ニュース
第四回花粉飛散傾向を発表 花粉観測機「ポールンロボ」がスギ花粉の飛散を検知
1都13県でスギ花粉の飛散開始、来週にかけての高温で飛散が本格化
〜花粉症対策に、1時間ごとの花粉予報や通知サービスをアプリで無料提供〜
モバイル/インターネット >株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、花粉観測機「ポールンロボ」の花粉観測や、ウェザーニュースアプリのユーザーからの花粉症の症状報告を総合して、関東や九州など1都13県が2月13日までに「花粉シーズン」に入ったことを発表しました。来週にかけて西日本や東日本でスギ花粉の飛散エリアが急速に拡大する予想です。西日本と東日本ではスギ花粉の飛散開始後すぐに飛散が本格化し、3月上旬から中旬まで続きます。3月中旬になるとヒノキ花粉が増加し、3月下旬から4月中旬には西日本と東日本の各地でヒノキ花粉が本格的に飛散する見込みです。
一度飛散が始まると気温が低い日でも花粉が飛びやすくなります。また気温が15℃を上回り、風の強い日には大量飛散のおそれがあります。花粉症の症状が出る方はマスクや目薬などで万全の対策をとるようにしてください。外干しした布団や洗濯物は、よくはたいてから取り込むことが有効です。
なお、ウェザーニュースアプリの「花粉Ch.」では、1時間ごとのピンポイント飛散予報や、リアルタイムの飛散状況、通知サービスなどを無料で提供しています。花粉症対策にお役立てください。
<ポイント>
1. 暖冬で飛散開始が早まり、1月下旬から九州や中国、東海、関東の一部でスギ花粉の飛散開始
2. スギ花粉は2月中旬から、ヒノキ花粉は3月中旬から本格的に飛散
3. 夏の高温・多照で雄花の生育が促され、飛散量は全国的に平年並〜平年を上回る予想
▼スマホアプリ「ウェザーニュース」をダウンロード
https://weathernews.jp/app/
▼ウェザーニュースウェブサイト「花粉Ch.」
https://weathernews.jp/s/pollen/
<速報>1都13県で花粉シーズンに突入
2月13日に東京都が「花粉シーズン」に入りました。東京都では、昨年よりも1日遅い飛散開始です。2月7日に長崎県が「花粉シーズン」に入った後、徐々に花粉飛散のエリアが拡大しています。2月13日までに1都13県で花粉の飛散が始まったとみています。
▼各地の飛散開始日
2/7 長崎県
2/8 鹿児島県
2/9 福岡県、熊本県
2/10山口県、和歌山県、静岡県
2/11 宮崎県、佐賀県、愛媛県
2/12 大分県、埼玉県
2/13 東京都、神奈川県
スギの雄花は暖かくなると花粉を飛ばし始め、特に風が強い日は飛びやすくなります。今冬は低気圧と高気圧が周期的に通過することで寒気と暖気が入れ替わり、気温の変動が大きくなっています。低気圧と高気圧が入れ替わるタイミングでは風も強く吹きやすいことから、比較的気温が高い九州で2月上旬から花粉が飛散し始め、関東でも気温が上がり風が強く吹いた13日に飛散が多くなったと考えられます。
<花粉シーズン開始判断の目安>
・花粉が飛びそうな日に、各都道府県で3割以上のポールンロボが2日以上10個を上回る花粉を観測
・ウェザーニュースアプリのユーザーからの花粉症の症状報告、周辺の研究機関や病院などのダーラム観測データ
以上をもとに、総合的に判断しています。
来週にかけて西・東日本にスギ花粉の飛散エリアが急速に拡大
2月中旬から下旬にかけて日本の周辺を低気圧と前線が次々と通過し、断続的に暖気が流れ込みます。ここ数日の暖かさは週後半になると一度収まりますが、18日頃には再び春本番を思わせる暖かさになる予想です。気温の上昇に加えて前線通過などによって風も強まり、花粉が飛びやすくなります。今後20日にかけてスギ花粉のエリアは西日本・東日本・東北南部で急速に拡大し、2月下旬から3月上旬には東北北部の一部でもスギ花粉の飛散が始まるとみています。
西・東日本ではスギ花粉の飛散開始後すぐに本格化、3月中旬からはヒノキ花粉が増加
西日本、東日本ではスギ花粉の飛散開始後、まもなく飛散が本格化する予想です。特に20日にかけては気温が高く、各地でスギ花粉が本格的に飛び始め、九州では3月上旬にかけて、その他の西日本や東海、関東では3月中旬にかけて、本格的な飛散が続く予想です。北陸や東北南部では2月下旬から3月下旬に、東北北部では3月上旬からよ4月中旬にスギ花粉が本格的に飛散する見込みです。また、西日本や東日本では3月中旬になるとスギ花粉の飛散量は徐々に減少し、代わってヒノキ花粉の飛散が増加します。3月下旬から4月中旬には西日本や東日本の各地で、ヒノキ花粉が本格的に飛散する見込みです。北海道でシラカバ花粉の飛散が本格化するのは4月下旬〜5月中旬の予想で、ちょうどゴールデンウィークと重なる可能性があります。
<飛散量:全国的に平年並〜平年を上回る予想>
夏の高温・多照で雄花の生育が促されたため、花粉飛散量は平年と比べると近畿から東北では平年をやや上回るエリアが多く、九州南部と中国・四国では平年並のエリアが多くなります。北海道では平年の約2倍と飛散量が多くなる予想です。全国平均では平年比で125%となる予想です。
2023年と比べると、北日本の一部では2023年を大きく上回るものの、その他のエリアでは広範囲で2023年を下回る予想です。2023年の飛散量が記録的に少なかった北海道ではその反動で2023年の約6倍の飛散量になる予想です。一方、2023年に飛散量が多かった西日本や関東では飛散量が減少し、2023年の半分程度になる地域もあるとみています。全国平均では2023年比で67%となる予想です。
* 第三回花粉飛散傾向(1/17発表)から飛散量予想の変化はありません。
詳細は「第三回花粉飛散傾向」をご覧ください。
/news/45608/
* 本プレスリリースでは、以下のように定義しています。
天候の平年 :1991〜2020年の過去30年平均
花粉飛散の平年:2013〜2022年の過去10年平均
都道府県別の2024年花粉飛散傾向
エリア | 都道府県 | 花粉飛散量 | 花粉飛散量 | 花粉シーズン | 花粉シーズン |
北海道 | 北海道 | 593 | 202 | 4月中旬 | 6月上旬 |
東北北部 | 青森県 | 186 | 140 | 3月上旬 | 4月下旬 |
岩手県 | 99 | 140 | 2月下旬 | 4月下旬 | |
秋田県 | 197 | 158 | 2月下旬 | 4月下旬 | |
東北南部 | 宮城県 | 71 | 149 | 2月中旬 | 4月下旬 |
山形県 | 74 | 122 | 2月下旬 | 4月下旬 | |
福島県 | 46 | 118 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
関東・山梨 | 茨城県 | 53 | 122 | 2月中旬 | 4月下旬 |
栃木県 | 48 | 123 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
群馬県 | 51 | 112 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
埼玉県 | 88 | 121 | 2/12 | 4月下旬 | |
千葉県 | 75 | 122 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
東京都 | 72 | 117 | 2/13 | 4月下旬 | |
神奈川県 | 59 | 113 | 2/13 | 4月下旬 | |
山梨県 | 80 | 137 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
北陸・長野 | 長野県 | 106 | 145 | 2月中旬 | 4月下旬 |
新潟県 | 51 | 121 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
富山県 | 55 | 124 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
石川県 | 46 | 126 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
福井県 | 48 | 122 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
東海 | 静岡県 | 96 | 129 | 2/10 | 4月下旬 |
愛知県 | 116 | 131 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
岐阜県 | 100 | 145 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
三重県 | 69 | 138 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
近畿 | 滋賀県 | 87 | 139 | 2月中旬 | 4月下旬 |
京都府 | 53 | 120 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
大阪府 | 62 | 126 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
兵庫県 | 55 | 134 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
奈良県 | 59 | 144 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
和歌山県 | 70 | 113 | 2/10 | 4月下旬 | |
中国・四国 | 岡山県 | 51 | 118 | 2月中旬 | 4月下旬 |
広島県 | 49 | 114 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
鳥取県 | 42 | 111 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
島根県 | 47 | 106 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
山口県 | 68 | 111 | 2/10 | 4月下旬 | |
徳島県 | 53 | 115 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
香川県 | 48 | 109 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
愛媛県 | 55 | 99 | 2/11 | 4月下旬 | |
高知県 | 85 | 98 | 2月中旬 | 4月下旬 | |
九州 | 福岡県 | 96 | 129 | 2/9 | 4月中旬 |
佐賀県 | 85 | 131 | 2/11 | 4月中旬 | |
長崎県 | 83 | 132 | 2/7 | 4月中旬 | |
大分県 | 68 | 116 | 2/12 | 4月中旬 | |
熊本県 | 80 | 114 | 2/9 | 4月中旬 | |
宮崎県 | 66 | 99 | 2/11 | 4月中旬 | |
鹿児島県 | 51 | 97 | 2/8 | 4月中旬 | |
全 国 | 67 | 125 | - | - |
※平年:天候の平年は1991〜2020年の過去30年平均、花粉飛散量の平年は2014〜2023年の過去10年平均
※飛散量:花粉観測機「ポールンロボ」が観測すると想定される花粉数。過去のポールンロボの観測データをもとに予想を算出
※花粉シーズンの定義:花粉観測機「ポールンロボ」の観測に加え、ユーザーからの症状報告を加味
花粉シーズン開始:3割以上のポールンロボが1日10個以上の花粉を観測。症状が重い人、敏感な人に症状が出始める目安
花粉シーズン終了:7割以上のポールンロボが1日10個以下の花粉を観測
参考:ウェザーニューズの花粉の取り組みについて
<花粉飛散傾向>
ウェザーニューズでは毎年、花粉の飛散量や飛散時期の予測についてまとめた「花粉飛散傾向」を発表しています。花粉飛散傾向では、過去の花粉飛散量や夏の天候、冬〜春の天候の予想などの気象データ、雄花の着花量に関する調査の結果などをもとに、花粉の飛散量と飛散時期を予測します。雄花の着花量に関する調査としては、11月に全国のウェザーニュースアプリのユーザーと実施する雄花調査に加えて、12月に環境省から発表されるスギ雄花花芽調査の結果も用いています。
<全国1,000か所に展開する花粉のリアルタイム観測>
ウェザーニューズでは2005年から花粉の観測に取り組んでいます。一般のご家庭や病院、学校などのご協力のもと、独自開発した花粉観測機「ポールンロボ」を全国に約1,000台設置し、花粉のリアルタイム観測を行っています。ポールンロボは空気中の花粉を1分ごとに観測し、データをウェザーニューズに送信します。従来の花粉観測手法であるダーラム法によりも高頻度かつ高解像度で観測できる点が強みで、ポールンロボによる観測データはウェザーニュースの花粉情報サイト「花粉Ch.」で確認することができるほか、毎日の花粉飛散予報にも役立てられています。
<花粉の新ランクに対応、1時間ごとの飛散予報がわかる「花粉Ch.」>
ウェザーニュースアプリでは全国各地の詳細な花粉情報を公開しています。1時間ごとの花粉飛散予報やリアルタイムの飛散状況がピンポイントで確認可能です。花粉飛散予報は、日本花粉学会 花粉情報等標準化委員会により改定された新表示ランク(※1)に対応し、少ない/やや多い/多い/非常に多い/極めて多い、の5ランクで提供します。また、自分の花粉症のタイプが診断できる「花粉症チェックシート」や、毎朝の花粉予報や臨時の大量飛散情報をプッシュ通知する『花粉対策アラーム』など様々な機能で、花粉症の方がつらい季節を少しでも楽に過ごせるよう、対策をサポートします。
※1
日本花粉学会 花粉情報等標準化委員会:https://square.umin.ac.jp/psj3/jp/PSJ_polleninfo_standardization.pdf
環境省 報道発表「令和5年度スギ雄花花芽調査の結果等について」:https://www.env.go.jp/press/press_02568.html