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天気や自然を感じて五感を磨く、お天気マガジン!
南海トラフ巨大地震を特集した『季刊SORA』2013秋号発売
~備えは大丈夫?2026~2035年が危ない南海トラフ巨大地震の被害想定や防災対策を紹介~
株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、10月1日(火)、お天気マガジン『季刊SORA』2013秋号の発売を開始しました。『季刊SORA』は、多くの方に天気や自然の移ろいを感じていただくため、どの年代でもわかりやすく、親しめる内容になっています。秋号では、マグニチュード9とも言われる南海トラフ巨大地震に注目して特集を組み、いつ、どのくらいの規模で起こるのか地質学から紐解くとともに、四国、紀伊、東海の沿岸地域のみならず首都圏や大阪、名古屋などの大都市で地震や津波の想定される被害について検討していきます。地震・津波をいち早く捉える観測機器として、地震発生直後に津波高を予測する海洋研究開発機構のDONETや、津波を沿岸に到達する15分程前に捉えるウェザーニューズの津波レーダーを紹介しています。また、災害時にすぐ実践できるサバイバル術や常備しておくべき非常食20品目など、災害時の知恵も学んでいきます。作家・エッセイストの阿川佐和子さんによる特別寄稿「やっぱ銀座だべ顛末記」では、銀座と被災地をつなぐ人の輪の広がりが描かれています。さらに、「第22回五感と伝統」では、福井県敦賀市で140年続く伝統を守り続ける昆布問屋の歴史や製法を、サポーター投稿企画では、ウェザーニュースの会員の方から寄せられた秋の空写真を紹介しており、様々な角度から季節や自然を感じ取る事ができる1冊となっています。
特集「南海トラフ巨大地震」
秋号の特集では、近年注目を集める地質と南海トラフ巨大地震の関係、四国、紀伊、東海の沿岸地域のみならず首都圏や大阪、名古屋などの大都市における地震・津波の被害想定、災害時にすぐ実践できるサバイバル術や常備しておくべき非常食20品目などの災害時の知恵について、3部にわたって紹介していきます。
~2026年から2035年の間に巨大地震が発生!?~
政府の地震調査委員会は、南海トラフ沿いでマグニチュード8~9の地震が30年以内に起こる確率を60~70%としています。その根拠となるのが津波堆積物からわかる南海地震のサイクルと、先人が残した測定記録です。これまで政府は、観測に基づく地震学で地震を予知することに注力していましたが、2013年5月の国の有識者会議により南海トラフの地震予知は困難と断定されてから、地質学が新たに注目され始めました。また、東海、東南海、南海と3つに分かれる南海トラフのなかでも、南海地震に関しては、次の地震発生時期を裏付ける測定記録が高知で発見されており、世界の地震研究家に注目されています。ここでは、南海トラフ巨大地震が地質学で予測できる根拠や2026年から2035年に発生する地震の発生時期、世界の地震研究者が注目する高知の測定記録などについて徹底的に解説します。
~大都市における地震・津波の被害想定と課題~
南海トラフ巨大地震の震源が近く最大震度7が想定される名古屋は、以前から高潮対策を進めてきましたが、当時6.5mの津波を想定して建設した防潮堤は、工業用水のくみ上げで現在までに2mも地盤沈下しており、最大5mと想定される津波を防げる保証はありません。また、愛知県内の建物全壊・焼失は全国で最も多い約38.8万棟と見積もられており、地震による家屋倒壊に加えて、高さ5mの津波による被害を考えると甚大な被害が出ることは明らかです。ここでは、名古屋や大阪などの大都市や九州・紀伊半島で地震・津波が発生した場合に、想定される被害と課題について死者数・帰宅困難者・全壊戸数・災害廃棄物・断水・停電・ガス供給停止・固定電話不通などについて具体的な数字を用いて詳細に解説します。
一方、地震津波をいち早く捉える観測機器として、地震発生直後に津波高を予測する海洋研究開発機構のDONETや、津波を沿岸に到達する15分程前に捉えるウェザーニューズの津波レーダーが期待されています。
また、元海上保安官の西村淳さんから防寒や水の確保など災害時にすぐ実践できるサバイバル術を、2013年5月に3度目のエベレスト登頂を成し遂げた三浦雄一郎さんから常備しておくべき非常食20品目など災害時の知恵を学びます。
特別寄稿「やっぱ銀座だべ顛末記」
作家・エッセイストの阿川佐和子さんによる特別寄稿「やっぱ銀座だべ顛末記」では、気仙沼の青年と阿川さんの2年前の出会いから、銀座と被災地を長期的につなぐプロジェクトに至るまでの、人の輪の広がりが描かれています。阿川さんが司会を務めるテレビ番組「ビートたけしのTVタックル」に気仙沼の青年が出演したことをきっかけに2人は出会い、最初は気仙沼を中心とした相馬、塩竈、石巻など被災地同士の横のつながりをつくり、その後は様々な会社の社長や青年の父上の気仙沼商工会議所会頭、銀座商店街や飲食店会などを巻き込むことで、銀座と被災地の交換留学制度など、銀座と被災地を長期的に結ぶプロジェクトに取り組んできました。ここでは、阿川さんのささやかな思いつきから、深くて広い人間関係の輪を築くまでのエピソードや、実際のプロジェクトについて紹介しています。
第22回 五感と伝統 —敦賀の蔵囲昆布—
鰹節と並んで“だし”の代表とされる昆布が日本各地に広まった江戸時代、北海道から福井県の敦賀や大津を経由して京都や大阪へ運ばれ、上方の食文化を築いていた積荷の中で最も貴重とされていたのが昆布でした。当時、敦賀ではおぼろ昆布や細工昆布などの加工技術が発達し、100件近くの昆布屋が軒を連ねました。創業明治4年の奥井海生堂は、晩秋の頃に届く昆布を、雪解けまで蔵に寝かせて出荷したことに始まる「蔵囲」という製法を140年以上守り続けています。収穫された昆布すべてが「蔵囲」にできるわけではなく、厳選された上質な昆布のみを使用して熟成させます。ここでは、雪解けを待ったことから生まれたという「蔵囲」の製法を守り続けている昆布問屋の歴史や製法の魅力について紹介します。
その他、『季刊SORA』秋号では、米国アリゾナ州の砂漠地帯の巨大尾流雲や、近年漁獲量がピーク時の3% まで落ち込んでいるイワシが生息する環境の変化、サポーター投稿企画としてウェザーニュースの会員の方から寄せられた秋の空写真のほか、東日本大震災が引き起こした原発事故により2年半経過した今も帰宅困難区域に指定されている福島県大熊町について取り上げ、事故当時から振り返った役場と町民の軌跡について紹介します。
日本の“空”や“自然”をみんなで楽しむ『季刊SORA』
『季刊SORA』は、季節ごとに移り変わる各地の自然や天気を感じて、これから迎える季節をより一層興味深く感じていただくために作られています。科学的に気象を予測する数値予報技術が発達した今、昔から人々の中で行われてきた観天望気(空や雲の動きを観察することによって天気を感じ予測すること)の機会が減っています。『季刊SORA』は、季節を代表する雲の様子や、めったに目にすることのできない自然現象などについて、その“読み方”、“感じ方”をわかりやすく解説したり、季節ごとに起こる災害の事前対策に役立てる情報を、読者や当社のスマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」の利用者と共に伝え合うことにより、天気や自然に関する“五感”を鍛えることを試みています。また、読者から空の写真の寄稿を募ったりする読者投稿企画も多数予定しており、投稿された各地の空の写真などは随時紹介していきます。
本誌概要 | |
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書名 |
『季刊SORA』秋号
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発行 |
株式会社ウェザーニューズ
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価格 |
雑誌:300円(税込)
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発売日 |
2013年10月1日(次号は12月1日発売予定)
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