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ウェザーニューズ、2021年「桜の振り返り調査」の結果を発表

【桜の振り返り調査】桜前線が記録的な早さで北上、過去3年で最も短い見頃の長さに

〜三密を避けたお花見スタイルに地域差、都市部ほど“散歩派”が多数~

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 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開 千仁)は、スマホアプリ「ウェザーニュース」を通して「桜の振り返り調査」を実施し、その結果を発表しました(調査期間:西・東日本、東北南部:4/7〜4/14、東北北部:4/27〜5/4、北海道:5/6〜5/13)。本調査結果の詳細は、スマホアプリ「ウェザーニュース」やウェブサイトで公開するとともに、今後のサービスに活用していきます。

<ポイント>
1. 桜前線は記録的な早さで北上、開花・満開の最早記録が続出
2. 見頃期間は過去3年で最も短く、過半数が見頃の短さを実感
3. 三密を避けたお花見スタイル、都市部は“散歩”、地方は“ドライブ”が主流

▼2021年「桜の振り返り調査」はこちら
ウェザーニュースウェブサイト「桜の振り返り調査2021」
https://weathernews.jp/s/topics/202105/190185/

◆ 2021年の桜の開花の特徴
<開花の最早記録が続出、桜前線は記録的な早さで北上>

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 今年の桜の開花は全国的に平年より早く、気象庁がソメイヨシノの開花を発表している48地点のうち、その半数以上にあたる28地点で観測史上最も早い開花(タイ記録を含む)となりました。
 今年の冬は1月前半までは強い寒気が日本付近に南下し、西日本太平洋側でも雪の降った日がありました。この寒さの影響で、桜の花芽の休眠打破(※)が早い段階で行われたのではないかと考えられます。1月後半からは一転、全国的に平年よりも気温が高く経過しました。特に3月は北からの寒気の流れ込みが弱く、暖かい空気に覆われやすかったため、全国的にかなり高く、北・東・西日本ではそれぞれ平年差+3.0℃、+3.4℃、+2.9℃となり、1946年の統計開始以来3月として最も高い記録を更新しました。この記録的な暖かさの影響で、桜の花芽の生長も早く進んだと考えられます。
 休眠打破が早い段階で行われ、さらに記録的な暖かさで桜の花芽の生長が加速したため、今年の桜の開花は全国的に早く、記録的な早さになったところが多くなりました。

※休眠打破:夏から秋にかけて形成され、冬に一旦生長を止めていた桜の花芽(生長すると花になる芽)が、真冬の厳しい寒さに一定期間さらされることで目覚めること。

 

<開花から短期間で満開へ、新潟は開花後2日で満開に>

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 今年の桜は、開花が早かった影響で満開も早く、気象庁がソメイヨシノの満開を発表している48地点のうち、20地点で観測史上最も早い満開(タイ記録を含む)となりました。
 開花から満開までの日数を見てみると、2021年は北日本や北陸を中心に2020年や2019年よりも短くなったところが多くなりました。全国の平均日数で見ても、2021年は7.5日、2020年は8.1日、2019年は7.9日と、2021年は、過去3年で最も開花から満開までの日数が短くなりました。
 特に新潟では、3月29日に開花してからわずか2日後の3月31日に満開となりました。新潟で3月中に満開になったのは1953年の統計開始以来、初めてとなります。新潟の開花・満開前後の気温傾向を見てみると、開花直前は平年よりも気温の高い日が続いており、この暖かさの影響で、桜が一気に咲き揃ったと考えられます。また、2020年は暖冬の影響で休眠打破が遅れ、開花から満開まで18日もかかった鹿児島でも、今年は開花から13日で満開を迎えました。今年は休眠打破が順調に行われたことで、桜がより短時間で咲き揃ったのではないかと考えられます。

◆ 2021年「桜の振り返り調査」
<約6割がお花見に「行かなかった」と回答>

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 今年のお花見事情を調査するため、スマホアプリ「ウェザーニュース」を通じて今年お花見に行ったかを質問し、“行かなかった”“平日に行った”“土日に行った”の3択で回答していただきました(※)。全国7,158人の回答を集計した結果、“行かなかった”と回答した方が全体の58%となり、63%だった2020年より5ポイント減少したものの、約6割の方が今年もお花見に行かなかったことがわかりました。お花見に行った方の中では、“平日に行った”と回答した方が昨年よりも4ポイント増加しました。
 今年も新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、お花見に行かなかった方が多く、行った方の中でも、平日の通勤や買い出しなどの日常生活の中で桜を楽しんだ方が多いようです。また、回答した方のコメントを見てみると、「一気に咲いてタイミングを逃した」「思っていたよりも満開が早く、タイミングを逃した」といったコメントも寄せられており、記録的な開花・満開の早さの影響も少なからずあったようです。

※通勤時や買い出し途中などにある桜をみた場合もお花見と回答していただいています。

 

<見頃期間は過去3年で最も短く、過半数が見頃の短さを実感>

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 今年の桜の見頃の長さについて、「見頃の長さは?」と質問し、“長かった”“短かった”“例年通り”の3択から回答していただきました。全国6,043人の回答を集計した結果、54%の方が“短かった”と感じたことがわかりました。同様のアンケートを行なっていた2019年の結果と比べると、「長かった」と感じた方と「短かった」と感じた方が逆転する結果となっています。

 

 

 

 実際の見頃期間について、ウェザーニュースが発表している見頃シーズンの日数を比べてみると、2021年は全国的に見頃シーズンの日数が2019年よりも短い結果になりました。全国の見頃の平均日数は、2021年が5.9日間、2020年が8.9日間、2019年が7.7日間となり、2021年は2020年よりも3日短く、2019年よりも1.8日短かったことがわかります。
 特に、今年の東京の見頃シーズンの日数は5日間と、2019年の10日間と比べると大幅に短くなりました。東京の気温傾向を見てみると、今年は開花前から桜吹雪シーズン終了まで寒の戻りがなく、平年よりも気温の高い日が続いていたことがわかります。桜が開花してから散るまで、高温傾向で桜の生長が促され、見頃期間も短くなったと考えられます。

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※さくらのシーズンの定義について
「さくらプロジェクト」でウェザーニュースのユーザーが見守る約1万本の桜の生長状況をもとに、以下のように定義しています。
・開花シーズン :2割が開花した日
・見頃シーズン :9割が開花、3割が満開を迎えた日
・桜吹雪シーズン :散り始め+葉桜の割合が、満開+もうすぐ満開の桜の割合を上回った日
・葉桜シーズン :葉桜の割合が、散り始めの桜の割合を上回った日
※2020年は桜吹雪シーズンインがない/わからない状態だったのでグレーになっています。

 

<お花見は散歩スタイルが主流>

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 今年のお花見スタイルについて調査するため、「お花見された方へ、どんなスタイルでしましたか?」と質問し、“散歩がてら”“ドライブ・車窓から”“家や職場の窓から”“宴会や旅行”の4択から回答していただきました。全国6,068人の回答を集計したところ、“散歩がてら”が最も多く全体の59%、“ドライブ・車窓から”が二番目に多く30%、“家や職場の窓から”が10%、“宴会や旅行”と回答した方はわずか1%でした。今年は三密を避けたお花見スタイルだったことが伺えます。

 

 

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 回答を県別に見てみると、散歩派とドライブ派でエリアの違いが明らかになりました。“散歩がてら”と回答した方を都道府県別に見てみると、1位が東京都、2位が京都府、3位が大阪府と都市部が上位にランクインしました。一方、“ドライブ・車窓から”と回答した方を都道府県別に見てみると、1位が岩手県、2位が青森県、3位が宮崎県となりました。“散歩がてら”の上位は“ドライブ・車窓から”で下位に、“ドライブ・車窓から”の上位は「散歩がてら」で下位になっており、今年のお花見スタイルには地域差があったことがわかります。都市部ほど散歩でお花見を楽しむ方が多く、地方ではドライブでお花見を楽しむ方が多かったようです。

 

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 最後に、新型コロナウイルスの感染拡大が収束した後のお花見について「もし新型コロナが収束していたら、どんなお花見をしたいですか?」と質問したところ、今年のお花見スタイルと同様、半数以上の方が“散歩がてら”と回答したものの“宴会や旅行”と回答した方が全体の29%を占め、今年のお花見スタイルから大幅に増加しました。
 “宴会や旅行”と回答した方のコメントを見ると、「友人や知人と宴会しながら」「桜前線と一緒に南から北海道へ」など、親しい仲間とのお花見宴会や、遠方の名所への旅行を望む声が多く見られました、また、“散歩がてら”と回答した方のコメントでも、「マスクを外して桜の香りを楽しみながら」や「飲み物や食べ物を持ちながら」と言った感染を気にせずに桜を楽しみたいという声が寄せられていました。新型コロナウイルスの流行で昨年、今年と思うようなお花見ができませんでしたが、その分、収束後のお花見を楽しみにしている方が多いようです。

 

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