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ウェザーニューズ、今夏のゲリラ雷雨の発生回数と特徴を発表

2022年のゲリラ雷雨は全国でおよそ7.6万回発生、昨年比約20%増

〜ゲリラ雷雨への遭遇率も増加、道路冠水や交通機関への影響、停電が発生〜

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株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、2022年夏のゲリラ雷雨(* 注1)の発生回数と、「ゲリラ雷雨まとめ調査」の結果を発表します。

<ポイント>
1. ゲリラ雷雨の発生回数は全国で合計75,680回、昨年比約20%増
2. 発生ピークは8月上旬〜中旬、梅雨明け後に集中して発生
3. 全国の2人に1人がゲリラ雷雨に遭遇、道路冠水や交通機関への影響、停電等の被害あり

▼ウェザーニュースウェブサイト「ゲリラ雷雨まとめ調査2022」
https://weathernews.jp/s/topics/202210/080145/

 

【1】 今夏のゲリラ雷雨の発生回数と特徴

発生回数:全国で合計75,680回発生

今年の夏(7月1日〜9月30日)の全国のゲリラ雷雨の発生回数(* 注2)は合計75,680回で、昨年(63,515回)の約1.2倍でした。都道府県別の回数で見ると、全国的に昨年並〜やや多い結果となっています。ゲリラ雷雨の発生回数が最も多かった都道府県は沖縄の5,783回、次いで北海道の5,446回となり、今年の東京は1,027回で、807回発生した昨年に比べると約1.3倍の発生回数でした。

 

発生時期:8月上旬〜中旬にピーク

月別に見ると、全国のゲリラ雷雨の発生回数は、7月27,683回、8月32,470回、9月15,527回となり、8月上旬から中旬に多く発生しました。
昨年の発生回数と比べると、7月と9月は昨年と同程度となりましたが、8月は昨年を上回り、昨年比で約1.5倍でした。

 

 

発生要因:梅雨明け後、前線に向かう湿った空気の影響で多く発生

今年のゲリラ雷雨の発生回数は7月と9月は昨年と同程度、8月は昨年比で多くなりました。
8月が多くなった要因は、日本海にある前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込みやすかったためです。大気の状態が不安定になり、ゲリラ雷雨が発生しやすい条件となりました。昨年は8月中旬から秋雨前線の影響を受けてゲリラ雷雨の発生回数が少なくなったこともあり、今年は昨年比で約1.5倍と多くなりました。
7月は太平洋高気圧が梅雨前線を押し上げ、晴れて梅雨明けを感じさせる日もありましたが、7月中旬を中心に低気圧や前線の影響で曇りや雨の日が多くなりました。晴れた日が多かった上旬ほど暖かく湿った空気の影響でゲリラ雷雨が発生しやすくなり、逆に中旬からは低気圧や前線による雨がメインで、突発的なゲリラ雷雨は少なくなりました。また、9月は高気圧の縁を回るように台風が北上して日本列島に接近、通過しました。台風通過後は高気圧に覆われて晴れた日が多くなったため、局地的・突発的な大雨であるゲリラ雷雨の発生回数はあまり多くならず、昨年並となったと考えられます。
7月に発表した「ゲリラ雷雨傾向2022」では、発生回数は全国でおよそ90,000回、ピークは8月上旬〜9月上旬と予想していました。予想よりも発生回数が少なくなった要因としては、8月は太平洋高気圧やチベット高気圧に覆われて雨雲が発生しても風が弱く発生場所が広がらなかったこと、また9月は度々の台風以外は晴れて空気の乾燥する日が多かったことが考えられます。

 

参考資料 :全国的なゲリラ雷雨多発日・影響の大きかった事例

日付
エリア
発生回数
要因
備考
7月5日
北日本
1,493
上空の寒気
上空5500m付近で-9℃の寒気が流入し、大気の状態が不安定になって活発な雨雲が発生・発達。
青森、北海道で記録的短時間大雨情報が発表された。
8月24日
東日本
(関東)
795
下層シア
(風のぶつかり合い)
下層シアがあり、活発な雨雲が発生・発達。
都心でも土砂降りの雨で鉄道ダイヤにも影響した。
8月25日
東日本
(東海)
675
下層シア
(風のぶつかり合い)
下層シアがあり、活発な雨雲が発生・発達。
主に東海で被害が発生し、交通機関にも影響した。
7月12日
西日本
1,383
上空の寒気
上空の寒気の影響で大気の状態が不安定になって活発な雨雲が発生・発達。
神戸市で63mm/hを観測。道路冠水も発生した。
7月8日
西日本
696
暖湿流
暖湿流の影響で活発な雨雲が発生・発達。
広島市で50mm/hを観測。山陽本線がストップした。
* 注1. 「ゲリラ雷雨」について
本プレスリリースでは、「局地的大雨」を指す言葉として「ゲリラ雷雨」という言葉を使用しています。一般あるいはメディアでよく使用されている「ゲリラ豪雨」と同義です。

* 注2. 「ゲリラ雷雨」発生回数の求め方
「ゲリラ雷雨」をもたらす雨雲・雷雲は“突発的”かつ“局地的”に発達するのが特徴で、予測が難しいとされてきました。また、限られた数しか設置されていないアメダス(全国約1,300か所)では、全ての降雨を正確に観測することは困難です。そこで当社では、スマホアプリ「ウェザーニュース」のユーザーから寄せられた“ザーザー”以上の降雨報告(* 注3)と、その時の気象データの分析結果から、ユーザーがゲリラ雷雨と感じる雨の時間変化の基準値(表1)を求め、求めた基準値をもとにゲリラ雷雨をカウントしています。
時間(分前)
閾値
120〜50
0mm/h以下
40〜30
1mm/h以下
20
3mm/h以下
10
14mm/h以下
0
11mm/h以上
表1:「ゲリラ雷雨」判定基準
 
* 注3. 降雨報告について
スマホアプリ「ウェザーニュース」を通し、“ポツポツ”、“パラパラ”、“サー”、“ザーザー”、“ゴォー”の5段階で報告されます。

 

【2】 2022年「ゲリラ雷雨まとめ調査」結果

9月23日〜10月3日にスマホアプリ「ウェザーニュース」を通じて、2022年のゲリラ雷雨を振り返る質問をし、全国103,671人の方々から回答をいただきました。

2人に1人以上がゲリラ雷雨に遭遇

「この夏、ゲリラ雷雨に遭遇した?(屋内で降られた場合も含む)」と質問したところ、“遭遇した”と回答した方は57.6%と、半数以上の方がゲリラ雷雨に遭遇していました。都道府県ごとの遭遇率を見てみると、関東以西で50%を超える県が多くなりました。
昨年の全国平均が55.1%だったのに対し、今年は2.5ポイント上昇し、昨年よりも発生回数が増えたことが遭遇率アップに繋がったと考えられます。

 

 

ゲリラ雷雨の被害、第1位は道路冠水、第2位は交通機関に影響、第3位は停電

“ゲリラ雷雨に遭遇した”と回答した方に、「ゲリラ雷雨で起きた被害は?」と質問したところ、半分弱(44.4%)の方が何かしらの被害にあったと回答し、昨年(39.6%)よりも4.8ポイント多くなりました。
具体的な被害の内容を複数回答で伺ったところ、“道路冠水”が22.2%で最も多く、次いで“交通機関に影響”(21.2%)、“落雷による停電”(10.0%)という結果になりました。

 

 

4人に1人がゲリラ雷雨で想定外の出費、出費額は昨年よりアップ

“ゲリラ雷雨に遭遇した”と回答した方に、「この夏、ゲリラ雷雨による想定外の出費は?」と質問したところ、4人に1人(24.6%)が何らかの出費があったと回答し、昨年(20.8%)よりも3.8ポイント多くなりました。一方出費額は全国平均で2,558円となり、昨年の2,364円よりも194円アップしました。
具体的な出費の内容を複数回答で伺ったところ、“傘など雨具の購入”が17.2%と一番多く、次いで“バス・タクシーを利用”(7.8%)、“雨宿りでお店に入り出費”(6.3%)という結果になりました。

今シーズンはゲリラ雷雨の発生回数が昨年よりも多くなり、被害を受けた方や想定外の出費をされた方も昨年よりも多くなりました。ウェザーニューズでは、ゲリラ雷雨による被害を少しでも減らすため、本調査結果を今後の対策に活かしていきます。

参考情報:エリア別のゲリラ雷雨発生回数

参考情報:都道府県別ゲリラ雷雨発生回数 ※集計期間:71日~930

 
2022年の発生回数(回)
2021年の発生回数(回)
2021年比(倍)
7月
8月
9月
合計
北海道
2520
2275
651
5446
4869
1.12
青森県
361
347
35
743
931
0.80
秋田県
580
953
28
1561
1891
0.83
岩手県
919
919
102
1940
1647
1.18
山形県
505
680
125
1310
1415
0.93
宮城県
399
433
172
1004
788
1.27
福島県
1421
970
283
2674
2475
1.08
茨城県
322
271
308
901
753
1.20
栃木県
652
317
214
1183
1373
0.86
群馬県
731
413
156
1300
1272
1.02
千葉県
175
418
360
953
650
1.47
東京都
255
386
386
1027
807
1.27
埼玉県
199
161
167
527
555
0.95
神奈川県
95
158
141
394
332
1.19
山梨県
319
224
167
710
612
1.16
長野県
1234
938
471
2643
2602
1.02
静岡県
415
673
535
1623
1540
1.05
愛知県
404
641
443
1488
1275
1.17
岐阜県
861
1168
742
2771
2613
1.06
三重県
398
886
500
1784
1388
1.29
新潟県
1028
1445
226
2699
1998
1.35
富山県
448
427
110
985
960
1.03
石川県
423
500
64
987
978
1.01
福井県
443
429
162
1034
870
1.19
滋賀県
343
458
152
953
701
1.36
京都府
484
736
233
1453
914
1.59
奈良県
379
635
298
1312
890
1.47
兵庫県
690
981
427
2098
1511
1.39
大阪府
169
253
147
569
342
1.66
和歌山県
349
520
442
1311
928
1.41
鳥取県
417
537
143
1097
679
1.62
島根県
723
676
281
1680
1110
1.51
岡山県
710
798
332
1840
1070
1.72
広島県
757
762
405
1924
1445
1.33
山口県
434
636
377
1447
1325
1.09
香川県
109
206
180
495
319
1.55
徳島県
261
423
231
915
710
1.29
愛媛県
374
425
411
1210
926
1.31
高知県
454
614
554
1622
1175
1.38
福岡県
593
695
234
1522
1480
1.03
大分県
528
633
288
1449
841
1.72
佐賀県
220
285
110
615
659
0.93
長崎県
472
872
203
1547
1484
1.04
熊本県
615
964
308
1887
1493
1.26
宮崎県
632
795
677
2104
1574
1.34
鹿児島県
1046
1381
733
3160
2667
1.18
沖縄県
1817
2153
1813
5783
4678
1.24
全国
27683
32470
15527
75680
63515
1.19

 

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