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ウェザーニューズ、全国約3,000本の桜の健康状態を調査

【桜の健康診断2021】健康状態は過去最悪の昨年とほぼ同じ

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 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開 千仁)は、毎年美しい姿で楽しませてくれる桜を見守り、桜を大切にする気持ちを広く育むことを目的として、スマホアプリ「ウェザーニュース」を通じて桜の健康状態をチェックする調査「桜の健康診断2021」を実施し、本日、結果を発表しました。桜の健康診断では、桜の健康状態に関する6つの質問に答えていただき、その結果から健康度を指数化し、「優良(+)」から「生育不良(-)」の12段階で判定します。

『桜の健康診断2021』結果詳細はこちら

ウェザーニュースウェブサイト「桜の健康診断2021」
https://weathernews.jp/s/topics/202106/110275/

「桜の健康診断」概要

・エリア:46都道府県(沖縄を除く)
・調査期間:2021年2月16日〜5月26日
・参加人数:2,997人
・質問項目:6項目
(「日当たり」、「樹形」、「花の咲き方」、「幹の状態」、「樹皮の状態」、「花数」)
・評価:12段階
(優良(+):1.00~1.25/優良:1.26~1.50/優良(-):1.51~1.75/正常(+):1.76~2.00/正常:2.01~2.25/正常(-):2.26~2.50/やや生育不良(+):2.51~2.75/やや生育不良:2.76~3.00/やや生育不良(-):3.01~3.25/生育不良(+):3.26~3.50/生育不良:3.50~3.75/生育不良(-):3.76~)

※対象とする桜は、エゾヤマザクラやチシマザクラなどソメイヨシノ以外も含んでいます。

 

桜の健康状態は過去最悪の昨年とほぼ同じ

※クリックすると拡大します

 全国2,997人から寄せられた回答を集計した結果、今年の桜の健康度は全国平均で1.74となり、「優良(-)」の判定でした。桜の健康状態は年々悪化傾向にありますが、2021年は2020年から大きな変化はありませんでした。

 

 

 

 

 桜の健康度の12段階評価を細かく分類して昨年と比較してみると、「優良(+)」、「優良」、「優良(-)」、「正常(-)」、「やや生育不良」、「生育不良」の比率についてはほぼ変化はみられませんでしたが、「正常(+)」は昨年より8ポイント増加し、「正常」が9ポイント減少していました。一方都道府県ごとの桜の健康度のランクをみると、全体的にオレンジの「正常(+)」が増加したことがわかります。2020年と比較してみると、「正常(+)」に判定された県が11県増加していました。全国で見ると健康度の変化はなかったものの、細かく見てみると健康度の変化があったことがわかります。
 健康度が低下しても、1〜2年単位ではほとんど変化に気が付きませんが、衰退が5年も続くと太い枝が2〜3本は枯れるなどの影響があります。そのため、来年以降も引き続き桜の健康状態の変化に注意が必要です。

※2020年、2021年について報告が一定数に満たなかった都道府県は灰色で表示しています。

 

❇︎日本花の会 樹木医 和田博幸氏からのコメント

 全般的には健康度は前年と大きな変化がなかったように思います。12段階評価や健康度の評価でワンランクの違いの増減は見られますが、あまり問題にならないと思われます。
 2018年、19年と大きな台風が襲来し、桜はある程度その影響を受けて枝葉が損傷し、健康度が低下しました。昨年は台風の被害がほとんどなかったことで、桜自体は前々年や前年に折れた枝等の修復を行なったのが、昨年の夏だったと思われます。今年も台風シーズンに大きな台風がなく、夏の暑さも異常高温にさえならなければ、健康度は上向くことが予想されます。
 桜をもう一度観察していただき、葉がたくさんついているようならば、期待は大きいでしょう。このようなことを想像しながらこれからも観察を続けて欲しいと思います。

 ソメイヨシノの寿命は60年と言われています。ソメイヨシノは戦後に多く植えられたため、当時植えられたものはすでに寿命を過ぎています。弱った桜・病気の桜が増えるのは自然のことです。しかし、病気の治療や土のマッサージなど適切な手当てを行うことで、桜の寿命を延ばすことができます。
 ウェザーニューズでは今後も、ユーザーの皆さんと一緒に桜の健康状態の変化を追いながら、桜を大切にする輪を広げていきます。

参考:『桜の健康診断2021』項目別の結果

<日当たり:日当たりの悪い桜が増加傾向>
 日当たりについて、“一日中よくあたる” “半日以上あたる” “半日あたらない” “ほとんどあたらない”の4項目から選択して頂きました。
 集計の結果、最も割合の高かった“一日中よくあたる”に注目すると、2021年は60%と昨年より若干回復したものの、“半日も当たらない“と“ほとんどあたらない“の割合が9年で最も多くなり、全体で見ると過去最低の結果となりました。

 

 

<樹形:樹形の崩れが徐々に進行>
 樹形(樹の立ち姿)について、“自然樹形を保っている” “自然樹形に近い” “樹形が崩れてきている” “自然樹形がほとんど崩れてる”の4項目から選択して頂きました。
 集計の結果、“樹形が崩れてきている” “自然樹形がほとんど崩れてる”を足した割合が過去で一番多くなりました。

 

 

 

<花の咲き方:回復した桜と悪化した桜が共存>
 花の咲き方について、“木全体にまんべんなく花が咲いている” “所々咲いていない枝がある” “特に上部に咲いていない枝が目立つ”の3項目から選択して頂きました。
 集計の結果、“木全体にまんべんなく花が咲いている” という回答が、昨年より少し回復している一方で“特に上部に咲いていない枝が目立つ”の回答が過去で一番多くなっています。

 

 

<幹の状態:過半数が不健康な状態が続く>
 幹の状態について、“穴や切られたアト、窪みは無い” “穴や切られたアト、窪みなどが少しある” “穴や切られたアト、窪みなどがかなり目立ち、もしくはキノコが生えている” “大きく切られたり、などがかなり目立ち、もしくはキノコが生えている”の4項目から選択して頂きました。
 集計の結果、穴や切られたアト、窪み、キノコなど、不健康な状態の回答が、6年続けて5割を超えています。また、“穴や切られたアト、窪みなどがかなり目立ち、もしくはキノコが生えている” “大きく切られたり、などがかなり目立ち、もしくはキノコが生えている”の回答を足した割合が10%を超えて、幹の状態がかなり悪い桜が増えていることがわかります。健康そうに見える幹でも、キノコが生えているものは中が腐っている可能性があり、専門家による診断が必要になります。

<樹皮の状態:健康状態の悪い割合が過去一番>
 樹皮の状態について、“生き生きしていて光沢がある/盛り上がるような部分があり、縦に割れている” “傷などほとんどない” “苔などが残っていたり、樹皮がはがれてカサカサしている” “苔に覆われた部分が多い。または、樹皮の損傷が激しい” の4項目から選択して頂きました。
 集計の結果、“生き生きしていて光沢がある/盛り上がるような部分があり、縦に割れている” の割合が増えた一方で、“苔に覆われた部分が多い。または、樹皮の損傷が激しい” の割合が過去一番に多くなっています。苔はあまり害にならないと思われますが、樹皮がはがれてカサカサしていたり、損傷が激しい場合、土の中の通気性が悪く、桜の生長が止まっている可能性があります。

<花数:「5個以上」の割合が昨年より増加>
 花の数について、“5個以上” “3〜4個” “2個” ”1個”の4項目から選択して頂きました。
 集計の結果、昨年より”5個以上”の割合が増加しましたが、“2個””1個”の割合も2013年に次いで多く健康状態の悪い桜も増えていることがわかります。

 

 

参考:都道府県別、健康度ランキング

2021年

2020年

順位

都道府県

健康度

判定

順位

都道府県

健康度

判定

1位

山梨県

1.48

優良

1位

宮城県

1.46

優良

2位

高知県

1.51

優良(-)

2位

鳥取県

1.48

優良

3位

愛媛県

1.53

優良(-)

3位

香川県

1.54

優良(-)

4位

鹿児島県

1.56

優良(-)

4位

三重県

1.58

優良(-)

5位

青森県

1.58

優良(-)

5位

山梨県

1.6

優良(-)

6位

富山県

1.58

優良(-)

6位

広島県

1.61

優良(-)

7位

兵庫県

1.62

優良(-)

7位

熊本県

1.65

優良(-)

8位

群馬県

1.64

優良(-)

8位

福井県

1.65

優良(-)

9位

福岡県

1.66

優良(-)

9位

新潟県

1.67

優良(-)

10位

長崎県

1.66

優良(-)

10位

大分県

1.67

優良(-)

11位

埼玉県

1.66

優良(-)

11位

福岡県

1.67

優良(-)

12位

神奈川県

1.67

優良(-)

12位

埼玉県

1.68

優良(-)

13位

島根県

1.68

優良(-)

13位

島根県

1.68

優良(-)

14位

奈良県

1.68

優良(-)

14位

奈良県

1.69

優良(-)

15位

新潟県

1.68

優良(-)

15位

静岡県

1.69

優良(-)

16位

香川県

1.69

優良(-)

16位

山口県

1.69

優良(-)

17位

山形県

1.7

優良(-)

17位

茨城県

1.7

優良(-)

18位

宮城県

1.72

優良(-)

18位

群馬県

1.7

優良(-)

19位

栃木県

1.74

優良(-)

19位

東京都

1.73

優良(-)

20位

秋田県

1.75

優良(-)

20位

長崎県

1.73

優良(-)

21位

石川県

1.76

正常(+)

21位

長野県

1.74

優良(-)

22位

大阪府

1.76

正常(+)

22位

千葉県

1.74

優良(-)

22位

佐賀県

1.76

正常(+)

22位

兵庫県

1.75

優良(-)

24位

東京都

1.77

正常(+)

24位

神奈川県

1.76

正常(+)

25位

長野県

1.78

正常(+)

25位

岡山県

1.77

正常(+)

26位

静岡県

1.78

正常(+)

26位

和歌山県

1.77

正常(+)

27位

三重県

1.79

正常(+)

27位

岐阜県

1.77

正常(+)

28位

山口県

1.79

正常(+)

28位

鹿児島県

1.78

正常(+)

29位

岩手県

1.8

正常(+)

29位

佐賀県

1.78

正常(+)

30位

京都府

1.8

正常(+)

30位

愛知県

1.81

正常(+)

31位

熊本県

1.8

正常(+)

31位

京都府

1.82

正常(+)

32位

千葉県

1.81

正常(+)

32位

愛媛県

1.83

正常(+)

33位

大分県

1.81

正常(+)

33位

栃木県

1.83

正常(+)

34位

愛知県

1.81

正常(+)

34位

滋賀県

1.83

正常(+)

35位

滋賀県

1.85

正常(+)

35位

大阪府

1.88

正常(+)

36位

北海道

1.85

正常(+)

36位

北海道

2.03

正常

37位

茨城県

1.86

正常(+)

-

青森県

-

-

38位

岐阜県

1.9

正常(+)

-

岩手県

-

-

39位

岡山県

1.9

正常(+)

-

秋田県

-

-

40位

広島県

1.91

正常(+)

-

山形県

-

-

41位

福島県

1.93

正常(+)

-

福島県

-

-

42位

和歌山県

1.95

正常(+)

-

富山県

-

-

43位

宮崎県

1.95

正常(+)

-

石川県

-

-

-

福井県

-

-

-

徳島県

-

-

-

鳥取県

-

-

-

高知県

-

-

-

徳島県

-

-

-

宮崎県

-

-

全国平均

1.74

優良(-)

全国平均

1.74

優良(-)

※報告が一定数に満たなかった都道府県は「-」で表示しています。

 

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