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WNISAT-1の打ち上げが11月21日に決定

~ 北極海の海氷を観測し、今注目を集める「北極海航路」の安全航行を支援 ~

株式会社ウェザーニューズ(所在地:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、打ち上げが延期となっていた、大きさわずか27×27×27センチメートル、重さも約10kgの超小型商用衛星、WNI衛星1号機(以後、WNISAT-1)の打ち上げが、2013年11月21日に決定したと発表しました。
WNISAT-1は、現在開発パートナーであるアクセルスペース社にて保管されており、9月下旬にはロシアに向けシッピングを行い、約1ヶ月の調整期間を経て、ヤースヌイ宇宙基地から打ち上げられる予定です。

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WNISAT-1のフライトモデル(実際に打ち上げる衛星)

これまでの常識とは一線を画した画期的な衛星

WNISAT-1は、多機能で大規模な従来の衛星開発とは一線を画した画期的な衛星です。機能を北極海の海氷観測などに限定することで、大きさ27×27×27立方センチメートル、重さも約10kgと超小型化を実現しました。また、打ち上げ時や打ち上げ後の運用時に発生するコストも適切となるよう、様々な技術的な工夫を開発パートナーであるアクセルスペース社とともに行ってきました。
打ち上げは、大型衛星に付帯させ打ち上げるピギーバック方式で行います。ロシアとカザフスタンの国境付近のヤースヌイ宇宙基地から、今回はドニエプルロケットで2013年11月21日から約3週間の気象条件の良いタイミングに打ち上げる予定です。

メインミッション「北極海の海氷観測」と様々なチャレンジ

近年の北極海の海氷は減少を続け、夏季には北極海に新たな航路、北極海航路が開通しています。今年は、間もなく航路が開通する見込みです。
この北極海航路を船舶が利用した場合、欧州-アジア間の輸送では航海距離が現在のスエズ運河経由の半分、喜望峰経由の1/3程度に短縮され、燃料費、環境負荷の大幅な軽減が可能となるため、海運会社からは大きな期待を集めています。当社では2008年より全世界の海氷を観測する専門チーム「Global Ice Center」を発足し、北極海海域の海氷のモニタリングや予測を行うことを通じて、北極海航路の実現に向けた活動を続けてきました。WNISAT-1の打ち上げで更に精度の高い北極海の海氷の予測やモニタリングが可能になると期待しています。
また、WNISAT-1を利用したC02の観測、火山灰拡散のモニタリング、宇宙からみた雲の高さや雷の観測、宇宙空間に発せられる発光現象の観測など、様々な取り組みにもチャレンジする予定です。

WNISAT-1のスペック

サイズ、質量 27×27×27㎝、10㎏
軌道 600㎞(太陽同期軌道)
寿命 5~10年
打ち上げ時期 2013年11月21日から約3週間の気象条件の良いタイミング
打ち上げ場所 ロシア・ヤースヌイ宇宙基地
打ち上げ方式 ピギーバック方式
衛星利用の目的 北極海域における海氷のモニタリング
搭載ミッション機器 可視光カメラ、近赤外光カメラ
撮影画像分解能 500m
撮影画像領域 500km四方/枚

WNISAT-1の今後のスケジュール

2013年9月下旬 シッピング
2013年11月21日 ロシアのヤースヌイ宇宙基地から打ち上げ
2013年12月~ 初期運用(姿勢確立、各機器のチェックアウト、等)
2014年1月~ 運用開始(冬期海氷域:Ice Routeingサービスでの活用)
2014年6月~ 北極海観測開始(Polar Routeingサービスでの活用)

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