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能登半島地震から1年、阪神淡路大震災から30年、全国16,684人と「減災調査2025」を実施

家具転倒防止対策の実施率は全国で6割以上も、過半数が住宅の耐震性に不安

家具転倒防止対策の実施率1位は宮城県、住宅の耐震性に最も不安を抱いているのは岡山県

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株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:石橋 知博)は、能登半島地震から1年、阪神淡路大震災から30年となる今年、地震防災に対する意識や備えについて実態を把握し、防災・減災へとつなげることを目的として「減災調査2025年」を実施し、結果を発表しました。本調査は2024年12月29日〜2025年1月4日にウェザーニュースのアプリやウェブサイトを通じて行い、16,684人にご参加いただきました。住宅や住まいにおける地震対策について、約6割が食器棚や本棚の転倒防止対策をしていることがわかりました。東日本大震災の被災地や南海トラフ地震の影響が懸念される太平洋側の地域で対策の実施率が高い傾向となっています。住宅内の対策が進む一方で、過半数が自宅の耐震性に不安を抱いていることも明らかになりました。建物の不具合や築年数に不安を感じながらも、対策が後回しになってしまっている可能性が示唆されました。本調査結果は、ウェザーニュースのウェブサイト「減災調査2025」からもご覧いただけます。
ウェザーニューズでは、防災・減災への意識を高め、日頃からできる災害対策を知ってもらうことを目的に1月15〜17日の3日間、気象情報番組「ウェザーニュースLiVE」にて特別企画「防災WEEK 〜もしもの備えをいつもから〜」を実施します。いつどこで遭遇するかわからない地震災害への対策を自分ごととして捉え、普段からの備えにお役立てください。

「減災調査2025」の結果はこちら「防災WEEK」特設サイト
https://weathernews.jp/s/topics/202501/090115/
https://weathernews.jp/s/topics/202501/090135/
https://weathernews.jp/gensai/bousai_week/
(現在準備中 1月14日オープン予定)

 

約6割が家具の転倒防止を実施も 過半数が住宅の耐震性に不安

2024年の元日に発生した「能登半島地震」および1995年1月17日に発生した「阪神淡路大震災」では住宅の全壊や半壊、室内の家具の転倒などにより、多くの人的被害や家財の損失が生じました。地震災害時に生命や家財を守るためには、住宅や家具への地震対策や、防災グッズの準備がとても大切です。そこで、住宅や住まいにおける災害対策について調査を行いました。

住宅内の地震対策について、「食器棚や本棚の転倒防止対策はしていますか?」と質問し、「ほぼしている」「一部している」「していない」「する必要がない」から選択していただきました。回答を集計した結果、「ほぼしている」と「一部している」と回答した方を合わせて6割以上が転倒防止対策をしていることがわかりました。都道府県別に見てみると、「ほぼしている」または「一部している」と回答した方の割合が最も多かったのは宮城県で78.2 %、次いで和歌山県が73.6 %、宮崎県で69.4 %となりました。東日本大震災の被災地や、南海トラフ地震の影響が懸念されている太平洋側の地域で対策の実施率が高くなっており、過去の被災体験や将来的な地震リスクから地震防災への意識が高いことが伺えます。具体的な対策方法としては、突っ張り棒やL字金具が主流となっているようです。一方で「面倒だ」「賃貸住宅のため」「コスト面」などの理由から対策を実施していない方も約4割いることがわかりました。
地震が発生した際、家具が転倒すると負傷する恐れがあります。近年発生した地震では、家具の転倒や移動による負傷者が30〜50 %にのぼるというデータもあります(※1)。家具の転倒によってストーブのスイッチが押され火災が発生したり、避難経路を塞いで閉じ込められたりなどの二次被害につながる恐れもあるため、家具が落下したり転倒したりしないよう対策をしておくことが重要です。

(※1) 東京消防庁「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/learning/elib/kagutenhandbook.html

 

続いで防災グッズについて、「防災グッズの保管場所を決めていますか?」を質問し、「決めている」「決めていない」「持っていない」から選択していただきました。回答を集計した結果、約8割が防災グッズを持っており、そのうち約7割が明確な保管場所を定めていました。保管場所は「迅速な持ち出し」が重視され、玄関付近や避難経路上に置いている方が多くなりました。また、家と車、1階と2階それぞれに保管するなど、リスクを分散する工夫をしている方もいました。

 

住宅内の対策が進む一方で、住宅そのものの地震対策について調査すると、深刻な課題も明らかになりました。「自宅の耐震性について不安がありますか?」と質問し、「とてもある」「ある」「あまりない」「ない」から選択していただきました。回答を集計した結果、「とてもある」と「ある」と答えた方を合わせて過半数が、自宅の耐震性について不安を持っていることがわかりました。
都道府県別に見てみると、「とてもある」または「ある」と答えた方の割合が最も多かったのは岡山県で69.5 %、次いで島根県が69.3 %、和歌山県で66.7 %となり、上位8県が西日本に集中していました。近年大きな地震が起きていない都道府県を中心に、対策や見直しが後回しになってしまっている可能性が考えられます。不安を感じる要因としては、目視できる亀裂や床の傾きなど建物の不具合、築年数の古さ、立地条件などが挙げられていました。
建物の耐震基準は建築基準法によって定められていますが、この耐震基準は度々改正されています。1981年5月31日までに確認申請を受けた建物は「震度5程度の中規模の地震で大きな損傷を受けないこと」が基準となっていますが、1981年6月1日以降に確認申請を受けた建物は「中地震では軽微なひび割れ程度の損傷にとどめ、震度6程度の大規模な地震で建物の倒壊や損傷を受けないこと」という基準に変わっています。自宅がいつ建てられ、どの耐震基準で作られているか、その後耐震補強などが行われているかを確認しておくことが大切です。

 

災害時の停電対策、4人に1人がポータブル電源を所有、バックアップとして乾電池も重視

また、災害避難時に重要となる電源確保に関する調査も行いました。
「停電対策として、ポータブル電源やモバイルバッテリーは持っていますか?」と質問し、「モバイルバッテリーのみ」「両方持っている」「ポータブル電源のみ」「持っていない」から選択していただきました。回答を集計した結果、約8割の方がモバイルバッテリーを持っており、およそ4人に1人がポータブル電源を持っていました。

 

蓄電機器の普及が進む一方で、乾電池の必要性はどのように変化していくのか、「乾電池は避難時に今後も必要だと思いますか?」と質問し、「とても重要」「必要だと思う」「あまり必要だと思わない」「思わない」から選択していただきました。
回答を集計した結果、「とても重要」と「必要だと思う」と答えた方を合わせると、9割以上が乾電池は必要だと考えていることがわかりました。理由を聞いたところ、充電式のモバイルバッテリーのバックアップとしての役割や、懐中電灯やラジオなどの基本的な防災グッズの電源としてのニーズ、長期保存が可能な信頼性やさまざまな機器で使用できる汎用性の高さが挙げられました。しかし、重量負担やUSB充電式機器の増加、使用機会の減少を理由に「不要」とする意見も少数ながら存在していました。現時点では依然として高い必要性を示す乾電池ですが、新しい機器の普及や社会システムの変化により、そのニーズは今後変化する可能性がありそうです。

震災の節目の機会に日頃の備えを見直すことが、防災・減災の意識の向上にもつながります。ウェザーニュースでは、今後も「減災調査」を継続的に行い、気象ならびに防災・減災に関する情報発信やコンテンツ開発につなげてまいります。

 

1/15〜17の3日間、特別企画「防災WEEK 〜もしもの備えをいつもから〜」を実施

24時間生放送の気象情報番組「ウェザーニュースLiVE」では、1月15〜17日の3日間、「防災WEEK 〜もしもの備えをいつもから〜」と題した特別企画を実施します。防災・減災に関連するテーマを各日で設定し、1日を通じてテーマに沿って番組をお届けします。テーマは15日(水)が「住宅・住まい」、16日(木)が「停電」、17日(金)が「防災への取り組み・体験」です。また、ウェザーニュースアプリの参加型企画「ソラミッション」と連携して、ユーザーの皆さんを対象にした「お住まいの家のつくりは何ですか?」など防災に関するアンケートを実施したり、自宅の家具の転倒や落下、移動防止対策のリポートを募集したりして、ユーザーが実際に行っている防災対策を番組内でご紹介します。さらに、地震に詳しいウェザーニューズの山口 剛央(やまぐち たけひさ)解説員が阪神淡路大震災の地震の構造や震度7の揺れが襲ったらどうするべきなのかなどを詳しく解説する特別番組を実施する予定です。

いつどこで起こるかわからない地震災害は、日頃の備えが非常に重要です。番組をきっかけに、備えを見直したり、ご家族で災害時の避難や連絡手段について話し合ったりする機会に繋げていただければ幸いです。

▼「防災WEEK」特設サイト(現在準備中 1月14日オープン予定)
https://weathernews.jp/gensai/bousai_week/
▼番組視聴はこちらから
https://www.youtube.com/@weathernews

 

参考資料:都道府県別の調査結果

食器棚や本棚の転倒防止対策はしていますか?
都道府県
ほぼしている
一部している
していない
する必要がない
北海道
15.1 %
37.4 %
42.0 %
5.6 %
青森県
13.2 %
44.1 %
37.5 %
5.2 %
岩手県
16.1 %
45.0 %
35.0 %
3.9 %
宮城県
35.1 %
43.1 %
18.3 %
3.5 %
秋田県
16.3 %
31.7 %
48.8 %
3.3 %
山形県
19.6 %
46.9 %
29.4 %
4.2 %
福島県
24.6 %
37.7 %
33.9 %
3.8 %
茨城県
22.2 %
43.2 %
30.1 %
4.6 %
栃木県
17.2 %
41.1 %
37.9 %
3.8 %
群馬県
14.1 %
35.6 %
47.8 %
2.5 %
埼玉県
18.8 %
43.8 %
33.0 %
4.4 %
千葉県
24.0 %
42.9 %
28.8 %
4.3 %
東京都
22.9 %
42.5 %
30.6 %
4.0 %
神奈川県
25.5 %
43.0 %
28.5 %
3.0 %
新潟県
11.6 %
41.3 %
43.8 %
3.3 %
富山県
15.2 %
50.3 %
33.1 %
1.4 %
石川県
14.2 %
48.9 %
32.6 %
4.3 %
福井県
11.5 %
47.4 %
35.9 %
5.1 %
山梨県
15.4 %
43.3 %
32.7 %
8.7 %
長野県
14.2 %
42.7 %
37.9 %
5.2 %
岐阜県
14.9 %
47.2 %
33.6 %
4.3 %
静岡県
21.8 %
46.1 %
29.3 %
2.8 %
愛知県
19.9 %
41.6 %
35.7 %
2.7 %
三重県
23.5 %
43.6 %
32.6 %
0.4 %
滋賀県
11.2 %
48.3 %
37.6 %
2.8 %
京都府
18.9 %
35.2 %
41.5 %
4.4 %
大阪府
18.1 %
41.8 %
37.9 %
2.1 %
兵庫県
17.4 %
40.0 %
37.3 %
5.4 %
奈良県
15.1 %
42.8 %
38.4 %
3.8 %
和歌山県
19.5 %
54.0 %
24.1 %
2.3 %
鳥取県
13.6 %
44.1 %
37.3 %
5.1 %
島根県
9.3 %
30.7 %
53.3 %
6.7 %
岡山県
11.2 %
40.6 %
45.5 %
2.7 %
広島県
9.4 %
40.5 %
47.9 %
2.3 %
山口県
13.8 %
38.8 %
45.0 %
2.5 %
徳島県
16.7 %
42.6 %
33.3 %
7.4 %
香川県
6.4 %
41.8 %
46.4 %
5.5 %
愛媛県
22.7 %
40.2 %
34.9 %
2.3 %
高知県
21.6 %
44.6 %
33.8 %
0.0 %
福岡県
13.9 %
38.3 %
44.9 %
2.9 %
佐賀県
4.1 %
36.7 %
55.1 %
4.1 %
長崎県
5.5 %
19.5 %
71.9 %
3.1 %
熊本県
18.8 %
38.3 %
41.6 %
1.3 %
大分県
14.5 %
35.9 %
44.3 %
5.3 %
宮崎県
26.9 %
42.6 %
29.6 %
0.9 %
鹿児島県
14.2 %
41.7 %
41.7 %
2.5 %
沖縄県
4.6 %
32.4 %
50.0 %
13.0 %
全国平均
19.4 %
41.7 %
35.2 %
3.7 %
自宅の耐震性について不安はありますか?
都道府県
とてもある
ある
あまりない
ない
北海道
14.1 %
41.8 %
34.2 %
9.9 %
青森県
13.2 %
49.3 %
28.7 %
8.8 %
岩手県
15.6 %
45.6 %
30.6 %
8.3 %
宮城県
12.1 %
43.1 %
37.2 %
7.7 %
秋田県
13.0 %
49.6 %
31.7 %
5.7 %
山形県
22.4 %
37.8 %
28.7 %
11.2 %
福島県
14.5 %
40.1 %
36.3 %
9.0 %
茨城県
13.9 %
41.7 %
35.7 %
8.7 %
栃木県
14.6 %
39.4 %
38.5 %
7.6 %
群馬県
13.1 %
40.9 %
36.9 %
9.1 %
埼玉県
14.9 %
42.4 %
35.6 %
7.1 %
千葉県
13.1 %
40.8 %
38.5 %
7.6 %
東京都
11.7 %
41.0 %
39.2 %
8.1 %
神奈川県
11.4 %
45.2 %
36.1 %
7.3 %
新潟県
23.1 %
38.8 %
29.3 %
8.7 %
富山県
15.9 %
45.5 %
31.7 %
6.9 %
石川県
17.7 %
42.6 %
34.8 %
5.0 %
福井県
11.5 %
50.0 %
34.6 %
3.9 %
山梨県
18.3 %
37.5 %
36.5 %
7.7 %
長野県
21.5 %
37.6 %
35.2 %
5.8 %
岐阜県
17.9 %
42.1 %
32.8 %
7.2 %
静岡県
20.6 %
40.6 %
30.9 %
7.9 %
愛知県
15.0 %
44.5 %
33.9 %
6.7 %
三重県
17.4 %
45.5 %
31.1 %
6.1 %
滋賀県
18.0 %
42.7 %
33.7 %
5.6 %
京都府
15.7 %
43.4 %
30.2 %
10.7 %
大阪府
15.6 %
42.5 %
34.3 %
7.6 %
兵庫県
12.5 %
38.9 %
37.6 %
11.0 %
奈良県
18.2 %
35.9 %
40.9 %
5.0 %
和歌山県
24.1 %
42.5 %
25.3 %
8.1 %
鳥取県
15.3 %
37.3 %
39.0 %
8.5 %
島根県
21.3 %
48.0 %
26.7 %
4.0 %
岡山県
19.3 %
50.3 %
23.5 %
7.0 %
広島県
16.5 %
49.1 %
27.0 %
7.5 %
山口県
22.5 %
40.0 %
31.3 %
6.3 %
徳島県
11.1 %
48.2 %
37.0 %
3.7 %
香川県
15.5 %
32.7 %
41.8 %
10.0 %
愛媛県
21.2 %
44.7 %
26.5 %
7.6 %
高知県
23.0 %
36.5 %
33.8 %
6.8 %
福岡県
9.3 %
47.6 %
37.2 %
6.0 %
佐賀県
14.3 %
49.0 %
32.7 %
4.1 %
長崎県
18.0 %
39.8 %
28.9 %
13.3 %
熊本県
18.1 %
42.3 %
30.2 %
9.4 %
大分県
15.3 %
41.2 %
35.1 %
8.4 %
宮崎県
18.5 %
46.3 %
29.6 %
5.6 %
鹿児島県
16.7 %
46.7 %
34.2 %
2.5 %
沖縄県
13.9 %
34.3 %
37.0 %
14.8 %
全国平均
14.7 %
42.4 %
35.1 %
7.8 %
(※2)小数点第二位を四捨五入しているため、各割合の合計が100 %にならない場合があります。

 

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