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2020年のスギ・ヒノキ花粉はどうなる?ウェザーニューズ、「第一回花粉飛散傾向」を発表
【第一回花粉飛散傾向】来春の花粉飛散量は全国的に少なめ!全国平均で平年の85%、今年の64%予想
〜梅雨明けの遅れや8月後半の天候不良の影響で、雄花の生長に不向きな条件に〜
モバイル/インターネット > 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、2020年の花粉シーズンに向け、「第一回花粉飛散傾向」(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)を発表しました。2020年の花粉飛散量は、東北日本海側を中心に平年(2010~2019年平均)を上回る地域があるものの、全国的に平年を下回り、全国平均では平年の85%程度となる予想です。これは今年7月、各地で平年よりも遅い梅雨明けとなったことや、8月後半、前線や台風の影響で曇りや雨の日が多くなり、花粉の雄花の生長に不向きな天候となったためです。2019年シーズンと比べても、花粉の飛散量は広いエリアで30~40%程度少なく、半分以下となるところもあります。ただ、北海道では飛散量が平年を下回るものの、少なかった今年の約2倍の飛散量となるため症状の悪化に注意が必要なほか、前線の影響を受けにくく、晴れて暑い夏となった東北日本海側では平年比・2019年比共に飛散量が増えるため、早めの対策がおすすめです。また、総飛散量が少なくても、風が強い日や雨の翌日は一時的に花粉の飛散が増えることがあります。例年、2月以降は次第に花粉飛散量が増えてくるので、飛散量が平年より少ない予想でも油断せず対策を行なってください。
なお、次回の「第二回花粉飛散傾向」は、12月上旬の発表を予定しています。
▼「第一回花粉飛散傾向」の一般向けサイト
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または
ウェザーニュースウェブサイト「第一回花粉飛散傾向」
https://weathernews.jp/s/topics/201910/010105/
◆2020年「第一回花粉飛散傾向」
<来春の花粉飛散量の傾向:全国平均で平年比85%予想>
2020年のスギ・ヒノキの花粉飛散量は、東北日本海側を中心に平年を上回る地域があるものの、全国的に平年を下回る予想です。全国平均では平年の85%程度になるとみています。
また2019年に比べても、花粉の飛散量は、北海道と東北北部、東北南部日本海側を除いたほとんどの地域で少なくなる予想で、2019年の半分以下の飛散量になる地域もあります。ただ、総飛散量が少なくても、一時的、局地的に大量の花粉が飛散することがあるため、油断せずにシーズン前からしっかりと対策を行ってください。
<飛散量の決め手は2019年夏の天候と年ごとの増減傾向>
花粉の飛散予想は、前年の夏の天候や年ごとの飛散量の増減傾向(“表年”“裏年”)などの条件により決まります。2020年の花粉飛散量の予想が、概ね全国的に平年を下回る理由は以下の通りです。
~梅雨明けの遅れと8月後半の天候不良で、雄花の生長に不向きな条件に~
前年の夏に十分な日照があり、気温が上がるほどスギ・ヒノキ花粉の発生源となる雄花の生育が活発になる傾向があります。これは、よく晴れた暑い夏ほど植物の光合成が盛んになるためです(北海道のシラカバ花粉も同様)。
2019年7月は梅雨前線が本州の南岸に停滞し、各地で梅雨明けが平年よりも遅くなりました。また、8月は前半に晴れて厳しい暑さになった一方で、後半は前線や台風の影響で西日本を中心に曇りや雨の日が多くなりました。その結果、夏の日照時間は西・東日本を中心に平年を下回り、雄花の生長にはやや不向きであったと考えられます。
前線の影響を受けにくかった北日本では、東北日本海側を中心によく晴れて暑くなり、雄花の生長に適した天候条件となりました。
~中部以西では花粉の飛散量が少ない“裏年”に~
花粉の飛散量は周期的に増減し、花粉が多く飛散する期間と飛散が少ない期間が交互に訪れる傾向があります。飛散量が多い年を“表年”、少ない年を“裏年”と呼びます。ただし、夏の天候の影響で“表年”“裏年”の区別が不明確になる年もあります。
2019年は中部以西のエリアで花粉が多く飛散しました。これらのエリアではその反動で2020年の飛散量は前年より少なくなると予想しています。
◆エリアごとの2020年花粉飛散傾向
北海道:少ない飛散量の反動で、前年比の約2倍に 2019年の夏は平年よりも暑くなりましたが、日照時間は平年を下回り、シラカバの雄花の生長にはやや不向きな条件であったと考えられます。 | |
東北北部:晴れて暑い夏 飛散量も増加 2019年の夏は、平年よりも暑く、日照時間は日本海側で平年を上回り、太平洋側では概ね平年並となりました。このため、スギの雄花の生長に適した条件であったと考えられます。 | |
東北南部:日本海側を中心に飛散量が増加 2019年の夏、日本海側では日照時間が平年を上回り、平年よりも暑くなりました。一方太平洋側では、平年よりも暑くなったものの、7月に前線と湿った空気の影響を受け、日照時間は概ね平年並か平年をやや下回りました。このため、日本海側ではスギの雄花の生長に適した条件に、太平洋側ではやや不向きな条件になったと考えられます。 | |
関東:長梅雨の影響大 飛散量は減少 2019年の夏は平年よりも暑くなりましたが、前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多く、日照時間は平年を下回りました。このため、スギ・ヒノキの雄花の生長にはやや不向きな条件であったと考えられます。 | |
北陸・長野:大量飛散の反動 前年比で大幅減 2019年の夏は平年よりも暑くなりましたが、日照時間は概ね平年並か平年をやや下回り、スギ・ヒノキの雄花の生長にはやや不向きな条件であったと考えられます。 | |
東海・山梨:大量飛散の反動 前年比で大幅減 2019年の夏は平年よりも暑くなりましたが、前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多く、日照時間は平年を下回りました。このため、スギ・ヒノキの雄花の生長にはやや不向きな条件であったと考えられます。 | |
近畿:大量飛散の反動 前年比で大幅減 2019年の夏は平年並の暑さとなりましたが、前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多く、日照時間は平年を下回りました。このため、スギ・ヒノキの雄花の生長にはやや不向きな条件であったと考えられます。 | |
山陰:大量飛散の反動 前年比で大幅減 2019年の夏は平年並の暑さとなりましたが、前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多く、日照時間は平年をやや下回りました。このため、スギ・ヒノキの雄花の生長にはやや不向きな条件であったと考えられます。 | |
山陽:大量飛散の反動 前年比で大幅減 2019年の夏は平年並の暑さとなりましたが、前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多く、日照時間は平年をやや下回りました。このため、スギ・ヒノキの雄花の生長にはやや不向きな条件であったと考えられます。 | |
四国:長梅雨と天候不良 前年比で大幅減 2019年の夏は概ね平年並か平年をやや下回る暑さとなりました。前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多く、日照時間は平年を大きく下回りました。このため、スギ・ヒノキの雄花の生長には不向きな条件であったと考えられます。 | |
九州北部:長梅雨と天候不良 前年比で大幅減 2019年の夏は概ね平年並か平年をやや下回る暑さとなりました。前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多く、日照時間は平年を大きく下回りました。このため、スギ・ヒノキの雄花の生長には不向きな条件であったと考えられます。 | |
九州南部:長梅雨と天候不良 前年比で大幅減 2019年の夏は概ね平年並か平年をやや下回る暑さとなりました。前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多く、日照時間は平年を大きく下回りました。このため、スギ・ヒノキの雄花の生長には不向きな条件であったと考えられます。 |
◆都道府県ごとの2020年花粉飛散傾向
エリア | 都道府県 | 花粉飛散量 | 花粉飛散量 |
北海道(シラカバ) | 北海道 | 195 | 84 |
東北北部 | 青森県 | 155 | 129 |
岩手県 | 114 | 116 | |
秋田県 | 135 | 117 | |
東北南部 | 宮城県 | 71 | 78 |
山形県 | 111 | 129 | |
福島県 | 74 | 78 | |
関 東 | 茨城県 | 76 | 74 |
栃木県 | 70 | 76 | |
群馬県 | 75 | 71 | |
埼玉県 | 75 | 70 | |
千葉県 | 79 | 71 | |
東京都 | 75 | 70 | |
神奈川県 | 75 | 71 | |
北陸・長野 | 新潟県 | 71 | 93 |
富山県 | 61 | 86 | |
石川県 | 49 | 83 | |
福井県 | 61 | 84 | |
長野県 | 56 | 71 | |
東海・山梨 | 山梨県 | 71 | 82 |
静岡県 | 58 | 90 | |
愛知県 | 52 | 92 | |
岐阜県 | 48 | 98 | |
三重県 | 44 | 92 | |
近 畿 | 滋賀県 | 51 | 91 |
京都府 | 59 | 89 | |
大阪府 | 72 | 87 | |
兵庫県 | 69 | 92 | |
奈良県 | 63 | 79 | |
和歌山県 | 52 | 91 | |
山 陰 | 鳥取県 | 53 | 86 |
島根県 | 63 | 85 | |
山 陽 | 岡山県 | 53 | 89 |
広島県 | 66 | 80 | |
山口県 | 47 | 81 | |
四 国 | 徳島県 | 66 | 78 |
香川県 | 63 | 85 | |
愛媛県 | 49 | 92 | |
高知県 | 52 | 87 | |
九州北部 | 福岡県 | 52 | 81 |
佐賀県 | 42 | 80 | |
長崎県 | 55 | 79 | |
大分県 | 46 | 83 | |
熊本県 | 54 | 82 | |
九州南部 | 宮崎県 | 59 | 73 |
鹿児島県 | 60 | 79 | |
全 国 | — | 64 | 85 |
※平年:天候の平年は1981年~2010年の過去30年平均、花粉飛散量の平年は2010年~2019年の過去10年平均
※飛散量:花粉観測機「ポールンロボ」が観測すると想定される花粉数。過去のポールンロボの観測データをもとに予想を算出
※過去の飛散量について:シーズン終了後、ポールンロボの観測データをもとに、他機関のデータを参照して一部を見直しています
※北海道はシラカバ花粉の飛散量。沖縄は目立った花粉の飛散がないため除く
◆参考:ウェザーニューズの花粉飛散傾向と観測網について
ウェザーニューズでは、全国のウェザーニュース会員と花粉の雄花の生育状況を調査する「雄花調査」の結果および、これまで「花粉プロジェクト」で蓄積してきた花粉の観測データ、年ごとの飛散量傾向(“表年”“裏年”)、今夏の天候・今後の長期予報をもとに来シーズンの花粉飛散傾向を発表しています。
「第二回花粉飛散傾向」は、飛散開始時期や飛散ピークについてまとめ、12月上旬に発表予定です。
~日本最大級の花粉観測網を展開!~
ウェザーニューズの「花粉プロジェクト」は、花粉症の方々の役に立ちたい!という想いで、2005年から実施しているユーザー参加型の取り組みです。全国のご家庭や企業などに、独自開発した花粉観測機「ポールンロボ」を約1,000台設置し、空気中に含まれる花粉をリアルタイムに自動観測します。
一般的な花粉観測方法では、ガラス板に付着した花粉を顕微鏡で数える「ダーラム法」が主流となっていますが、情報の更新に時間がかかるのに加え、1日単位での飛散量しか把握できません。また、観測しているのは病院や自治体など、各都道府県で1施設程度です(東京都は約10施設)。
ウェザーニューズは、日本最大級の花粉観測網とこれまでの蓄積データを活かし、予報精度向上を目指すと共に、アプリの利便性を高め、花粉症の方が少しでも楽に過ごせるよう、サポートしていきます。