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株式会社ウェザーニューズ（本社：千葉市美浜区、代表取締役社長：草開千仁）は、当社独自のAI画像解析技術を用いて火山の噴火、噴煙を検知する「AI火山灰検知システム」の運用を開始しました。本システムは、衛星画像を用いて雲の切れ間からAIにより噴煙（火山灰雲）をリアルタイムに検知する世界初のシステムです。当社地象センターが航空会社向けに行っている火山灰拡散予測に導入することで、これまでは難しかった小規模な噴火も検知することが可能になります。
当社は、火山近傍を運航している航空会社に対してリアルタイムに噴火情報を提供することで、航空業界のさらなる安全に寄与していきます。
世界初、AI技術で噴煙を自動認識
現在当社地象センターをはじめ、多くの専門家が衛星画像を監視することにより世界各地の活火山の噴煙の検知をしています。しかし、小規模な噴火である場合、噴煙は衛星からみると雲が覆い被さることが多く、特に頻繁に噴火せず、監視対象となっていないエリアでの噴火に気づきにくいことが課題となっています。
そこで当社は独自のAI画像解析技術を用いて火山の噴火、噴煙の画像認識をする「AI火山灰検知システム」を開発し、地象センターにて本格運用を開始しました。本システムは、地球全域を見渡す衛星画像を用いて、雲の切れ間からAIにより噴煙（火山灰雲）をリアルタイムに画像認識することができる世界初のシステムです。AI画像解析技術には、雲と火山灰雲における形状，テクスチャ（模様）などの微妙な違いを見分けるモデリングを取り入れています。
本システムを用いることにより、これまでは気付きにくかった小規模な噴火でも、雲の切れ間からより早く正確に検知し、迅速に火山灰拡散予測を行うことができるようになりました。
今後はさらに評価を進め、小規模から大規模な噴火の噴煙検知について、精度向上に努めていきます。また、衛星画像だけでなく、当社が独自に火山近傍に設置しているライブカメラ画像からも検知し、噴煙の拡散予測などもリアルタイムに提供することを目指します。
赤外画像では噴煙を確認できない(左)。「AI火山灰検知システム」により噴煙を捉えた様子（右）。
航空路火山灰情報センターVAAC Darwinによる情報からも、噴煙の噴出があることが通知されていた。
世界中の火山を監視し、航空機の安全運航を支援するACOSサービス
火山の噴火に伴う噴煙は、視程の悪化や機体やエンジンの損傷など、航空機のフライトに危険をもたらします。2010年にはアイスランドの氷河エイヤフィヤトラヨークトルで大規模な噴火が発生し、約30カ国の空港閉鎖、多数の欠航を余儀なくされるなど大きな影響が出ました。
当社はこれをきっかけに、航空市場向けに独自の火山灰検知・拡散予測サービス（ACOS)サービスの提供を開始しました。本サービスは世界中の火山を監視し、噴火した際にいち早く独自の拡散予測を提供する当社独自のサービスです。火山がどこで噴火したか、噴煙はどのように流れていくのか、その規模、到達時間などについて、いち早く発信しています。現在、活火山の多い日本や東南アジア域を運航している航空会社を中心に提供しています。
航空会社は公的機関が発表する情報を元に運航判断をしておりますが、本サービスも参考情報として活用し、より早く飛行計画の変更や、航路上の航空機に通知するなどの対応を検討することが可能となります。