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ウェザーニューズ、「台風傾向2021」を発表
7月は沖縄方面へ、8月以降は本州への接近・上陸の危険性が高まる
~台風発生数は24個前後、8月をピークに10月まで多い見通し~
モバイル/インターネット > 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開 千仁)は、「台風傾向2021」を本日発表しました。今シーズンの台風は、7月は沖縄や朝鮮半島へ向かい、8月は西日本や北海道に接近する進路が多くなる予想です。9月以降、偏西風が南下してくる一方で、太平洋高気圧の西への張り出しが徐々に強まり、台風は平年よりもやや外回りの進路をとって沖縄〜本州付近へ向かうケースが多くなりそうです。関東に接近する可能性が高まるのもこのタイミングです。台風発生数は、平年並の24個前後となる見通しです。台風の発生は7月から増え始め、8月をピークに10月まで多いとみています。
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「ウェザーニュース」ウェブサイト「台風NEWS」 |
https://weathernews.jp/s/news/typh/ |
台風は7月は沖縄方面へ、8月以降は本州への接近・上陸の危険性が高まる
<台風の発生位置について>
8月ごろまでは、北西太平洋熱帯域、インド洋ともに海面水温は概ね平年並で推移し、台風の発生位置はフィリピンの東海上となるケースが多い予想です。9月から11月にかけては、太平洋熱帯域でラニーニャ現象に近い海面水温分布、またはラニーニャ現象が発生する可能性があり、インド洋東部では海面水温の高い海域が広がる可能性があります。この影響で、熱帯の対流活動が活発なエリアがフィリピンの東海上より西の、南シナ海~フィリピン近海にずれる見込みです。対流活動が活発なエリアでは多数の積乱雲が発生しやすく、これらの積乱雲が集まって台風となるため、台風の発生位置も西寄りとなります。この場合、海面水温が高い海域を通る時間が短くなったり、大陸へ向かう進路が多くなったりして、台風の発生から消滅までの寿命が短くなる傾向があります。
<月別の台風の進路について>
今シーズンの太平洋高気圧は、シーズン前半(〜8月)は概ね平年並の勢力となりますが、後半(9〜10月)は西への張り出しが強まる予想です(図1)。台風は高気圧の縁を時計回りに進むため、台風が発生した場合、7月は沖縄や朝鮮半島方面へ向かい、8月は西日本や北海道に接近する進路が多くなる予想です(図2)。ただ、太平洋高気圧の勢力が弱まった時期には、台風を動かす風が弱くなり、複雑な進路をとったり、動きが遅くなったりしながら日本付近に接近する可能性があります。
9月以降、偏西風が南下してくる一方で、太平洋高気圧の西への張り出しが徐々に強まる見込みです(図1)。発生場所もやや西へシフトし、台風は高気圧の縁を時計回りに進んで、平年よりもやや外回りの進路をとって沖縄〜本州付近へ向かうことが多くなりそうです(図2)。台風の上陸がなかった昨年と比較すると、インド洋全体の平年より高い海面水温は予想されておらず、今年は昨年より本州付近に接近しやすいため、台風の上陸、接近による風雨の影響に特に注意が必要です。
台風発生数は平年並の24個前後の予想
今シーズンの台風発生数は、平年(※1)並の24個前後の予想です(これまでに発生した3個を含む)。シーズン前半(~8月)は、北西太平洋熱帯域とインド洋の海面水温が概ね平年並となるため、台風発生数も平年並の予想です(図3)。一方、シーズン後半(9~11月)は、太平洋熱帯域でラニーニャ現象に近い海面水温分布、またはラニーニャ現象が発生する可能性があります。また、インド洋東部では海面水温が高くなる可能性があります。両者が発生した場合、南シナ海〜フィリピン近海では対流活動が活発になる一方、フィリピン東海上の対流活動はやや抑制されるため(図4)、後半の台風発生数も平年並となる予想です。このため、シーズン全体としての台風発生数は平年並とみています。台風の発生は7月から増え始め、8月をピークに10月まで多いとみています。
1951年以降、エルニーニョ監視海域(NOAA/米海洋大気局)の予想海面水温とインド洋の予想海面水温が、今年の予測と類似している年は、4例(1989、1996、2000、2011年)です。各年の台風発生数は21~32個とばらつきが大きいですが、平均は25.5個と平年並でした。
類似年と今年の台風発生数(月別・年間)
台風発生数(個) | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年間 |
2021年(※2) | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | — | — | — | — | — | — | — | 3 |
2011年 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 3 | 4 | 3 | 7 | 1 | 0 | 1 | 21 |
2000年 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 5 | 6 | 5 | 2 | 2 | 1 | 23 |
1996年 | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 | 0 | 6 | 5 | 6 | 2 | 2 | 1 | 26 |
1989年 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 2 | 7 | 5 | 6 | 4 | 3 | 1 | 32 |
平年 | 0.3 | 0.3 | 0.3 | 0.6 | 1.0 | 1.7 | 3.7 | 5.7 | 5.0 | 3.4 | 2.2 | 1.0 | 25.1 |
※1 平年値について
令和3年5月19日から、統計期間1991〜2020年の新しい平年値の使用が開始されました。台風の発生数・接近数・上陸数も旧平年値(統計期間1981〜2010年)から新平年値へと変更されています。台風の年間発生数は25.6個から25.1個と若干減少しましたが、接近数は11.4個から11.7個へ、上陸数は2.7個から3.0個へと若干増えています。
※2 2021年は、6月8日現在の発生数です。
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