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日本初の機内持ち込み型ヘリ動態管理システム『FOSTER-copilot』
熊本地震におけるドクターヘリの迅速な医療搬送に活用
〜参集したドクヘリの位置・気象情報を一元管理、安全で効率的な運航を支援〜
航空気象 > 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、熊本地震発生直後、ドクターヘリ(以下ドクヘリ)および災害派遣医療チーム(以下DMAT)の医療搬送活動において、日本初の機内持ち込み型ヘリコプター動態管理システム『FOSTER-copilot(フォスターコーパイ)』と運航可否判断支援ツール『FOSTER-GA(フォスタージーエー)』が活用されたことを発表しました。『FOSTER-copilot』によって取得された被災地に参集したドクヘリの位置情報が、災害対策本部の『FOSTER-GA』上で気象情報と合わせて一元表示され、医療搬送が可能な機体の迅速な選定と安全運航判断に活用されました。また、ドクヘリの運航の他、熊本地震の被災自治体に対して、迅速な救助・復旧作業や二次災害軽減のために最新の気象情報の提供を行いました。
今後、梅雨の時期や夏場にかけて、大雨や土砂災害、また屋外で避難生活をされている方の熱中症などのリスクが高まります。当社は引き続き、熊本の復旧・復興に向けた支援および、情報発信を行って参ります。
機内持ち込み型動態管理システム『FOSTER-copilot』、熊本地震での迅速な医療搬送を支援
当社は2012年に、ヘリコプターの運航において長年の課題となっていた機体位置情報把握による安全で効率的な運航管理を実現するため、機体の修理改造が不要で低コストで導入可能な機内持ち込み型動態管理システム『FOSTER-copilot』を日本で初めて開発、サービス化しました。現在、瞬時に出動可否判断が求められる全国のドクヘリの約9割に導入されています。
2011年の東日本大震災の発生直後、多くのドクヘリが被災地に参集したものの、各機体の位置情報や出動可否の一元的判断が難しく、迅速かつ安全な医療搬送が課題となっていました。これらの課題を解消するために過去3回にわたって行われた内閣府主催の広域医療搬送訓練でも『FOSTER-copilot』および、運航可否判断支援ツール『FOSTER-GA』が活用され(※1)、当社は患者を搬送するドクヘリ運航事業者や実際の医療活動を行うDMATと連携して取り組んで参りました。
※1 過去のプレスリリース
2013年9月4日発表
https://weathernews.com/ja/nc/press/2013/130904.html
2014年9月4日発表
/news/5434/
熊本地震発生直後、『FOSTER-copilot』を搭載した数多くのドクヘリが各地から集結しました。また、機内持ち込みが可能なため臨時の貸し出しも行いました。『FOSTER-copilot』によって取得した位置情報は、熊本県災害対策本部のドクターヘリ調整部に設置された『FOSTER-GA』で気象情報と合わせて一元表示され、医療搬送が可能な機体の迅速な選定と安全運航判断に活用されました。また、今回、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した動態管理システム「災害救援航空機情報共有ネットワーク(D-NET)」を搭載している消防防災ヘリの位置情報も『FOSTER-GA』上で表示可能となり、ドクヘリ・消防防災の複数機関が運航するヘリの位置情報の一元管理が実現しました。
現地で医療活動に従事された千葉北総病院の本村ドクターからは以下のコメントをいただきました。「ドクターヘリおよび消防防災ヘリなど複数機関の複数ヘリの位置情報を同一画面上でモニタリングできることは、安全な航行、効率的な運用、複数機関にまたがる情報共有などの点において極めて重要です。今回の熊本地震では、ドクターヘリのみならず他機関ヘリによる医療搬送も行いましたが、実災害においてその有用性が実証されたと言えます。複数のドクターヘリの位置情報をマニュアルで把握することが極めて困難であった東日本大震災時と比較すると、隔世の感があります。」
地震発生直後から被災自治体へ最新気象見解を提供、35自治体で活用
ウェザーニューズ創業時からの「いざという時、人の役に立ちたい」という企業理念に基づき、熊本地震発生の翌日から被災地の自治体に対して、安全な救助・復旧作業や気象による二次被害を軽減するため、被災地周辺の最新気象見解や注意すべき点などの情報の提供を行いました。これまでに35の自治体で活用されました。
梅雨・夏場の大雨や土砂災害、熱中症に注意、最新情報を随時発信
今後、梅雨の時期や夏場にかけて大雨や土砂災害のリスクが高まります。特に今年の梅雨は、九州で例年よりも雨が多くなることが予想されています(※2)。また、気温の上がる夏場は熱中症のリスクも高まります。当社は、復旧・復興に携わる自治体・事業者、また被災された方々に対して、引き続き情報発信を行って参ります。