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ウェザーニューズ、2016年スギ・ヒノキ花粉飛散状況のまとめを発表
今年の花粉は暖冬でスタート早く、飛散はダラダラ継続型
飛散量は昨年の55%と少なくなるも、昨年よりツライ症状続くシーズンに
モバイル/インターネット >株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、2016年の花粉飛散状況および花粉症状の総括を発表しました。花粉症に悩む一般の方や企業、病院などの協力のもと、全国に設置しているオリジナル花粉観測機「ポールンロボ」にて計測された花粉飛散量と、その周辺に住む花粉症の方約1万人の症状をまとめました。飛散量は2015年夏の天候不順などが原因で平年比30%・昨年比55%にとどまりましたが、その割に症状は緩和されず、むしろ2015年よりもツライ症状を感じる割合が多くなりました。暖冬の影響で花粉の飛散のスタートが早く、かつダラダラ継続したため、ツライ症状が長い期間続いたことが理由として挙げられます。
【スギ・ヒノキ花粉飛散傾向のまとめ】
◆今年の花粉飛散量は2015年夏の天候不順で昨年比55%に
2016年春のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は、全国で平年(2008-2015年の平均)の約30%と少なくなりました。平年比が1番高かった秋田でも103%と平年並、次いで青森が74%、広島が65%と46都道府県は平年を下回る花粉量でした。 また、昨年の飛散量と比較すると、佐賀で207%、福岡で128%、北海道で109%など一部で飛散量が昨年より多かったエリアはあるものの、全国平均では昨年の55%となりました。 九州北部や北海道で昨年より花粉の飛散量が多くなった要因として、北海道は花粉が放出されやすい“表年”であったこと、九州では2015年の夏が2014年の夏よりは日照時間が長かったことが挙げられます。一方、九州南部〜東北で昨年より飛散量が少なかった要因は、東北・東日本では花粉が放出されにくい“裏年”であったことと、2015年の夏が西日本ほど曇りや雨の日が多く、雄花の生育に不向きな天候であったことなどが挙げられます。
◆暖冬の影響で、スタート早く“ダラダラ継続型”に
<暖冬の影響で年明け早々に発症した人も>
今冬は、12月〜1月上旬に平年よりも暖かい日が多く、暖冬傾向となりました。この影響で、ごく少量のスギ花粉が昨年よりも早い時期から飛散し、例年はほとんど症状報告が届かない1月上旬に、西〜東日本の非常に敏感な花粉症の人から飛び始めを感じたという報告が寄せられました。
<全国的な花粉シーズン突入は2月中旬>
ただ1月の段階では本格的な症状の悪化をもたらす飛散量には至らず、全国的な花粉シーズンに突入したのは2月中旬でした。1月にごく少量の花粉が飛び始めてからすぐに花粉シーズンに入らなかったのは、暖冬の影響でスギの雄花が花粉飛散に向けて目を覚ます「休眠打破」が遅れたためと考えられます。スギの雄花は寒さを経験することにより、休眠を終えて花粉飛散の準備に入ると言われています。1月初めまでに休眠打破を終えたスギの雄花はわずかで、大部分は1月後半の記録的な寒波によりようやく休眠打破をしたと考えられます。そして、その後の暖かさで雄花が開花にむけて生長し、2月中旬から全国的な花粉シーズンに突入したようです。
<今年の花粉飛散は“ダラダラ継続型>
花粉シーズン中は、暖かい日や風が強い日を中心にスギ花粉が多く飛びましたが、関東や近畿を中心に昨年より風が弱く花粉が広範囲に拡散しにくかったためか、花粉の飛散が低調となりました。短期間での大量飛散が少なくなった分、特に関東では4月中頃までスギ花粉が多く飛ぶ日があり、今年はダラダラと飛散が継続したシーズンとなりました。
◆飛散量は少なくても“ダラダラ継続型”で、ツライ症状も長引く
花粉症の症状を調査するため、スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」内のウェザーリポーターの協力のもと、「非常にツライ」「ツライ」「ややツライ」「大丈夫」の4つから選んで日々症状を報告してもらいました。全国 10,014名から寄せられた約13万通の症状報告から、「ツライ」「非常にツライ」を選択した方の割合を調べました。
今年の飛散量は昨シーズンよりも少ない所が多かったものの、症状はあまり緩和されず、むしろ2016年の方が2015年よりもツライ症状の割合が増えています(左のグラフ参照)。右のグラフは、2016年と2015年のシーズンを通しての症状報告の変化(東北~九州)を示しています。症状報告を比較すると、1月下旬〜2月上旬、4月上旬~中旬に2016年の方がツライと感じている方の割合が多いことがわかります。 この理由としては、今年は暖冬の影響で1月のうちからごく少量の花粉が飛び始めたのに加えて、顕著な大量飛散がなかった分、4月以降も継続的に花粉の飛散が続いたことが挙げられます。特に関東ではスギ花粉の本格シーズンが昨年よりも10日程長くなりました。このため症状にもメリハリがなく、ツライ症状が長い期間続きました。
◆都道府県ごとの花粉飛散量と症状報告
都道府県 | 花粉シーズン中の総飛散数 | 症状 | ||||
2016年(個) | 2015年比(%) | 平年比(%) | 2016年(%) | 2015年(%) | ||
北海道 | 1442 | 109 | 47 | 21 | 13 | |
青森県 | 3521 | 64 | 74 | 10 | 9 | |
岩手県 | 1944 | 36 | 36 | 19 | 15 | |
秋田県 | 3667 | 104 | 103 | 10 | 4 | |
宮城県 | 1407 | 35 | 25 | 17 | 17 | |
山形県 | 1668 | 32 | 41 | 22 | 15 | |
福島県 | 2692 | 42 | 35 | 16 | 12 | |
茨城県 | 4152 | 78 | 46 | 18 | 11 | |
栃木県 | 2569 | 36 | 32 | 22 | 20 | |
群馬県 | 4939 | 59 | 52 | 23 | 18 | |
埼玉県 | 1929 | 35 | 22 | 26 | 13 | |
千葉県 | 2641 | 75 | 46 | 22 | 12 | |
東京都 | 1788 | 48 | 26 | 20 | 13 | |
神奈川県 | 2489 | 70 | 38 | 18 | 14 | |
山梨県 | 1306 | 19 | 16 | 31 | 20 | |
長野県 | 2043 | 30 | 29 | 23 | 11 | |
新潟県 | 1211 | 27 | 27 | 11 | 7 | |
富山県 | 917 | 21 | 19 | 13 | 11 | |
石川県 | 1728 | 54 | 38 | 48 | 17 | |
福井県 | 1982 | 58 | 40 | 7 | 6 | |
静岡県 | 1064 | 15 | 15 | 16 | 12 | |
愛知県 | 3334 | 77 | 58 | 22 | 16 | |
岐阜県 | 1780 | 54 | 28 | 17 | 9 | |
三重県 | 1162 | 66 | 21 | 21 | 13 | |
滋賀県 | 704 | 26 | 15 | 28 | 21 | |
京都府 | 678 | 28 | 15 | 16 | 15 | |
大阪府 | 1027 | 34 | 23 | 17 | 11 | |
兵庫県 | 1229 | 42 | 29 | 14 | 12 | |
奈良県 | 596 | 34 | 10 | 16 | 13 | |
和歌山県 | 738 | 62 | 20 | 17 | 14 | |
岡山県 | 1627 | 51 | 40 | 9 | 21 | |
広島県 | 2640 | 84 | 65 | 21 | 11 | |
鳥取県 | 827 | 56 | 24 | 13 | 33 | |
島根県 | 706 | 48 | 20 | 11 | 6 | |
山口県 | 1108 | 41 | 28 | 19 | 12 | |
徳島県 | 1213 | 54 | 31 | 6 | 7 | |
香川県 | 770 | 47 | 21 | 16 | 7 | |
愛媛県 | 1074 | 119 | 31 | 9 | 6 | |
高知県 | 842 | 54 | 23 | 16 | 7 | |
福岡県 | 1578 | 128 | 43 | 18 | 6 | |
佐賀県 | 1061 | 207 | 38 | 11 | 3 | |
長崎県 | 655 | 72 | 19 | 18 | 8 | |
大分県 | 492 | 33 | 11 | 24 | 7 | |
熊本県 | 812 | 46 | 24 | 9 | 8 | |
宮崎県 | 1141 | 43 | 27 | 12 | 7 | |
鹿児島県 | 622 | 45 | 17 | 9 | 3 | |
全国平均(北海道を除く) | 1646 | 55 | 32 | 17 | 12 |
※飛散量:花粉観測機「ポールンロボ」が観測した花粉の都道府県別の平均を示す
※北海道はシラカバ花粉の飛散量。沖縄県は目立った花粉の飛散がないため除く
※症状:各県の花粉シーズン中に、“非常にツライ”“ツライ”と回答した方の割合をまとめた結果
◆都道府県ごとの花粉・本格花粉シーズン開始・終了日
都道府県 | 開始日 | 本格開始日 | 本格終了日 | 終了日 | ||||
2016年 | 2015年 | 2016年 | 2015年 | 2016年 | 2015年 | 2016年 | 2015年 | |
北海道 | 4月21日 | 4月23日 | 5月2日 | 4月28日 | 5月25日 | 5月22日 | 6月5日 | 6月10日 |
青森県 | 3月8日 | 3月15日 | 3月15日 | 3月18日 | 5月2日 | 4月28日 | 5月8日 | 5月6日 |
岩手県 | 3月5日 | 3月5日 | 3月8日 | 3月13日 | 5月2日 | 4月27日 | 5月8日 | 5月6日 |
秋田県 | 3月8日 | 3月8日 | 3月17日 | 3月17日 | 5月2日 | 4月27日 | 5月8日 | 5月6日 |
宮城県 | 2月29日 | 2月24日 | 3月8日 | 3月5日 | 4月26日 | 4月25日 | 5月3日 | 5月4日 |
山形県 | 3月4日 | 2月24日 | 3月8日 | 3月9日 | 4月26日 | 4月27日 | 5月3日 | 5月6日 |
福島県 | 2月21日 | 2月24日 | 3月6日 | 3月5日 | 4月26日 | 4月27日 | 5月2日 | 5月6日 |
茨城県 | 2月10日 | 2月13日 | 2月17日 | 2月25日 | 4月26日 | 4月25日 | 5月5日 | 5月1日 |
栃木県 | 2月10日 | 2月13日 | 2月21日 | 2月21日 | 4月26日 | 4月25日 | 5月5日 | 5月1日 |
群馬県 | 2月10日 | 2月13日 | 2月17日 | 2月19日 | 4月26日 | 4月25日 | 5月5日 | 5月1日 |
埼玉県 | 2月10日 | 2月13日 | 2月24日 | 2月19日 | 4月26日 | 4月23日 | 5月5日 | 5月1日 |
千葉県 | 2月10日 | 2月13日 | 2月21日 | 2月23日 | 4月26日 | 4月23日 | 5月5日 | 5月1日 |
東京都 | 2月10日 | 2月13日 | 2月24日 | 2月24日 | 4月26日 | 4月23日 | 5月5日 | 5月1日 |
神奈川県 | 2月9日 | 2月13日 | 2月21日 | 2月23日 | 4月26日 | 4月23日 | 5月5日 | 5月1日 |
山梨県 | 2月21日 | 2月13日 | 2月29日 | 2月23日 | 4月30日 | 4月23日 | 5月5日 | 5月1日 |
長野県 | 2月27日 | 2月23日 | 3月5日 | 3月5日 | 5月3日 | 5月1日 | 5月9日 | 5月6日 |
新潟県 | 3月4日 | 2月24日 | 3月6日 | 3月8日 | 4月26日 | 4月25日 | 5月3日 | 5月1日 |
富山県 | 2月28日 | 2月23日 | 3月6日 | 3月8日 | 4月26日 | 4月22日 | 5月3日 | 5月1日 |
石川県 | 2月27日 | 2月23日 | 2月28日 | 3月8日 | 4月26日 | 4月22日 | 5月5日 | 5月1日 |
福井県 | 2月27日 | 2月24日 | 2月28日 | 3月8日 | 4月26日 | 4月22日 | 4月30日 | 5月1日 |
静岡県 | 2月15日 | 2月12日 | 2月21日 | 2月20日 | 4月25日 | 4月22日 | 5月5日 | 5月1日 |
愛知県 | 2月17日 | 2月14日 | 2月24日 | 2月19日 | 4月24日 | 4月23日 | 5月5日 | 5月1日 |
岐阜県 | 2月21日 | 2月21日 | 2月28日 | 2月28日 | 5月3日 | 5月3日 | 5月8日 | 5月7日 |
三重県 | 2月21日 | 2月15日 | 2月26日 | 2月23日 | 4月24日 | 4月22日 | 4月30日 | 5月1日 |
滋賀県 | 2月26日 | 2月23日 | 3月6日 | 3月4日 | 4月24日 | 4月22日 | 4月26日 | 5月1日 |
京都府 | 2月26日 | 2月23日 | 3月6日 | 3月4日 | 4月24日 | 4月22日 | 4月26日 | 5月1日 |
大阪府 | 2月26日 | 2月19日 | 3月5日 | 2月23日 | 4月24日 | 4月22日 | 4月26日 | 5月1日 |
兵庫県 | 2月19日 | 2月19日 | 3月5日 | 2月24日 | 4月24日 | 4月22日 | 4月26日 | 5月1日 |
奈良県 | 2月26日 | 2月23日 | 3月5日 | 2月28日 | 4月24日 | 4月22日 | 4月26日 | 5月1日 |
和歌山県 | 2月21日 | 2月13日 | 2月29日 | 2月23日 | 4月24日 | 4月22日 | 4月26日 | 5月1日 |
岡山県 | 2月26日 | 2月17日 | 3月5日 | 2月24日 | 4月24日 | 4月23日 | 4月26日 | 5月1日 |
広島県 | 2月19日 | 2月19日 | 3月5日 | 2月23日 | 4月24日 | 4月23日 | 4月26日 | 5月1日 |
鳥取県 | 2月28日 | 2月22日 | 3月5日 | 2月24日 | 4月24日 | 4月22日 | 4月26日 | 5月1日 |
島根県 | 2月28日 | 2月22日 | 3月5日 | 2月24日 | 4月24日 | 4月22日 | 4月26日 | 5月1日 |
山口県 | 2月19日 | 2月13日 | 2月26日 | 2月21日 | 4月20日 | 4月22日 | 4月26日 | 4月25日 |
徳島県 | 2月17日 | 2月19日 | 2月26日 | 2月23日 | 4月24日 | 4月22日 | 4月26日 | 5月1日 |
香川県 | 2月29日 | 2月14日 | 3月5日 | 2月23日 | 4月24日 | 4月22日 | 4月26日 | 5月1日 |
愛媛県 | 2月17日 | 2月17日 | 2月26日 | 2月23日 | 4月24日 | 4月22日 | 4月26日 | 4月28日 |
高知県 | 2月21日 | 2月13日 | 2月28日 | 2月20日 | 4月24日 | 4月22日 | 4月26日 | 4月28日 |
福岡県 | 2月14日 | 2月13日 | 2月26日 | 2月20日 | 4月20日 | 4月16日 | 4月25日 | 4月25日 |
佐賀県 | 2月16日 | 2月17日 | 2月28日 | 2月24日 | 4月20日 | 4月16日 | 4月25日 | 4月25日 |
長崎県 | 2月13日 | 2月12日 | 2月29日 | 2月24日 | 4月20日 | 4月16日 | 4月25日 | 4月25日 |
大分県 | 2月14日 | 2月13日 | 2月29日 | 2月21日 | 4月20日 | 4月16日 | 4月25日 | 4月25日 |
熊本県 | 2月18日 | 2月14日 | 2月28日 | 2月20日 | 4月20日 | 4月16日 | 4月25日 | 4月25日 |
宮崎県 | 2月10日 | 2月12日 | 2月29日 | 2月17日 | 4月20日 | 4月20日 | 4月25日 | 4月25日 |
鹿児島県 | 2月10日 | 2月17日 | 2月29日 | 2月23日 | 4月20日 | 4月16日 | 4月25日 | 4月25日 |
※花粉シーズン開始日/終了日:敏感な人に症状が出始める花粉飛散数10個/日を超えた日/飛散がなくなった日
※本格花粉シーズン開始日/終了日:花粉症の症状が出始める花粉飛散数30個/日を超えた日/飛散がなくなった日
◆各エリアの見解
<北海道:飛散量は昨年の110%、平年を上回る高温で一気に飛散量が増加>
北海道のシラカバ花粉の飛散量は、昨年の109%と多い結果となり、ツライ症状を感じる割合は全体の21%と昨年よりも8ポイント多くなりました。北海道は3月~5月にかけて平年より暖かい日が多く、ゴールデンウィークには札幌で24℃、旭川では25℃を超え、5月下旬には道内で30℃を超える日もあり、一気に飛散量が増加しました。飛散のピークは4月末~5月上旬で、5月中旬~下旬にも大量飛散したタイミングがありました。
<東北北部:飛散量は晴れた日本海側で平年の75〜100%と、太平洋側より多い傾向>
東北北部の飛散量は、曇りや雨の日が多かった太平洋側では平年の約35%と少なかったのに対し、晴れる日が多かった日本海側で平年のおよそ75〜100%と、日本海側の方が花粉の飛散が多い傾向となりました。春の暖かさで青森県では花粉シーズンインが昨年より1週間程度早まりました。飛散のピークは3月下旬~4月上旬で、昨シーズンより10日程度遅くなりましたが、平年並かやや早いくらいのタイミングとなりました。(ヒノキは積雪に弱いため東北北部では育ちにくく、ヒノキ花粉はほとんど飛散しません。)
<東北南部:飛散の最大のピークは3月下旬~4月上旬で、春の暖かさと強風で大量飛散に>
東北南部の飛散量は、曇りや雨の日が多かった太平洋側では平年の25〜35%と少なかったのに対し、比較的晴れる日が多かった日本海側で平年の約40%となり、日本海側の方が花粉が飛びやすい傾向となりました。飛散の最大のピークは3月下旬~4月上旬で、気温の上昇と強風の影響で大量飛散となりました。ピークのタイミングは平年並ですが、昨シーズンに比べると10日前後遅くなりました。(ヒノキは積雪に弱いため東北南部では育ちにくく、福島県の一部に分布する程度です。東北南部ではヒノキ花粉はほとんど飛散しません。)
<北陸:飛散量は平年の20〜40%と少なめ、スギ花粉ピークは3月上旬~中旬>
北陸の飛散量はシーズン全体を通してみると、平年の20〜40%と少なかったものの、南風が強く吹いた日や、晴れて気温が上がったタイミングで飛散量が増加しました。スギ花粉のピークは3月上旬~中旬で、特に新潟県以外のエリアでは暖かさの影響で、昨シーズンより1週間程度早まりました。新潟県では、昨年並みかやや早くピークとなりました。北陸周辺にはもともとヒノキ林が少ないため、ヒノキ花粉の飛散量は少ない傾向ですが、4月上旬~中旬に飛散のピークを迎え、こちらも昨シーズンよりやや早い傾向になりました。
<関東・甲信・東海:飛散量は平年の約20〜60%にとどまるも、飛散はダラダラ続きツライ症状長引く>
スギ花粉は暖冬の影響で飛び始めは早く、1月初め頃から症状を感じていた方もいましたが、花粉シーズンインは2月中旬、飛散のピークは2月下旬~3月中旬でした。ピークのタイミングは平年並かやや遅い程度でしたが、例年4月初めには飛散の終わりを迎えるスギ花粉が、今年は4月中頃まで飛び続けました。特に関東では比較的風が弱めで大量飛散の日が少なく、飛散量は平年のおよそ20〜60%にとどまりましたが、4月中旬になってもダラダラと飛散が継続したためツライ症状が長引いた方が多かったようです。ヒノキの飛散ピークはほぼ平年並かやや遅い3月末~4月中旬でした。
<近畿・中国・四国:飛散量は平年の10〜65%にとどまるも飛散はダラダラ続きツライ症状長引く>
近畿・中国(山口除く)・四国の飛散量は、昨年より少ない府県がほとんどを占めるものの、ツライ状態が昨年よりも長引きました。これは4月中旬になっても飛散量の多い日があり、特に山陽や四国ではヒノキの飛散量(4月上旬〜中旬)が、昨シーズンより多い傾向にあったことが理由に挙げられます。スギ花粉のピークは近畿で3月上旬~中旬、中国(山口除く)四国で2月末~3月中旬、ヒノキ花粉は4月上旬~中旬で、昨年とほぼ同じでした。
<九州:飛散量は北部で多く佐賀は昨年比200%に、南部は40%と少ない傾向>
九州(山口含む)の飛散量は、福岡で昨年の128%、佐賀で207%と九州北部で多く、症状もツライ傾向となりました。九州北部で昨年より飛散量が多かった要因は、2015年の夏が2014年夏よりも晴れたためと考えられます。一方、九州南部は2014年夏と同様に、2015年夏も天候が不順で雄花の生育に不向きだったため、今シーズンの飛散量は昨年の40%前後と少ない傾向となりました。スギ花粉のピークは2月末~3月上旬、ヒノキ花粉は3月中旬~4月上旬で、ピークの時期は昨年並みかやや遅い傾向となりました。
※ 表年:花粉飛散量が少ない年の翌年で、飛散量が多くなりやすい年
※ 裏年:花粉飛散量が多い年の翌年で、飛散量が少なくなりやすい年