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ウェザーニューズ、2014年の花粉飛散傾向発表
来春の花粉は全国で平年の1割増、東海から九州では2割増の見込み
~最も多い飛散が見込まれる県は佐賀県と兵庫県、最も少ないのは東京都と神奈川県で2割減~
株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、10月30日(水)、2014年の花粉シーズンにおける全国および、各12エリアの“スギ・ヒノキ花粉”傾向を発表しました。本発表は、花粉症に悩む方にシーズンの花粉傾向を知ってもらい、早めの対策を取ってもらうことを目的としています。2014年の花粉飛散量は、平年(2008年~2013年の平均飛散量)と比べて、全国平均で1割程度増加する予想です。エリア別では、北海道~関東、甲信、北陸で平年並みとなる予想ですが、東海から九州の飛散量は2割増加する見込みです。統計的に花粉が飛びにくい年になる地域が多いですが油断はできない年になります。都道府県別に分析した結果、平年に比べて最も多い飛散が見込まれる県は佐賀県と兵庫県で1.5倍となり、最も少ないのは東京都と神奈川県で2割減となる見込みです。また、2013年と比較すると、2014年の花粉飛散量は全国平均で2割程度少なくなる見通しです。2月以降は徐々に花粉飛散量が増えていくので、早めに事前対策をとることをおすすめします。
来春の花粉飛散量の傾向
一般的に、よく晴れて暑い夏ほど植物の光合成が盛んになり、雄花の生産量が多くなるという理由から、スギ花粉の元となる雄花生産量は前年の夏の天候との相関が高くなっています。2013年の夏の天候は、全国的に晴れて暑い日が多く、雄花の生育に適した条件であったと考えられます。夏は太平洋高気圧の張り出しが西日本を中心に強くなったことで、高知県で日本国内における高温記録を更新するなど、東海以西を中心によく晴れて厳しい暑さとなりました。東北や近畿北部、山口県北部・山陰などでは、記録的な豪雨で降水量が多くなりましたが、短期間に強い雨が降った時期以外は、晴れて暑い日が多い傾向となりました。
また、花粉が多く飛散した翌年は飛散量が少なくなったり(裏年)、少ない年の翌年は多くなったり(表年)と、花粉の飛散量は交互に増減する傾向があります。2013年の花粉シーズンは全国的に花粉飛散量の多い表年となったため、2014年の花粉シーズンは裏年となる見通しです。ただし、九州では近年は年ごとの飛散量の差が明瞭ではなく、はっきりと表年・裏年の傾向が現れていない県もあります。
さらに、スギ・ヒノキ林の現在までの状況についても調査をしました。2012年から取り入れた「スギ・ヒノキ林の活性状況」(光合成有効放射吸収率のデータを解析、詳細は下記参照)を解析した結果、2013年は2012年と比べて東北・関東・甲信地方でやや低くなりました。一方で、東海地方や西日本では2012年よりやや高くなりました。
そのほか、9月末~10月中旬の期間に全国のウェザーリポーターと花粉の発生源となるスギ雄花を調査した「雄花リポート」(詳細は下記参照)も活用しました。「雄花リポート」によると、東北や関東、甲信地方からは「昨年より雄花の数が少ない」という報告が多くなりました。一方で、東海地方より西からは「昨年と同じくらい・昨年よりやや多い」という報告が寄せられました。
これらを総合的に考慮すると、2014年の花粉飛散量は、平年(2008年~2013年の平均飛散量)と比べて、全国平均で1割程度増加する予想です。エリア別では、北海道~関東、甲信、北陸で平年並みとなる予想ですが、東海から九州の飛散量は2割増加する見込みで、統計的に花粉が飛びにくい年になる地域が多いですが油断はできない年になります。都道府県別に分析した結果、平年に比べて最も多い飛散が見込まれる県は上から順に佐賀県、兵庫県、徳島県、鳥取県で1.5倍となり、最も少ないのは東京都と神奈川県で2割減となる見込みです。また、2013年と比較すると、2014年の花粉飛散量は全国平均で2割程度少なくなる見通しです。なお、これまでに報告された症状や対策の報告を見ると、症状を和らげるには花粉を体内に取り込まないような対策が有効になりそうです。2月以降は徐々に花粉飛散量が増えていくので、早めに事前の対策をとることをおすすめします。
来春の花粉飛散量の傾向
これまでスギ・ヒノキ花粉飛散量の予測は、前年の夏の日照時間や気温データ、花粉飛散量の元となる雄花の生育状況などを調査して行ってきました。2012年の花粉シーズンの予想から、これらのデータに加え、実際にスギ・ヒノキ林にどれだけ多くの雄花が成長しているのか、全国の林の状況を、衛星データを利用して把握し、花粉飛散予測に反映する取り組みを実施しています。今回用いたのは、千葉大学環境リモートセンシング研究センターと共同研究してきた「光合成有効放射吸収率(植物が光合成に有効な波長の光を吸収する割合:FPAR)」から解析した、森林の活性度を示す指標です。この値が高いほど、植物は光合成を活発に行い、スギの雄花の量が多くなるとみられます。森林の活性度を解析した結果、東北・関東・甲信地方では、2013年は2012年よりもスギ・ヒノキ林の活性度がやや低くなりました。一方で、東海地方や西日本では、2012年よりもスギ・ヒノキ林の活性度がやや高くなり、この結果も2014年の飛散量の推定に取り入れています。ウェザーニューズでは、衛星を用いた予測方法を継続的に取り入れ、これまで以上に精度の高い花粉飛散予測を引き続き目指します。
全国各地のスギの『雄花リポート』
スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」には、全国550万人の「ウェザーリポーター」と呼ばれる会員がおり、「ウェザーリポーター」からは天気や体感などに関する様々なリポートが日々寄せられています。下記の写真は、「ウェザーリポーター」から寄せられた全国の『雄花リポート』で、これらの情報は、きめ細かい貴重な実況値として、飛散予測などに役立てられています。9月末~10月中旬の間に募集した『雄花リポート』を見ると、東北地方・関東甲信地方・北陸地方では「昨年より少ない」という報告が多くなりましたが、「例年並み」という報告も見られました。また、東海地方より西では、「昨年より少ない」という報告もありましたが、「昨年並み」という報告が東北・関東地方よりも多く寄せられ、加えて「昨年よりやや多い」という報告も届きました。
エリア | 各エリアのスギ・ヒノキ林の活性度(2012年比) | 雄花リポート |
関東 | ||
近畿 |
東北 | 北陸・長野 | 東海・山梨 |
中国 | 四国 | 九州 |
各エリアの傾向
各エリアの傾向 左図:2014年花粉の飛散量傾向(2013年比) 右図:過去6年の花粉飛散量と2014年の予想花粉飛散量 |
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北海道 (※シラカバ花粉) |
シラカバ花粉の飛散量はスギ・ヒノキ花粉と同様に、前年の夏の天候によって決まり、晴れて暑い夏である程、花粉のもととなる雄花の生育がよくなり、花粉の飛散量が多くなります。2013年の夏は、度々雲が広がったり雨が降ったりすることがありましたが、全般に晴れて暑くなる日が多くなりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2014年は裏年にあたります。 これらのことから、2014年春の花粉シーズンは、2013年の80%程度となる予想ですが、平年の110%の飛散量になる見通しです。裏年となっても油断できない状況ですので、十分な対策が必要になりそうです。 |
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東北北部 | 2013年の夏は晴れて暑い日が多くなり、日本海側中心に集中豪雨などもありましたが、短期間に降る雨であったため、曇りや雨が雄花の生育を妨げる状態にはなりにくかったと考えられます。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2014年は裏年にあたります。森林の活性度は2012年よりもやや低くなり、「雄花リポート」では「雄花の数は少ない」という報告が届いています。 これらのことから、2014年春の花粉シーズンは、平均で2013年の約80%、平年の90~120%の飛散量となる予想です。裏年となっても油断できない状況ですので、十分な対策が必要になりそうです。 |
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東北南部 | 2013年の夏は晴れて暑くなる日が多くなり、雄花の生育には適した天候となりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2014年は裏年にあたります。さらに、2013年の花粉シーズンは2008年以降最多クラスの飛散量となり、その裏年にもなります。森林の活性度は2012年よりもやや低くなり、「雄花リポート」では、「雄花の数は少ない、例年並み」という報告が届いています。 これらのことから、2014年春の花粉シーズンは、平均で2013年の約50%、平年並みの飛散量となる予想です。飛散量は2013年より少なくなりますが、平年並みの飛散量にはなるので、十分な対策が必要になりそうです。 |
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関東 | 2013年の夏は全般に晴れて暑くなる日が多くなりましたが、2012年の夏に比べると曇りや雨の日がやや多くなり、天候面では2012年の夏よりも雄花の生育に不向きな条件となりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2014年は裏年にあたります。森林の活性度は2012年よりもやや低くなり、「雄花リポート」でも、「雄花の数は昨年より少ない」という報告が多く届いています。 これらのことから、2014年春の花粉シーズンは、平均で2013年の約60%の飛散量になる見通しで、少ない所で約50%、多い所で約70%になる予想です。また、東京都・神奈川県では平年の80%前後、その他の県では平年と同程度(100%)~120%程度の飛散量となる予想です。飛散量は2013年より少なくなりますが、平年より多い飛散量になる所もあるので、十分な対策が必要になりそうです。 |
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北陸・甲信北部 (甲信北部は、長野県北中部) |
2013年の夏は全般に晴れて暑くなる日が多くなり、さらに北陸地方では西部ほど2012年の夏よりも晴れて暑くなる日が多くなったため、雄花の生育に適した条件となりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2014年は裏年にあたります。森林の活性度は、北陸東部では2012年よりやや低くなり、西部では2012年よりやや高くなり、「雄花リポート」では、「雄花の数は昨年より少ない」という報告もありましが、「昨年と同じくらい」という報告も見られました。 これらのことから、2014年春の花粉シーズンは、平均で2013年の約70%の飛散量になる見通しで、少ない県では約50%、多い県では約80%となる予想です。また、新潟県では平年の90%前後、その他では平年並み(100%)~120%の飛散量となる予想です。飛散量は2013年より少なくなりますが、平年並みまたは平年より多い飛散量になる予想なので、十分な対策が必要になりそうです。 |
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東海・甲信南部 (甲信南部は、長野県南部と山梨県全域 |
2013年の夏は全般に晴れて暑くなる日が多くなり、さらに2012年の夏よりも晴れて暑くなる日が多かったため、雄花の生育に適した天候となりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2014年は裏年にあたります。森林の活性度は、2012年よりやや高くなった所が多く、「雄花リポート」では、岐阜県・三重県からは「雄花の数は昨年より少ない」という報告がありましたが、静岡県・愛知県などからは「昨年と同じくらい」という報告が複数届きました。 これらのことから、2014年春の花粉シーズンは、平均で2013年の約80%の飛散量になり、少ない県では約50%、多い県では約90%となる見通しです。また、平年の100~120%の飛散量となる予想です。飛散量は2013年より少なくなりますが、平年並みまたは平年より多い飛散量になる予想なので、十分な対策が必要になりそうです。 |
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近畿 | 2013年の夏は全般に晴れて暑くなる日が多くなり、さらに2012年の夏よりも晴れて暑くなる日が多くなったため、花粉の生育には好条件となりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2014年は裏年にあたります。森林の活性度は2012年よりやや高くなった所が多く、「雄花リポート」では「雄花の数は昨年より少ない」という報告もありましたが、同程度の割合で「昨年と同じくらい」という報告もありました。 これらのことから、2014年春の花粉シーズンは、平均で2013年の約90%の飛散量になる見通しで、2013年に近い飛散量となる可能性もあります。また、平年の100~150%の飛散量となり、特に近畿北部を中心に平年の150%前後の飛散量となる予想です。裏年にはなりますが、2013年並みの飛散量となり、さらに平年よりも多い飛散量となる所もあるため、十分な対策が必要になりそうです。 |
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山陰 | 2013年の夏は全般に晴れて暑くなる日が多くなり、さらに2012年の夏よりも晴れて暑くなる日が多くなったため、花粉の生育には好条件となりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2014年は裏年にあたります。森林の活性度は2012年よりやや高くなった所が多く、「雄花リポート」では「雄花の数は昨年よりやや多い」という報告が届きました。 これらのことから、2014年春の花粉シーズンは、平均で2013年の約80%の飛散量になる見通しで、平年の140%前後の飛散量となる予想です。裏年にはなりますが、飛散量は2013年よりやや少ない程度で、さらに平年よりも多い飛散量となるため、十分な対策が必要になりそうです。 |
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山陽 | 2013年の夏は全般に晴れて暑くなる日が多くなり、さらに2012年の夏よりも晴れて暑くなる日が多くなったため、花粉の生育には好条件となりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2014年は裏年にあたります。森林の活性度は2012年よりやや高くなった所が多く、「雄花リポート」では「雄花の数は少ない」という報告もありましたが、「昨年より多い」という報告も届きました。 これらのことから、2014年春の花粉シーズンは、平均で2013年の約80%の飛散量になる見通しです。また、平年の100~130%の飛散量となり、西のエリアほど平年より多い飛散量となる予想です。裏年にはなりますが、2013年並みの飛散量となり、さらに平年よりも多い飛散量となる所もあるため、十分な対策が必要になりそうです。 |
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四国 | 2013年の夏は全般に晴れて暑くなる日が多くなり、高知県では国内の最高気温の極値を更新するなど、厳しい暑さとなりました。さらに2012年の夏よりも晴れて暑くなる日が多くなったため、花粉の生育には好条件となりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2014年は裏年にあたります。森林の活性度は2012年よりやや高くなった所が多く、「雄花リポート」では「雄花の数は昨年と同じくらい」「昨年よりやや少ない」という報告が届きました。 これらのことから、2014年春の花粉シーズンは、平均で2013年の約90%の飛散量になる見通しで、2013年に近い飛散量となる可能性もあります。また、平年の100~150%の飛散量となる予想です。裏年にはなりますが、2013年並みの飛散量となり、さらに平年よりも多い飛散量となる所もあるため、十分な対策が必要になりそうです。 |
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九州北部 | 2013年の夏は全般に晴れて暑くなる日が多くなり、さらに2012年の夏よりも晴れて暑くなる日が多くなったため、花粉の生育には好条件となりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れ、2014年は裏年にあたりますが、九州北部では明瞭に表年・裏年が現れない傾向もあるようです。森林の活性度は2012年よりやや高くなった所が多くなりましたが、「雄花リポート」では「雄花の数は昨年と同じくらい」「昨年よりやや多い」という報告が届きました。 これらのことから、2014年春の花粉シーズンは、平均で2013年の約90%の飛散量になる見通しで、少ない県では2013年の約80%、多い県では130%程度となる見通しです。また、平年の110~150%の飛散量となる予想です。裏年にはなりますが、2013年並み、または2013年より多い飛散量となる県もあり、さらに平年よりも多い飛散量となるため、十分な対策が必要になりそうです。 |
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九州南部 | 2013年の夏は全般に晴れて暑くなる日が多くなり、さらに2012年の夏よりも晴れて暑くなる日が多くなったため、花粉の生育には好条件となりました。また、花粉の飛散量は多い年(表年)、少ない年(裏年)が交互に訪れますが、九州南部では明瞭に表年・裏年が現れない傾向があるようです。森林の活性度は2012年より高くなった所が多なりましたが、「雄花リポート」では「雄花の数は昨年よりやや少ない」という報告が届きました。 これらのことから、2014年春の花粉シーズンは、平均で2013年の約130%の飛散量になる見通しで、少ない県では2013年と同程度、多い県では150%倍程度となる見通しです。また、平年の100~130%の飛散量となる予想です。2013年・平年よりも多い飛散量となる所もあるため、十分な対策が必要になりそうです。 |
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