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2023年のスギ・ヒノキ花粉はどうなる?ウェザーニューズ「第一回花粉飛散傾向」を発表
【第一回花粉飛散傾向】来春の花粉飛散量は関東から西で前年より増加傾向、北日本は減少
西日本を中心に雄花の生育に適した夏に 花粉の飛散が多い「表年」傾向で飛散量増
モバイル/インターネット >株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開 千仁)は、2023年春の花粉シーズンに向け、「第一回花粉飛散傾向」(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)を発表しました。2023年春の花粉の飛散量は、関東から西のエリアでは2022年よりも多くなる予想で、2022年比で3倍以上の飛散量になる地域もあります。一方、2022年に飛散量が多かった北日本や北陸エリアでは飛散量が減少し、2022年の50%を下回る地域もありそうです。飛散量が増えるエリアでは2022年よりも花粉症の症状が重くなるおそれがありますので、対策をシッカリと行ってください。
なお、次回の「第二回花粉飛散傾向」は、12月上旬の発表を予定しています。
▼ウェザーニュースウェブサイト「第一回花粉飛散傾向」
https://weathernews.jp/s/topics/202210/030135/
2023年「第一回花粉飛散傾向」
来春の花粉飛散量の傾向:関東以西は前年を上回る予想
2023年春の花粉飛散量は北日本や北陸で2022年より少なくなるものの、関東や東海、西日本では多くなる予想です。西日本では2022年の1.7倍程度で、3倍以上の飛散量になる地域もあります。一方、2022年に飛散量が多かった北日本や北陸エリアでは飛散量が減少し、2022年の50%を下回る地域もあると見ています。
平年比(2013〜2022年の飛散量平均との比較)でも西日本はやや多く、北日本はやや少ない予想です。東日本は概ね平年並で、全国平均では約112%となる予想です。
飛散量予想の根拠:2022年夏の天候と年ごとの増減傾向
花粉の飛散量予想は、主に前年の夏の天候と年ごとの飛散量の増減傾向を基に算出しています。2023年の飛散量予想の背景は以下の通りです。
〜西日本は高温多照で雄花の生育に適した夏に〜
前年の夏に十分な日照があり、気温が上がるほど花粉の発生源となる雄花の生育が活発になる傾向があります。よく晴れた暑い夏ほど光合成が盛んになるためです。
2022年6月は梅雨前線が本州の南の海上に停滞する日が多く、西・東日本を中心に日照時間が平年を上回りました。下旬になると太平洋高気圧が張り出して梅雨前線が北日本周辺まで北上し、西・東日本では記録的な猛暑となり、平均気温も高くなりました。7月に入ると西・東日本は低気圧や前線の影響を受ける日が多くなり、日照時間は平年並にとどまりました。一方、北陸や北日本では高気圧に覆われる日が多く、日照時間は平年を上回りました。暖かい空気に覆われる日が多く、平均気温は全国的に高く、特に北日本ではかなり高くなりました。8月は低気圧や前線、台風の影響を受け、北日本や東日本で曇りや雨の日が多くなりました。日照時間は平年を下回った一方、気温は平年並でした。西日本では日本海側で日照時間が少なかったものの、太平洋側を中心に晴れる日が多くなり、日照時間は平年並~平年より多くなりました。西日本では平均気温も平年を上回りました。
2022年夏の天候を総合すると、暖かい空気に覆われた日が多くなったため、平均気温は全国的に平年を上回りました。北日本では日照時間が平年をやや下回り、雄花の生長にはやや不向きな天候となりました。東日本の日照時間は概ね平年並でした。西日本では太平洋側を中心に日照時間が平年を上回り、雄花の生長には適した天候となりました。
〜2023年は西日本を中心に花粉の飛散が多い「表年」に〜
花粉の飛散量は周期的に増減し、花粉の飛散が多い期間と少ない期間が交互に訪れる傾向があります。飛散量が多い年を「表年」、少ない年を「裏年」と呼びます。エリアによって増減の周期は異なり、「表年」「裏年」も異なります。夏の天候の影響で「表年」「裏年」の区別が不明確になる年もあります。
2022年は北日本や北陸で飛散量が多くなり、特に東北北部では記録的な大量飛散となりました。その反動で2023年の飛散量は前年を下回り、「裏年」になると見込んでいます。一方、西日本では2022年の飛散量が前年を下回り、「裏年」となった地域が多くなりました。2023年は「表年」となり、飛散量が2022年の水準を上回る地域が多くなると予想しています。
エリア別の2023年花粉飛散傾向
都道府県別の2023年花粉飛散傾向
エリア | 都道府県 | 花粉飛散量 | 花粉飛散量 |
北海道 | 北海道 | 77 | 70 |
東北北部 | 青森県 | 28 | 71 |
岩手県 | 33 | 71 | |
秋田県 | 29 | 74 | |
東北南部 | 宮城県 | 48 | 64 |
山形県 | 46 | 75 | |
福島県 | 61 | 73 | |
関東・山梨 | 茨城県 | 121 | 113 |
栃木県 | 139 | 117 | |
群馬県 | 141 | 113 | |
埼玉県 | 127 | 114 | |
千葉県 | 155 | 113 | |
東京都 | 129 | 118 | |
神奈川県 | 103 | 110 | |
山梨県 | 119 | 89 | |
北陸・長野 | 長野県 | 123 | 114 |
新潟県 | 60 | 83 | |
富山県 | 70 | 78 | |
石川県 | 80 | 106 | |
福井県 | 75 | 97 | |
東海 | 静岡県 | 96 | 102 |
愛知県 | 125 | 110 | |
岐阜県 | 110 | 109 | |
三重県 | 154 | 98 | |
近畿 | 滋賀県 | 185 | 139 |
京都府 | 130 | 121 | |
大阪府 | 195 | 127 | |
兵庫県 | 130 | 115 | |
奈良県 | 175 | 105 | |
和歌山県 | 149 | 124 | |
中国・四国 | 岡山県 | 164 | 131 |
広島県 | 223 | 142 | |
鳥取県 | 96 | 125 | |
島根県 | 169 | 149 | |
山口県 | 162 | 146 | |
徳島県 | 277 | 157 | |
香川県 | 165 | 144 | |
愛媛県 | 225 | 170 | |
高知県 | 280 | 191 | |
九州 | 福岡県 | 101 | 116 |
佐賀県 | 115 | 127 | |
長崎県 | 116 | 118 | |
大分県 | 273 | 159 | |
熊本県 | 136 | 119 | |
宮崎県 | 358 | 147 | |
鹿児島県 | 187 | 130 | |
全 国 | 108 | 112 |
※ 平年:天候の平年は1991〜2020年の過去30年平均、花粉飛散量の平年は2013〜2022年の過去10年平均
※ 飛散量:花粉観測機「ポールンロボ」が観測すると想定される花粉数。過去のポールンロボの観測データをもとに予想を算出
参考:ウェザーニューズの花粉飛散傾向と観測網について
ウェザーニューズでは、全国のウェザーニュースアプリのユーザーと花粉の雄花の生育状況を調査する「雄花調査」の結果、これまで「花粉プロジェクト」で蓄積してきた花粉の観測データ、年ごとの飛散量傾向、今夏の天候をもとに来シーズンの花粉飛散傾向を発表しています。なお、「第二回花粉飛散傾向」は、飛散開始時期や飛散ピークについてまとめ、12月上旬に発表予定です。
ウェザーニューズの「花粉プロジェクト」は、花粉症の方々の役に立ちたい!という想いで、2005年から実施しているユーザー参加型の取り組みです。全国のご家庭や企業などに、独自開発した花粉観測機「ポールンロボ」を約1,000台設置し、空気中に含まれる花粉をリアルタイムに自動観測します。
ウェザーニューズは、日本最大級の花粉観測網とこれまでの蓄積データを活かし、予報精度向上を目指すと共に、アプリの利便性を高め、花粉症の方が少しでも楽に過ごせるようサポートしていきます。