴う高波など、荒天が拡大する可能性があります。沿岸での工事・作業、船舶の運航は最新情報を確認の上、計画を立てたほうが良さそうです。また、GWなど休日のアウトドアや海のレジャーの際も、ウェザーニューズのインターネットサイトで最新の天気をご確認ください。