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東日本大震災から11年、全国9,495人と「減災調査2022」を実施

災害時の情報入手はスマホへ、若者ほどテレビ・ラジオ離れが顕著

〜非常食の平均備蓄日数は過去最高に、相次ぐ災害や続くコロナ禍で備蓄意識が加速か〜

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株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開 千仁)は、いざという時の避難行動や災害対策の一助とすることを目的として、防災・減災への意識の実態や変化を調査する「減災調査2022」を実施し、結果を発表しました。本調査は2月24日から27日にかけてウェザーニュースのアプリやウェブサイトを通じて行い、9,495人にご参加いただきました。
回答を集計した結果、災害の情報入手はスマホを使う方の割合が年々増加し、全体の6割を超えました。若い世代ほどスマホの割合が多くてテレビやラジオの割合が少なく、近年のテレビ離れを反映した結果となっています。また、避難場所の認知や非常食に対する意識は向上傾向にあり、平均備蓄日数は2010年の調査開始以来最高となりました。特に2019年からの伸びが大きく、相次ぐ災害や続くコロナ禍で、備蓄への意識が加速したのではないかと考えられます。
本調査結果は、ウェザーニュースのアプリまたはウェブサイト「減災調査2022」からご覧いただけます。なお「東日本大震災の記録」サイトでは2012年からの減災調査の結果とデータを公開しています。自然災害の調査研究、各機関の防災・減災活動ならびに自助・共助活動などにお役立てください。ウェザーニューズでは、今後も「減災調査」を継続的に行い、気象・防災に関する情報発信やコンテンツ開発につなげてまいります。

「減災調査2022」の結果はこちら調査データのダウンロードはこちら

「減災調査2022」まとめ
https://weathernews.jp/s/topics/202203/070125/

「東日本大震災の記録」サイト
https://weathernews.jp/quake_tsunami_311/

 

災害の情報入手は6割がスマホ、若い世代ほどテレビ・ラジオ離れが顕著

 災害が発生した際の情報入手の方法について「災害の情報入手の際、まず何を使いますか?」と質問し、「防災無線」「パソコン」「スマホ」「テレビ」「ラジオ」から選択していただきました。
 回答を集計した結果、「スマホ」63%、「テレビ」16%、「ラジオ」12%、「防災無線」5%、「パソコン」4%となり、スマホがテレビやラジオに大きく差をつけ、多くの方の情報源となっていることがわかりました。

 2020年からの変化を見てみると、スマホの割合が年々増加していることがわかります。年代別に見てみると、若い世代ほどスマホの割合が多くてテレビやラジオの割合が少なく、若者のテレビ・ラジオ離れを反映した結果となりました。また60代以上の方でも半数以上がスマホを主な情報源としていることがわかりました。
 近年、SNSやスマホの通知サービスが急速に普及し、自治体からの情報発信や被害状況の把握にも活用されてきています。スマホやインターネットは、場所を選ばずリアルタイムの情報が得られることが大きな利点です。一方で被害が広範囲に渡るような災害や、大規模な停電の発生時には、回線の混雑や電源が切れてスマホが使えなくなる場合も考えられます。いざという時に備え、複数の情報源を準備しておくことも大切です。

避難場所の認知は向上傾向も、避難経路や会社や学校周辺の避難に課題

 避難場所の認知について「自宅付近の避難場所を知っていますか?」と質問し、「経路も場所も知っている」「場所だけ知っている」「知らない」から選択していただきました。
 回答を集計した結果、「経路も場所も知っている」と「場所のみ知っている」と答えた方を合わせて9割以上の方が自宅近くの避難所を知っていることがわかりました。ただ「経路も場所も知っている」と回答した方は約7割に止まり、4人に1人は避難場所を知っていても経路までは確認できていないことがわかります。また「会社や学校付近の避難場所を知っていますか?」と質問し、同じ選択肢で回答していただくと、「避難場所を知っている」と答えた方は約7割で、自宅付近と比べると2割ほど減少する結果となりました。自宅周辺の避難所の認知が高い一方で、会社や学校付近の避難所の認知はまだまだ十分ではないことがわかります。

 2018年からの認知の変化を見てみると、自宅付近の避難場所は2020年に微増、会社や学校付近の避難場所は2021年に微増していることがわかります。2020年からのコロナ禍で外出自粛や在宅勤務で自宅に居る時間が増えたことや、2021年には東日本大震災から10年の節目をきっかけに、防災への意識が高まったのではないかと考えられます。

非常食の平均備蓄日数は過去最高に、相次ぐ災害や続くコロナ禍で備蓄意識が加速か

 非常食の蓄えについて「非常食、何日分備えていますか?」と質問し「約1日分」「約3日分」「約1週間分」「用意していない」から選択していただきました。
 回答を集計した結果、8割近くの方が非常食を準備していると回答し、平均備蓄日数は2010年の調査開始以来最高の3.09日となりました。県別に見てみると太平洋側で特に意識が高いことがわかります。
 平均備蓄日数の変化を見てみると、2017年から右肩上がりで増加しており、特に2019年から日数が大きく増加しています。本調査は毎年2月または3月に行っています。2018年の西日本豪雨、2019年の台風15号、台風19号など、相次ぐ豪雨や台風による大規模な浸水や長期の停電の経験に加え、2020年からのコロナ禍で備蓄の意識が加速したのではないかと考えられます。

参考資料:都道府県別の調査結果

 非常食、何日分備えていますか?平均備蓄日数
約1日分約3日分約1週間分用意していない
北海道12%42%26%21%3.16
青森県11%42%24%24%3.02
岩手県10%40%28%22%3.25
宮城県7%42%31%20%3.52
秋田県6%42%28%25%3.25
山形県4%37%20%39%2.55
福島県5%35%33%26%3.44
茨城県9%44%27%20%3.27
栃木県8%39%26%27%3.09
群馬県15%39%24%22%2.99
埼玉県12%42%26%21%3.17
千葉県10%47%24%19%3.20
東京都9%44%27%20%3.30
神奈川県11%45%27%17%3.37
新潟県8%35%20%37%2.55
富山県16%35%17%33%2.40
石川県8%40%18%33%2.57
福井県16%50%10%24%2.36
山梨県9%46%22%23%2.98
長野県10%36%27%28%3.03
岐阜県11%47%23%19%3.13
静岡県11%42%28%19%3.33
愛知県15%45%18%23%2.71
三重県14%39%20%27%2.70
滋賀県12%40%22%25%2.90
京都府8%41%27%25%3.18
大阪府10%43%22%25%2.91
兵庫県11%39%24%25%2.98
奈良県20%38%22%20%2.85
和歌山県10%39%32%19%3.53
鳥取県10%39%26%26%3.06
島根県15%26%26%33%2.72
岡山県14%36%22%29%2.73
広島県10%31%24%35%2.69
山口県10%46%15%30%2.51
徳島県9%50%16%25%2.69
香川県9%44%21%26%2.88
愛媛県8%42%18%32%2.62
高知県15%44%26%15%3.26
福岡県10%40%18%33%2.53
佐賀県8%40%21%32%2.74
長崎県8%35%14%43%2.08
熊本県12%34%29%25%3.17
大分県16%34%17%34%2.35
宮崎県6%54%27%14%3.56
鹿児島県13%38%21%28%2.72
沖縄県17%24%22%37%2.44
※小数点第一位を四捨五入しているため、各割合の合計が100%にならない場合があります。
※都道府県別の詳しいデータは「東日本大震災の記録」サイトから取得いただけます。

 

 本調査結果は、ウェザーニュースのアプリまたはウェブサイト「減災調査2022」からご覧いただけます。なお「東日本大震災の記録」サイトでは2012年からの減災調査の結果とデータを公開しています。自然災害の調査研究、各機関の防災・減災活動ならびに自助・共助活動などにお役立てください。ウェザーニューズでは、今後も「減災調査」を継続的に行い、気象・防災に関する情報発信やコンテンツ開発につなげてまいります。

▼「減災調査2022」まとめ
https://weathernews.jp/s/topics/202203/070125/

▼調査データのダウンロードはこちら
https://weathernews.jp/quake_tsunami_311/

 

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