TOP > NEWS > 2021

ニュース

電力市場向けに高精度な発電量予測を支援する新たな気象データセット開始

日射量、気温等の1kmメッシュ実況解析データを30分毎にAPI提供

〜冬期限定で実施していた無償トライアルを年内まで期間延長〜

エネルギー気象 >

 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、高解像度かつ高精度な気象データの活用で企業のDXを推進するWxTech®️(ウェザーテック)サービスにおいて、電力需給計画を支援する電力市場向けの気象データセット「WxTech®️ for Energy」に実況解析データを本日追加しました。1kmメッシュの高解像度な実況解析データを電気事業者の運用に適した30分毎にクラウド経由でAPI提供します。

 現在、気象庁の日射量の観測地点は全国に約50カ所と限られていることから、太陽光発電所に自社で日射計を設置できない場合には、日射量の把握や太陽光発電量の推定が困難となっています。当社が衛星画像と観測データを用いて高精度に解析した日射量や気温など全7要素の実況解析データをご活用いただくことで、高精度に日射量や太陽光発電量を推定できます。

 また、昨年12月に開始した「WxTech®️ for Energy」の冬期限定トライアルは好評で、現在も電力事業者からお問い合わせをいただくことから、無償トライアル期間を年内まで延長します。

 さらに、2022年度からのFIP制度やアグリゲーターのライセンス制度の開始に向けて、電気事業者は発電量予測と電力需要予測にAIを用いた予測手法の導入を進めています。AIの学習用に過去の気象予測のニーズが高まっていることから、当社は6月に“過去の気象予測”のデータ提供開始を予定しています。実況解析データとあわせてご活用いただくことで、更なる精度向上が期待できます。

気象データセットに関するお問い合わせはこちらから
https://biz.weathernews.com/wxtech-e-202105/


電力市場向けに実況解析データを提供開始

 電気事業者が高精度に日射量の把握や太陽光発電量を推定するためには、発電場所の気象観測データが必要になります。しかし、日射量は気象庁の観測地点が全国約50カ所と限られているため、自社で観測機を設置できない場合は、観測地点から数十km以上離れてしまい、十分なデータ活用ができないこともあります。

 そこで、当社は「WxTech®️ for Energy」において、実況解析データの提供を開始しました。気温、全天日射量、降水量、風向、風速、相対湿度、天気の全7要素についてリアルタイムに解析し、電気事業者の運用に適した30分間隔、1kmメッシュの高解像度で提供します。日射量の解析には、衛星画像から雲の厚さ、雲粒の半径、雲水量、雲頂温度を推定する雲解析アルゴリズムを用いており、精度の高い解析が可能です。

日射量の実況解析データ
(2021年4月4日10時30分、赤色ほど日射量が多い)

 日射量や太陽光発電量を高精度に推定できることで、発電量の実績との比較が可能になります。例えば、日射量の解析実況データに比べて発電量が十分でないといったことから、機器の故障を迅速に検知し、きめ細かいメンテナンスによって発電量を高く維持することができます。

 

トライアル期間を年末まで延長、電力事業者で高まるニーズ

 当社は昨年「WxTech®️ for Energy」の販売開始時に、冬期限定の無償トライアルを提供し、ご好評いただきました。現在も小売電気事業者や発電事業者、アグリゲーターなどから多数のお問い合わせをいただくことから、期間限定のトライアルを年内まで延長します。

 

来月は過去の気象予測データを提供予定、発電量予測のAI学習データとして需要大

 2022年度には市場価値に一定の補助を上乗せするFIP制度や分散型電源を束ねて供給力を提供するアグリゲーターのライセンス制度が開始します。このため、電気事業者は発電量予測や電力需要予測の精度向上を目指して、AIを用いた予測システムの導入を進めています。そこで、当社はAIの学習用データとしてニーズが高い“過去の気象予測”を6月から提供開始します。“過去の気象予測”と今回の実況解析データを学習させることで、企業の発電量や電力需要予測の精度向上が期待できます。

 

▼気象データセットの問い合わせ、無償トライアルのお申し込みはこちらから
 https://biz.weathernews.com/wxtech-e-202105/

 

電力向け気象データセット一覧

データ種別
予測
期間
気温
全天
日射量
直達
日射量
散乱
日射量
降水量
降雪量
風向
風速
露点
温度
相対
湿度
天気
実況解析データ
-
-
-
-
-
需給計画
リアルタイム予測
6時間

EPI

EPI
-
-
短期予測
72
時間

EPI

EPI
-
-
週間予測
346
時間
-
-
週間予測
(日単位)
翌日-
14日
最高
最低
平均
-
-
-
-
-
-
-
-
月次予測
720
時間
-
-
-
供給計画
(太陽光
発電用)
リアルタイム予測
6時間

EPI

EPI
-
-
-
-
-
短期予測
72
時間

EPI

EPI
-
-
-
-
-
週間予測
346
時間
-
-
-
-
-

 

電力需給計画を支援する気象データセット

 当社は、2020年12月に電力の需要予測や発電量予測に必要な気象データをパッケージ化した電力市場向けの気象データセット「WxTech®️ for Energy」の販売を開始しました。当社は古くからオンプレミスの環境でカスタマイズした電力需要予測や気象データを提供することで電力需給計画を支援してきましたが、本サービスはWxTech®️(ウェザーテック)サービスを用いたクラウド環境での気象データ提供になります。電気事業者はクラウドに保存された気象データをAPIなどで取得できるため、データの閲覧や保存だけでなく、需給管理システムなどの既存システムとの連携も容易です。

 本気象データセットでは、気温、気温EPI、全天日射量、全天日射量EPI、直達日射量、散乱日射量(※)、風向、風速、降水量、天気など、様々な気象要素の予測データをピンポイントで取得することができます。天気は予報精度90%以上の高精度なデータとなります。

 また、「気温EPI(Error Potential Index)」と「全天日射量EPI」は、電力市場のニーズに特化した当社オリジナルの予測幅データです。日射量と気温に関する予測値の上限と下限の誤差幅(ブレ幅)を把握することで、効果的なリスクヘッジを可能にします。

 例えば、真夏の翌日日中の気温予測について、最も確度の高い予想気温(例えば36.0℃)だけでなく、可能性のある予想気温の最低(35.0℃、下ブレ予測)と最高(36.5℃、上ブレ予測)をお伝えすることで、需給のひっ迫時などおいてリスクヘッジが取りやすくなります。

※全天日射:地表面が受けるすべての太陽光を指す。直達日射の水平面成分と散乱日射の和。
 直達日射:太陽から直接地上に到達する光のこと。
 散乱日射:太陽光が大気中の粒子などにより散乱・反射されて 地上に届く光のこと。

 本気象データセットは、これらの気象データを当日の運用、スポット、週間や月次など各電力取引に必要なタイミングに合わせてパッケージ化されています。例えば、当日の運用向けには6時間先までのリアルタイム予測を30分毎に生成し、スポット計画向けには数時間毎に72時間先までの短期予測を提供します。

 当社は、電力市場に最適な気象データを提供することで、再生可能エネルギーの主力電源化を支援してまいります。

WxTech®️サービスについて

 WxTech®️(ウェザーテック)サービス(https://wxtech.weathernews.com/)は、ビジネス課題や社会課題解決を目指した企業や自治体のDX推進を気象データの切り口から支援するサービスです。ビジネス分析・予測に活用可能な高解像度/高精度な気象データAPIを備えており、サービスサイトではお手持ちのデータと気象データとの相関分析を無料でお試しいただけます。また、天気アプリ「ウェザーニュース」上で1kmメッシュの気象データと連動して広告を出し分け、効果的なプロモーションを実現する天気連動広告もご利用いただけます。

 当社は、独自の高解像度/高精度な気象データと、2,500社に及ぶお客様へのサービス導入のノウハウを活かし、業務の効率化・最適化やビジネスリスク低減など、持続可能なビジネスの実現だけでなく、売り上げの最大化や新たなビジネスチャンスの創出、マーケティング戦略の支援など、攻めのビジネスの実現をサポートします。

 今後、当社は気象データと最新テクノロジーを組み合わせて、ビジネス課題を解決するWxTech®️のサービス開発を進めることで、Society 5.0時代における企業のDXを推進していきます。

 

▼気象データセットの問い合わせ、無償トライアルのお申し込みはこちらから
 https://biz.weathernews.com/wxtech-e-202105/

 

本ニュースをプリントアウトしてご覧になりたい方はこちら