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ウェザーニューズ、「ゲリラ豪雨」の予想発生回数を47都道府県別に発表

ゲリラ豪雨の総発生回数は昨年比1.2倍、ピークは8月中旬〜下旬

~日本海側を中心に湿った空気の影響を受けやすく、発生回数が増加~

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 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開 千仁)は、突発的かつ局地的に激しい雨や落雷をもたらす「ゲリラ豪雨」に対し、事前対策への意識を高め被害軽減につなげるため、「ゲリラ豪雨傾向2021」を発表しました。7〜9月のゲリラ豪雨は、全国でおよそ75,000回発生する予想です。昨年比1.2倍で、昨年の回数を上回る予想です。湿った空気が流れ込みやすい日本海側を中心に発生回数が多く、昨年の2倍以上の発生回数となるところもある予想です。発生ピークは8月中旬〜下旬で、天気の急変に特に注意が必要です。随時最新の雨情報をご確認ください。 
 毎年、突然の激しい雨や落雷による被害が全国各地で発生しています。ウェザーニューズでは、少しでも被害を減らすべく、継続的に情報を発信していきます。

▼「ゲリラ豪雨」に関する最新情報はこちら
ウェザーニュース「ゲリラ雷雨Ch.」
https://weathernews.jp/s/guerrilla/

ゲリラ豪雨発生傾向2021
<発生回数:全国の総発生回数は昨年比1.2倍>

 2021年7~9月のゲリラ豪雨(◆注1)は、全国でおよそ75,000回発生する予想です(◆注2)。昨年はおよそ62,000回発生しており、今年の発生回数は昨年比1.2倍で、昨年を上回る見込みです。
 日本海側を中心に発生回数が多くなる予想となっています。特に発生回数が多いのは、北海道(10,400回)、秋田県(2,500回)、石川県(1,600回)で、発生回数が昨年比2倍以上となるところもある見込みです。その他の人口の多いところでは、東京で1,200回、愛知で1,000回、大阪で400回となる見込みで、いずれも昨年並の回数となる予想です。
 雨雲の発生は山沿いがメインですが、平野部(都市部)にも流れ込んだり、直上で発生したりする場合があります。一回のゲリラ豪雨で、激しい雨による冠水や浸水、落雷による停電や交通機関のまひなど様々な被害が懸念されます。随時最新の雨情報をご確認ください。

<ピーク:発生ピークは8月中旬〜下旬の予想>

 ゲリラ豪雨は、太平洋高気圧が弱まって湿った空気が流れ込む時や、上空の寒気が通過し大気の状態が不安定になる時に発生しやすい現象です。今シーズンのゲリラ豪雨は、8月中旬〜下旬をピークに発生する見込みです。
 時期別の気象条件をみていくと、7月中旬から9月初めにかけて、日本付近は高気圧に覆われて晴れる日が多くなる予想です。ただ、本州日本海側を中心に高気圧の周囲をまわる湿った空気の影響を受けて、ゲリラ豪雨が発生しやすくなります。日差しが届いていても、天気の急変に注意が必要です。
 9月上旬からは秋雨前線や台風の影響を受けて、突発的かつ局地的なゲリラ豪雨の発生は減少していきます。9月中旬からは移動性の高気圧や前線の影響を交互に受けるようになり、ゲリラ豪雨のシーズンも終息に向かう見通しです。

7〜9月のゲリラ豪雨発生傾向

<要因:湿った空気が流れ込みやすい、日本海側で発生回数が増加>

 今シーズンは、太平洋高気圧の中心が日本の東に位置するため、高気圧の周囲をまわる暖かく湿った空気が、本州の日本海側に入りやすい状況となります。そのため、ゲリラ豪雨は昨年に比べ、西・東日本の日本海側や北日本で多くなる予想です。

エリア別のゲリラ豪雨傾向

北日本

 北日本のゲリラ豪雨の総発生回数は、約20,000回の予想です。12,579回発生した昨年と比べると、およそ1.6倍に増加します。発生ピークは8月下旬の見込みです。

 今年は高気圧の縁辺から流れ込む湿った空気の影響で、日本海側を中心にゲリラ豪雨の発生回数が多くなる見込みです。北海道の発生回数は昨年比2倍の約10,400回、秋田は昨年比1.9倍の約2,500回を予想しています。

 8月は湿った空気の影響を受けやすくゲリラ豪雨の発生回数が増えそうです。特に発生ピークとなる8月下旬は天気の急変に十分ご注意ください。9月上旬からは台風の影響を受ける可能性があるほか、次第に秋雨前線や移動性の高気圧の影響を受けるため、ゲリラ豪雨の発生回数は減少していきます。

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東日本

 東日本のゲリラ豪雨の総発生回数は、約25,000回の予想です。19,948回発生した昨年と比べると、およそ1.3倍に増加します。発生ピークは8月中旬〜下旬の見込みです。

 関東南部や甲信、東海では昨年とほぼ同程度となりますが、関東北部や北陸では発生回数が多くなる見込みです。群馬県の発生回数は昨年比1.9倍の約2,200回、石川県は昨年比2.3倍の約1,600回に増加する予想です。東京都(1,200回)や愛知県(1,000回)は昨年並の発生回数となりそうです。

 8月は湿った空気や日中の気温上昇により大気の状態が不安定になり、ゲリラ豪雨が発生しやすくなります。特に発生ピークとなる8月中旬〜下旬は天気の急変に十分ご注意ください。9月上旬からは台風の影響を受ける可能性があり、中旬からは秋雨前線や移動性の高気圧の影響を受けるため、ゲリラ豪雨の発生回数は減少していきます。

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西日本

 西日本のゲリラ豪雨の総発生回数は、約26,000回の予想です。23,550回発生した昨年と比べると、およそ1.1倍で同程度となる予想です。発生ピークは8月中旬〜下旬の見込みです。

 日本海側を中心にゲリラ豪雨の発生回数が多くなる見込みです。兵庫県の発生回数は昨年比1.7倍の約2,400回、福岡県は昨年比1.3倍の約1,300回を予想しています。

 8月は湿った空気や日中の気温上昇により大気の状態が不安定になり、ゲリラ豪雨が発生しやすくなります。特に発生ピークとなる8月中旬〜下旬は天気の急変に十分ご注意ください。9月上旬からは台風の影響を受ける可能性があり、中旬からは秋雨前線や移動性の高気圧の影響を受けるため、ゲリラ豪雨の発生回数は減少していきます。

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◆注1. 「ゲリラ豪雨」について
 ウェザーニューズでは減災を目指す上でより広く認知いただくため、一般あるいはメディアでよく使用されている「ゲリラ豪雨」を局地的大雨を指す言葉として使用しています。

◆注2. 「ゲリラ豪雨」発生回数の求め方
 「ゲリラ豪雨」をもたらす雨雲・雷雲は、予測可能な前線による雨雲とは異なり、“突発的”かつ“局地的”に発達するのが特徴です。また、限られた数しか設置されていないアメダス(全国約1,300か所)では、全ての降雨を正確に観測することは困難です。そこで当社では、スマホアプリ「ウェザーニュース」のユーザーから寄せられた“ザーザー”以上の降雨報告(◆注3)と、その時の気象データの分析結果から、ユーザーがゲリラ豪雨と感じる雨の時間変化の基準値(表1)を求め、求めた基準値をもとにゲリラ豪雨をカウントしています。
時間(分前)
閾値
120〜50
0mm/h以下
40〜30
1mm/h以下
20
3mm/h以下
10
14mm/h以下
0
11mm/h以上
表1:「ゲリラ豪雨」判定基準

◆注3. 降雨報告について
 スマホアプリ「ウェザーニュース」を通し、“ポツポツ”、“パラパラ”、“サー”、“ザーザー”、“ゴォー”の5段階で報告されます。

 

都道府県別のゲリラ豪雨傾向

エリア
都道府県
発生回数(回)
2020年比(倍)
2021年
2020年
北日本
北海道
10,400
5,102
2.0
青森県
1,100
888
1.2
秋田県
2,500
1,299
1.9
岩手県
2,000
1,557
1.3
山形県
1,300
952
1.4
宮城県
1,100
749
1.5
福島県
2,100
2,032
1.0
東日本
茨城県
900
835
1.1
栃木県
2,000
1,301
1.5
群馬県
2,200
1,161
1.9
千葉県
900
954
0.9
東京都
1,200
1,243
1.0
埼玉県
800
532
1.5
神奈川県
500
496
1.0
山梨県
1,000
781
1.3
長野県
2,500
2,396
1.0
静岡県
1,700
1,683
1.0
愛知県
1,000
1,150
0.9
岐阜県
2,100
2,295
0.9
三重県
2,600
1,184
2.2
新潟県
2,000
1,801
1.1
富山県
1,200
774
1.6
石川県
1,600
697
2.3
福井県
900
665
1.4
西日本
滋賀県
600
768
0.8
京都府
900
923
1.0
奈良県
800
795
1.0
兵庫県
2,400
1,420
1.7
大阪府
400
351
1.1
和歌山県
900
1,054
0.9
鳥取県
900
690
1.3
島根県
1,400
1,048
1.3
岡山県
1,200
1,210
1.0
広島県
2,100
1,595
1.3
山口県
1,500
1,160
1.3
香川県
400
280
1.4
徳島県
900
666
1.4
愛媛県
1,000
1,206
0.8
高知県
1,100
1,572
0.7
福岡県
1,300
963
1.3
大分県
1,300
949
1.4
佐賀県
700
475
1.5
長崎県
1,600
1,549
1.0
熊本県
1,600
1,386
1.2
宮崎県
1,800
1,562
1.2
鹿児島県
1,300
1,928
0.7
南西諸島
沖縄県
3,000
5,406
0.6
全国(合計)
74,700
61,483
1.2
※本傾向は、ウェザーニューズの長期予報と類似年の過去データを元に、統計的に算出したものです。
※発生回数は7月1日~9月30日の期間で算出しています。

 

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