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ウェザーニューズ、「猛暑見解2020」を発表

【猛暑見解2020】全国的に平年より高温傾向の夏、暑さのピークは8月

〜太平洋高気圧とチベット高気圧の“ダブル高気圧”が猛暑の鍵〜

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 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、本日、「猛暑見解2020」を発表しました。西・東日本の今夏(7月〜9月)の気温は、平年より高くなる見通しです。北日本と沖縄でも、平年並の暑さと厳しい暑さの時期が交互に訪れます。暑さのピークは8月で、太平洋高気圧とチベット高気圧の張り出しが重なるタイミングで“猛暑”となる見込みです。
 最新の見解は、「ウェザーニュース」アプリまたはウェブサイト「猛暑見解2020」からご確認いただけます。

▼ウェザーニュースウェブサイト「猛暑見解2020」
https://weathernews.jp/s/topics/202006/300065/

◆西・東日本の梅雨明けは7月中旬予想、広範囲で平年より暑い夏に

図1:全国の気温傾向(7月〜9月)


 今年の夏(7月〜9月)の気温は、西・東日本で平年より高く、北日本と沖縄では平年並〜高い予想です。
 7月上旬には太平洋高気圧が北に勢力を拡大して九州を覆い始め、本州付近に停滞していた梅雨前線は7月中旬にかけて日本海から東北付近まで北上する見込みです。梅雨明け後、今年の夏は全国的に平年より気温が高く、西日本や東日本を中心に厳しい暑さとなります。9月に入っても高温傾向が続き、お彼岸の頃までは残暑が厳しくなりそうです。こまめな水分補給やマスクの付け外し、適度な休憩や換気など、体調管理に充分ご注意ください。

◆暑さのピークは8月、“ダブル高気圧”出現の可能性も

図2:今年の猛暑ピーク時の天気図イメージ

 8月は日本の上空で高気圧の勢力が強まり、広範囲で暑さのピークとなる予想です。この暑さの鍵となるのが、太平洋高気圧とチベット高気圧です。
 太平洋高気圧とチベット高気圧は広がる高度が違うため、チベット高気圧が日本付近まで張り出すと、太平洋高気圧と上空で重なり合って“ダブル高気圧”となり、二つの高気圧が非常に背の高い一つの高気圧のようになって厳しい暑さをもたらします。35度以上の猛暑日が続いたり、フェーン現象が起こりやすい場所では40度前後の酷暑になることもあります。その後、9月にかけても暖かな空気が流れ込みやすく、秋のお彼岸の頃までは残暑が厳しい見通しです。

(1)太平洋高気圧:8月以降日本付近への張り出しが強まる
 7月はフィリピン付近での対流活動が本格化しない影響で、太平洋高気圧の勢力は安定しません。8月になると、フィリピンの北で対流活動が活発になるため、日本付近では下降流が強まり、太平洋高気圧の勢力が強まります。また、上空を流れるジェット気流が平年よりも北を流れる影響で、西日本や東日本には南から暖気が入りやすく、太平洋高気圧が日本付近に張り出してくる見込みです。

(2)チベット高気圧:日本付近への張り出しがやや強まる
 チベット高気圧とは、北半球の夏季にチベット付近を中心に広範囲に広がる上空の高気圧です。今夏は、日本付近で太平洋高気圧の勢力が強まる8月にチベット高気圧も本州付近に張り出してくる見込みです。太平洋高気圧とチベット高気圧の張り出しが重なったタイミングで“猛暑”となる予想です。

 なお、今年は夏から秋にかけては負のインド洋ダイポールモード現象(参考1)やラニーニャ 現象(参考2)に近い海面水温分布時の特徴が現れる可能性があり、近年で特徴が似ているのが2013年です。2013年の夏は北日本を除くエリアで気温がかなり高く、高知県江川崎で最高気温41.0℃を記録するなど、西日本で記録的な猛暑となりました。今年も、二つの高気圧が重なりやすい西日本を中心に顕著な高温となる時期がありそうです。

※本予報は6月30日時点のものです。最新の見解は「ウェザーニュース」アプリまたはウェザーニュースウェブサイト(https://weathernews.jp/s/)からご確認ください。

図3:負のインド洋ダイポールモード現象 模式図

◆参考1:負のインド洋ダイポールモード現象

 負のインド洋ダイポールモード現象は、インド洋東部で海面水温が平年より高く、西部で平年より低くなる現象です。この海面水温の変化に伴い、インド洋東部では通常に比べて対流活動が活発になります。





図4:ラニーニャ 現象 模式図

◆参考2:ラニーニャ現象
 ラニーニャ現象は、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけての海面水温が平年より低くなる現象です。東風が平常時よりも強く、太平洋赤道域の西部に暖かい海水がより厚く蓄積し、対流活動が活発化します。この影響で、日本付近では太平洋高気圧が北に張り出しやすくなり、気温が高くなる傾向があります。



◆エリアごとの見解

エリア

7月~9月の気温
(平年との比較)

7月~9月の猛暑見解

北日本

平年並~高い

7月:
気温は平年並~高い予想です。北海道は曇りや雨の日が多く、暑さは控えめです。東北は南部から北部へと次第に夏空が広がるようになります。梅雨明け後は安定した晴れの天気と暑さがしばらく続きます。
8月:
気温は平年並~高い予想です。晴れる日が多いものの、雷雨の発生しやすい時期がありそうです。東北を中心に暑さが本格化します。
9月:
気温は平年並~高い予想です。北海道から東北へ、段々と天気が周期変化するようになり、後半は朝晩を中心に秋の気配を感じられそうです。ただ、台風や前線の影響を受けて蒸し暑くなる日もあるため、体調管理にご注意ください。

東日本

平年より高い

7月:
気温は平年より高い予想です。梅雨明け後、夏空が広がって暑さの厳しい日が多くなります。まだ身体が暑さに慣れていないため、暑さ対策をしっかりと行ってください。
8月:
気温は平年より高い予想です。晴れて暑さの厳しい日が多くなります。一方、雷雨が発生しやすい時期があり、お盆シーズンは熱中症や天気の急変に注意が必要です。
9月:
気温は平年より高く、お彼岸の頃までは残暑が厳しくなります。下旬は移動性の高気圧に覆われるようになり、朝晩を中心に秋の気配を感じられそうです。ただ、台風や秋雨前線の影響で蒸し暑くなる日もあるため、体調管理にご注意ください。

西日本

平年より高い

7月:
気温は平年より高い予想です。梅雨明け後、夏空が広がって暑さの厳しい日が多くなります。まだ身体が暑さに慣れていないため、暑さ対策をしっかりと行ってください。
8月:
気温は平年より高い予想です。晴れて暑さの厳しい日が多くなります。一方、雷雨が発生しやすい時期があり、お盆シーズンは熱中症や天気の急変に注意が必要です。
9月:
気温は平年より高く、お彼岸の頃までは残暑が厳しくなります。下旬は移動性の高気圧に覆われるようになり、朝晩を中心に秋の気配を感じられそうです。ただ、台風や秋雨前線の影響で蒸し暑くなる日もあるため、体調管理にご注意ください。

沖縄

平年並~高い

7月:
気温は平年並の予想です。太平洋高気圧に覆われて晴れる時期と天気がぐずつく時期がありそうです。
8月:
気温は平年並か高い予想です。強い日差しが照りつけ暑い日が多くなります。台風が接近するような時はかなり蒸し暑く感じられそうです。夜間も気温が下がりにくく、寝苦しい日も続きます。こまめに水分を補給するなど熱中症対策をしっかり行ってください。
9月:
気温は平年並か高い予想です。台風や湿った空気の影響で蒸し暑い日が多くなりそうです。

本見解の対象期間は7月~9月としています。

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