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ウェザーニューズ、2014年の花粉飛散傾向発表
来春の花粉、2月上旬から花粉シーズン到来の見込み、花粉症の対策は1月から
~ 飛散ピークは昨シーズンより遅め、西・東日本は3月上旬~中旬、北陸は3月下旬と予想 ~
株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区 代表取締役社長:草開千仁)は、11月28日(木)、2014年の花粉シーズンにおける全国および、各12エリアの“スギ・ヒノキ花粉飛散”傾向を発表しました。本発表は、花粉症に悩む方にシーズンの花粉傾向を知ってもらい、早めの対策を取ってもらうことを目的としています。2014年の花粉飛散開始時期は昨シーズンとほぼ同じく、2月はじめ頃から関東地方を中心に飛散開始となる予想です。2013年のシーズンは3月に非常に暖かい日が多く、スギ花粉・ヒノキ花粉の飛散量がピークに達する時期は、平年より1週間~10日間前後早くなりました。しかし、2014年のシーズンは昨シーズンよりやや寒くなる予想であるため、花粉飛散量のピークは昨シーズンより遅く、東~西日本で3月上旬~中旬、北陸地方で3月下旬、東北地方で4月上旬~中旬となる見通しです。また、来シーズンの飛散量は平年並み~やや多めとなる地域が多く、2月はじめになると花粉が飛散し始める地域もあるため、1月のうちに花粉症への対策を始めると良さそうです。
来春の飛散時期傾向
スギの雄花は、寒さがピークを越えて暖かい日が増え始めると、休眠を終えて花粉を飛ばし始めます。この冬も強い寒気が流れ込んで厳しい寒さとなり、2014年の1月~2月の気温は平年よりやや低くなる予想です。しかし、2013年1~2月の気温が特に低かったため、2013年と比較すると、2014年の1月~2月は2013年と同程度か、2013年よりやや高めの気温となる予想です。2月に入る頃になると、関東地方や九州南部などでスギ花粉が飛散し始め、2月中旬には、東海や西日本各地で飛散が開始する見通しです。寒気の影響を受けやすい北陸地方や東北地方では、2月下旬から3月上旬に飛散開始となる見込みです。北海道でも道南など一部のエリアにはスギ花粉が飛散することがあり、このエリアでは3月中旬以降に飛散開始となりそうです。また、東~北日本に関しては、2013年の春とほぼ同じ時期に飛散が始まり、西日本では昨シーズンよりもやや早い時期に開始する可能性があります。なお、ウェザーニューズでは、花粉観測機『ポールンロボ』を使用し、花粉を10個を観測した日が2日以上あった場合に飛散開始と定義し、各エリアの飛散開始時期を発表しています。
スギ花粉は飛散開始から1週間~10日間前後で本格的に飛散しはじめ、花粉飛散量は東北地方で4月上旬~中旬、北陸地方で3月下旬、関東~西日本の各地で3月上旬~中旬にピークとなる見通しです。昨シーズンは3月が記録的に暖かくなったため、花粉飛散量のピークが例年より1週間~10日程度早まりましたが、2014年の春は、ほぼ例年並みの時期にピークを迎えそうです。スギ花粉の飛散量がピークを過ぎた後は、桜の花が咲く頃にヒノキ花粉の飛散量が増え、西~東日本では4月上旬~中旬にヒノキの花粉飛散量がピークとなる見通しです。また、平年(2008年~2013年の平均飛散開始時期)と比較すると、2014年の花粉飛散開始時期は全国平均で平年並みとなる見通しですが、九州南部など一部地域では平年より3~5日程度早くなる見通しです。
来春の飛散量の傾向
一般的に、よく晴れて暑い夏ほど植物の光合成が盛んになり、雄花の生産量が多くなるという理由から、スギ花粉のもととなる雄花生産量は前年の夏の天候との相関が高くなっています。2013年の夏の天候は、全国的に晴れて暑い日が多く、東海以西を中心によく晴れて厳しい暑さとなり、雄花の生育に適した条件であったと考えられます。
また、花粉が多く飛散した翌年は飛散量が少なくなったり(裏年)、少ない年の翌年は多くなったり(表年)と、花粉の飛散量は交互に増減する傾向があります。2013年の花粉シーズンは全国的に花粉飛散量の多い表年となったため、2014年の花粉シーズンは裏年となる見通しです。ただし、九州では近年は年ごとの飛散量の差が明瞭ではなく、はっきりと表年・裏年の傾向が現れていない県もあります。
さらに、スギ・ヒノキ林の活性度や、ウェザーリポーターと花粉の発生源となるスギ雄花を調査した「雄花リポート」の報告も考慮すると、2014年の花粉飛散量は、平年(2008年~2013年の平均飛散量)と比べて、全国平均で1割程度増加する予想です。エリア別では、北海道~関東、甲信、北陸で平年並みとなる予想ですが、東海から九州の飛散量は2割増加する見込みです。統計的に花粉が飛びにくい年になる地域が多いですが油断はできない年になります。また、2013年と比較すると、2014年の花粉飛散量は全国平均で2割程度少なくなる見通しです。なお、これまでに報告された症状や対策の報告を見ると、症状を和らげるには花粉を体内に取り込まないような対策が有効になりそうです。2月以降は徐々に花粉飛散量が増えていくので、早めに事前の対策をとることをおすすめします。
全国各地のスギの『雄花リポート』
スマートフォンアプリ「ウェザーニュースタッチ」には、“ウェザーリポーター”と呼ばれる全国各地の会員から、天気などに関する様々なリポートが1日に2~3万通ほど寄せられます。下記の写真は、今年の11月9日(土)~17日(日)に“ウェザーリポーター”に募集を行ったスギの『雄花リポート』です。今回の雄花調査では、9月末~10月の『雄花リポート』と同様に、北~東日本からは昨年より少ないという報告が多くなりましたが、東海地方以西からは昨年と同じくらい、または例年並みという報告が見受けられました。
また、9月末~10月に調査した雄花が膨らみ、緑色から薄茶色へと順調に成長している様子が見られます。