ニュース
今年の梅雨はどうなる?ウェザーニューズ、2021年「梅雨見解」を発表
梅雨入り・梅雨明け共に平年より早く、梅雨期間は西日本で長めの傾向
〜6月中旬から7月上旬は梅雨末期の大雨に警戒、沖縄・奄美では空梅雨の可能性〜
モバイル/インターネット > 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、2021年の「梅雨入り・梅雨明け見解」を発表しました。
まだ梅雨入りしていない関東甲信、北陸、東北南部、東北北部では6月上旬に梅雨入りが発表される可能性があり、いずれも平年より早い梅雨入りとなりそうです。梅雨明けも平年より早く、7月上旬に梅雨明けするところが多い見込みです。西日本を中心に、6月中旬から7月上旬にかけては梅雨末期の大雨に警戒が必要です。
最新見解はスマホアプリ「ウェザーニュース」またはウェザーニュースウェブサイト「梅雨情報」からご確認いただけます。雨の季節を少しでも安全で快適に過ごせるようお役立てください。
▼最新の梅雨見解はこちら
ウェザーニュースウェブサイト「梅雨情報」
https://weathernews.jp/s/news/tsuyu/
◆梅雨見解2021
〜梅雨入り・梅雨明け共に平年より早く、梅雨期間は西日本で長めの傾向~
今年は5月5日に沖縄と奄美で、11日に九州南部、15日に九州北部、四国、中国、16日に近畿、東海で梅雨入りが発表されました。いずれも平年より早い梅雨入りで、四国と近畿では統計史上最も早い、九州南部、九州北部、中国、東海では統計史上二番目に早い梅雨入りとなりました。まだ梅雨入りが発表されていない関東甲信、北陸、東北南部、東北北部でも、平年より早い6月上旬にも梅雨入りが発表される可能性があります。
昨年は前線の北上が平年並からやや遅くなりました。そのため、九州南部で平年並、東北南部で平年より早い梅雨入りだった以外は、平年より遅い梅雨入りとなりました。今年は5月上旬から中旬にかけて太平洋高気圧の勢力が強まり、沖縄から東海で平年より早い梅雨入りとなりました。今後5月末から6月はじめ頃に太平洋高気圧の勢力が増すと予想され、このタイミングで関東甲信から東北まで梅雨入りすると見ています。
一方、梅雨明けは全国的に昨年より早く、平年より早いところが多い見込みです。7月上旬に梅雨明けするところが多く、その後は晴れて暑くなります。昨年、梅雨明けが特定されなかった東北北部も平年よりかなり早い7月中旬に梅雨明けする見込みです。梅雨期間は沖縄、奄美、関東甲信、北陸、東北で平年より4日以上短くなります。一方、九州南部から東海は平年より4日以上長くなる見込みです。
日本の天候に関係する熱帯の対流活動に注目すると、昨年はインド洋熱帯域の対流活動が活発だったため、フィリピン付近での対流活動が抑制され、太平洋高気圧の勢力が弱く、結果として全般に梅雨入り、梅雨明けが平年より遅くなりました。今年の6月はインド洋熱帯域の対流活動は概ね平年並かやや不活発で、フィリピン周辺では活発になる傾向です。5月下旬にフィリピン近海の対流活動がピークになると見られ、このタイミングで太平洋高気圧が強まり、前線が北上する見込みです。7月のインド洋熱帯域の対流活動は概ね平年並で、フィリピンの東海上での対流活動も概ね平年並ですが、7月上旬に対流活動のピークとなる見込みです。このタイミングで太平洋高気圧が本州付近へ張り出しを強めるため、前線が北上し平年より早く梅雨明けするところが多くなる予想です(図3)。
~6月中旬から7月上旬は梅雨末期の大雨に警戒、沖縄・奄美では空梅雨の可能性~
今年の梅雨期間の雨量は、九州、四国、中国、近畿、東海、東北北部で平年並か多く、関東甲信、北陸、東北南部は平年並の予想です。また、奄美、沖縄は平年より少なく、空梅雨の可能性があります(図4)。
5月は梅雨前線が平年より北に位置することが多く、6月も梅雨前線を押し上げる太平洋高気圧の北への張り出しが平年より強く、前線は本州付近に停滞します。このため、沖縄や奄美では高気圧に覆われやすくなります。一方、前線が停滞しやすくなる九州から東北では曇りや雨の日が多くなります。本州付近は暖かく湿った空気が流れ込みやすく、前線の活動が活発化する日があり、西日本を中心に6月中旬から下旬にかけて大雨や豪雨に警戒が必要です。7月は平年より早く太平洋高気圧が北への張り出しを強めるため、東日本や西日本は前線の南側に入り、平年より早く晴れる日が多くなりそうです。一方、東北では7月上旬に、梅雨末期の大雨に注意が必要です。
※本見解は21日時点のものです。予測が大きく変わる可能性もありますので、最新見解は、スマホアプリ「ウェザーニュース」または、ウェザーニュースウェブサイト「梅雨情報」(https://weathernews.jp/s/news/tsuyu/)にてご確認ください。
◆各地方の梅雨入り・梅雨明け予想
地方 | 梅雨入り | 梅雨明け | ||||
2021年 | 2020年 | 平年 | 2021年 | 2020年 | 平年 | |
東北北部 | 6月上旬 | 6月25日頃 | 6月15日頃 | 7月中旬 | 特定しない | 7月28日頃 |
東北南部 | 6月上旬 | 6月11日頃 | 6月12日頃 | 7月中旬 | 8月2日頃 | 7月24日頃 |
北陸 | 6月上旬 | 6月11日頃 | 6月11日頃 | 7月中旬 | 8月1日頃 | 7月23日頃 |
関東甲信 | 6月上旬 | 6月11日頃 | 6月7日頃 | 7月上旬 | 8月1日頃 | 7月19日頃 |
東海 | 5月16日 | 6月10日頃 | 6月6日頃 | 7月上旬 | 8月1日頃 | 7月19日頃 |
近畿 | 5月16日 | 6月10日頃 | 6月6日頃 | 7月上旬 | 8月1日頃 | 7月19日頃 |
中国 | 5月15日 | 6月10日頃 | 6月6日頃 | 7月上旬 | 7月31日頃 | 7月19日頃 |
四国 | 5月15日 | 6月10日頃 | 6月5日頃 | 7月上旬 | 7月29日頃 | 7月17日頃 |
九州北部 | 5月15日 | 6月11日頃 | 6月4日頃 | 7月上旬 | 7月30日頃 | 7月19日頃 |
九州南部 | 5月11日 | 5月30日頃 | 5月30日頃 | 7月上旬 | 7月28日頃 | 7月15日頃 |
奄美 | 5月5日 | 5月17日頃 | 5月12日頃 | 6月中旬 | 7月20日頃 | 6月29日頃 |
沖縄 | 5月5日 | 5月16日頃 | 5月10日頃 | 6月中旬 | 6月12日頃 | 6月21日頃 |
※梅雨入り・梅雨明けには平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間あり、表には移り変わりの期間の概ね中日を記載しています。
※「平年」は、1991年〜2020年の30年平均(入り・明けを特定しなかった年は除外)の日付です。
◆地方ごとの梅雨の天気傾向
地方 | 雨のピーク時期 | 雨量の傾向 | 天気傾向 |
東北北部 | 7月上旬 | 平年並か多い | 梅雨入りは東北北部・南部ともに平年より早い予想です。今年は7月になると太平洋高気圧が北への張り出しを強め、梅雨前線の北上が平年より早まる見通しです。このため、梅雨明けも東北北部・南部ともに平年よりかなり早くなる見込みです。 |
北陸 | 6月下旬 | 平年並 | 北陸の梅雨入りは平年より早い予想です。今年は7月になると太平洋高気圧が北への張り出しを強め、梅雨前線の北上が平年より早まる見通しです。このため、梅雨明けも平年より早くなる見込みです。 |
関東甲信 | 6月下旬 | 平年並 | 関東甲信の梅雨入りは平年より早い予想です。今年は7月になると太平洋高気圧が北への張り出しを強め、梅雨前線の北上が平年より早まる見通しです。このため、梅雨明けは平年よりかなり早くなる見込みです。 |
東海 | 6月下旬 | 平年並か多い | 東海の梅雨入りは統計史上二番目に早い5月16日でした。今年は7月になると太平洋高気圧が北への張り出しを強め、梅雨前線の北上が平年より早まる見通しです。このため、梅雨明けも平年よりかなり早くなる見込みです。 |
近畿 | 6月中旬〜下旬 | 平年並か多い | 近畿の梅雨入りは統計史上最も早い5月16日でした。今年は7月になると太平洋高気圧が北への張り出しを強め、梅雨前線の北上が平年より早まる見通しです。このため、梅雨明けも平年よりかなり早くなる見込みです。 |
中国 | 6月中旬〜下旬 | 平年並か多い | 四国・中国の梅雨入りは平年よりかなり早い5月15日でした。四国では統計史上最も早い、中国では統計史上二番目に早い梅雨入りとなりました。今年は7月になると太平洋高気圧が北への張り出しを強め、梅雨前線の北上が平年より早まる見通しです。このため、梅雨明けも平年よりかなり早くなる見込みです。 |
九州北部 | 6月中旬〜下旬 | 平年並か多い | 5月11日に九州南部が梅雨入りし、5月15日には九州北部が梅雨入りしました。いずれも平年よりかなり早く、統計史上二番目に早い梅雨入りとなりました。今年は7月になると太平洋高気圧が北への張り出しを強め、梅雨前線の北上が平年より早まる見通しです。このため、梅雨明けも九州南部・北部ともに平年よりかなり早くなる見込みです。 |
沖縄 | 5月下旬 | 平年並か少ない | 5月5日に沖縄・奄美が梅雨入りし、いずれも平年より早い梅雨入りとなりました。奄美の梅雨明けは7月にずれこんだ昨年よりかなり早く、平年と比べてもかなり早くなる予想です。沖縄の梅雨明けは昨年と同様で、平年より早い見込みです。 |