TOP > NEWS > 2025

ニュース

ウェザーニューズ、全国7,316本の桜の健康状態を調査

【桜の健康診断2025】 健康状態、2023年の過去最悪から2年連続回復

モバイル/インターネット >

株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:石橋 知博)は、毎年美しい姿で楽しませてくれる桜を見守り、桜を大切にする気持ちを育むことを目的として、アプリ「ウェザーニュース」を通じて桜の健康状態をチェックする調査「桜の健康診断2025」を実施し、本日、結果を発表しました。
桜の健康診断では、桜の健康状態に関する6つの質問に答えていただき、その結果から健康度を指数化し、「優良(+)」から「生育不良(-)」の12段階で判定します。今年の桜は、樹皮の状態の悪化や樹形の乱れがあったものの、日当たりの良さや5個以上の花数の桜が増えたことで、健康状態は過去最低だった2023年から2年連続で回復傾向となりました。

『桜の健康診断2025』結果詳細はこちら
ウェザーニュースウェブサイト「桜の健康診断2025」
https://weathernews.jp/news/202506/040156/

「桜の健康診断」概要

・対象エリア:46都道府県(沖縄を除く)
・調査期間:2025年2月13日〜6月1日
・参加人数:7,316人
・質問項目:6項目(「日当たり」、「樹形」、「花の咲き方」、「幹の状態」、「樹皮の状態」、「花数」)
・評価:12段階
(優良(+):1.00~1.25/優良:1.26~1.50/優良(-):1.51~1.75/正常(+):1.76~2.00/正常:2.01~2.25/正常(-):2.26~2.50/やや生育不良(+):2.51~2.75/やや生育不良:2.76~3.00/やや生育不良(-):3.01~3.25/生育不良(+):3.26~3.50/生育不良:3.50~3.75/生育不良(-):3.76~)

※本調査の対象となる桜は、ソメイヨシノだけでなく、エゾヤマザクラやチシマザクラなども含まれます。

 

桜の健康状態は過去最悪の2023年より2年連続で改善

全国7,316人から寄せられた回答を集計した結果、今年の桜の健康度は全国平均で1.76となり、「正常(+)」の判定でした。「優良(-)」のランクまであと僅かという状況です。2013年から2021年にかけて「優良(-)」ランクでしたが、2022年から2025年にかけて4年連続で「正常(+)」のランクとなっています。全体として桜の健康状態は年々悪化傾向にありましたが、過去最悪だった2023年から2年連続で健康度が上昇し、改善の兆しが見られます。

桜の健康度の変化


桜の健康度を昨年と比較してみると、健康度の割合の構成に大きな変化はありませんでしたが、「優良(+)」と「やや生育不良」が昨年より1ポイント増加した一方で、「正常(+)」と「正常」は昨年より1ポイント減少しました。「優良」、「優良(-)」、「正常(-)」、「生育不良」の割合には変化がありませんでした。
都道府県ごとの桜の健康度のランクを昨年と比較してみると、「優良(-)」となった都道府県は、21道県で昨年の15府県よりも増加しました。また昨年は「正常」だった長野県と香川県が「正常(+)」にランクアップしており、2025年は「正常」のランクに該当している都道府県はなくなりました。一方、昨年は鳥取県が「優良」ランクでしたが、今年は「優良」ランクの地点はありませんでした。
健康度が低下しても、1〜2年単位ではほとんど変化に気が付きませんが、衰退が5年も続くと太い枝が2〜3本は枯れるなどの影響があります。来年以降も桜の健康状態の変化に注意が必要です。

桜の健康度
都道府県別健康度
※「やや生育不良」は「やや生育不良(+)」、「やや生育不良」、「やや生育不良(-)」のポイントを合算した数です。「生育不良」は「生育不良(+)」、「生育不良」、「生育不良(-)」のポイントを合算した数です。
※報告が一定数に満たなかった都道府県は灰色で表示しています。

 

ソメイヨシノの寿命は60年と言われています。ソメイヨシノは戦後に多く植えられたため、当時植えられたものはすでに寿命を過ぎています。弱った桜・病気の桜が増えるのは自然のことです。しかし、病気の治療や土に栄養を与え、土の中の通気性を良くすることで、桜の寿命を延ばすことができます。
ウェザーニューズでは今後も、ユーザーの皆さんと一緒に桜の健康状態の変化を追いながら、桜を大切にする輪を広げていきます。

❇︎日本花の会 樹木医 和田博幸氏からのコメント

全般的には樹勢が衰退傾向にあるようです。見続けているサクラが徐々に樹齢を重ねていくので、加齢現象が現れていると思われます。日当たりに関して悪化しているような数値になっていますが、お花見時に天候が思わしくない日が続くとそのように感じることがあり、今年は花見時に天候が悪い日が多かったように思うので、この数値が増えたのではないかと想像しています。
樹形の悪化は、夏に暑くて厳しい日が年々増えていることから、枝枯れを起こしている事象が見られるので、それを反映していると思われます。花の咲き方も同様の理由です。幹の状態は樹勢との関係があり、衰退傾向と連動していると思います。そういった状況の中で花数だけが改善されているのが救いです。花数は根に近い枝の花を数えているので、全体の枝の中でも根からの水や養分の供給が行き届きやすいので、それを反映しているかもしれません。今年の夏の気温と土の乾燥が気がかりです。
調査を継続して、わずかでも生育状況の傾向が見える化できれば、この活動のに大きな意義が生じます。大勢のサポーターの協力を期待しています。そしてサクラの環境悪化に警鐘を発することができたらと思っています。

『桜の健康診断2025』項目別の結果

<日当たり:日当たりの良い桜が増加>

日当たりについて「一日中よくあたる」、「半日以上あたる」、「半日あたらない」、「ほとんどあたらない」の4項目から選択していただきました。
集計の結果、最も割合の高かった「一日中よくあたる」に注目すると、2025年は62%を記録し、ここ6年で最も高い割合となりました。

日当たり

<樹形:樹形の崩れが徐々に進行>

樹形(樹の立ち姿)について、「自然樹形を保っている」、「自然樹形に近い」、「樹形が崩れてきている」、「自然樹形がほとんど崩れている」の4項目から選択していただきました。
集計の結果、2024年と比較して「自然樹形を保っている」は48%と変化がなかったものの、「樹形が崩れてきている」が2ポイント増加し、2013年以来過去最多となりました。

樹形の状態

 

<花の咲き方:「木全体にまんべんなく花が咲いている」が過去最低を記録>

花の咲き方について、「木全体にまんべんなく花が咲いている」、「所々咲いていない枝がある」、「特に上部に咲いていない枝が目立つ」の3項目から選択していただきました。
集計の結果、「木全体にまんべんなく花が咲いている」 という回答が64%で、2013年以来最も低い結果となりました。また「特に上部に咲いていない」の項目は、2013年以降年々増加傾向にあり、花の咲き方に偏りが出てきている傾向が伺えます。

花の咲き方

 

<幹の状態:過半数が不健康な状態が継続>

幹の状態について、「穴や切られたアト、窪みは無い」 、「穴や切られたアト、窪みなどが少しある」、「穴や切られたアト、窪みなどがかなり目立ち、もしくはキノコが生えている」、「大きく切られたり、などがかなり目立ち、もしくはキノコが生えている」の4項目から選択していただきました。
集計の結果、「穴や切られたアト、窪みは無い」の回答は48%で、2016年以降10年連続で過半数を下回っています。また、健康そうに見える幹でも、キノコが生えているものは内部が腐食している可能性があり、専門家による診断が必要になります。

幹の状態

<樹皮の状態:光沢が減少し、カサカサ傾向に>

樹皮の状態について、「生き生きしていて光沢がある/盛り上がるような部分があり、縦に割れている」、「傷などほとんどない」、「苔などが残っていたり、樹皮がはがれてカサカサしている」、「苔に覆われた部分が多い。または、樹皮の損傷が激しい」 の4項目から選択していただきました。
集計の結果、「生き生きしていて光沢がある/盛り上がるような部分があり、縦に割れている」の割合が21%となり、2013年以降過去最低の結果となりました。一方、「苔などが残っていたり、樹皮がはがれてカサカサしている」の割合が24%で、過去最多となり、樹皮の状態が悪化傾向にあります。樹皮がはがれてカサカサしていたり、損傷が激しい場合、土の中の通気性が悪く、桜の生長が停滞している可能性があります。

樹皮の状態

<花数:「5個以上」の割合が過去最多を記録>

花の数について、「5個以上」、「3〜4個」、「2個」、「1個」の4項目から選択していただきました。
集計の結果、「5個以上」の割合が35%となり、2013年以来、過去最多を記録しました。一方、「1個」は最も多かった昨年と比べると3ポイント減少しています。健康状態の良い桜が増加傾向にあると言えます。

花数

都道府県別、健康度ランキング

2025年

2024年

順位

都道府県

健康度

判定

順位

都道府県

健康度

判定

1位

徳島県

1.57

優良(-)

1位

鳥取県

1.45

優良

2位

青森県

1.63

優良(-)

2位

徳島県

1.55

優良(-)

3位

愛媛県

1.64

優良(-)

3位

山形県

1.65

優良(-)

4位

鹿児島県

1.67

優良(-)

4位

青森県

1.67

優良(-)

5位

群馬県

1.68

優良(-)

5位

千葉県

1.68

優良(-)

6位

宮崎県

1.69

優良(-)

5位

宮崎県

1.68

優良(-)

6位

熊本県

1.69

優良(-)

7位

京都県

1.70

優良(-)

6位

北海道

1.69

優良(-)

8位

静岡県

1.72

優良(-)

9位

佐賀県

1.70

優良(-)

8位

茨城県

1.72

優良(-)

10位

鳥取県

1.71

優良(-)

8位

奈良県

1.72

優良(-)

10位

岡山県

1.71

優良(-)

11位

福岡県

1.73

優良(-)

12位

奈良県

1.72

優良(-)

12位

広島県

1.74

優良(-)

12位

千葉県

1.72

優良(-)

12位

岡山県

1.74

優良(-)

12位

宮城県

1.72

優良(-)

12位

宮城県

1.74

優良(-)

15位

茨城県

1.73

優良(-)

15位

長崎県

1.75

優良(-)

15位

山形県

1.73

優良(-)

15位

三重県

1.75

優良(-)

15位

岐阜県

1.73

優良(-)

17位

群馬県

1.76

正常(+)

15位

山梨県

1.73

優良(-)

18位

秋田県

1.77

正常(+)

19位

福岡県

1.74

優良(-)

18位

新潟県

1.77

正常(+)

19位

高知県

1.74

優良(-)

18位

石川県

1.77

正常(+)

21位

新潟県

1.75

優良(-)

18位

埼玉県

1.77

正常(+)

22位

大阪府

1.76

正常(+)

18位

東京都

1.77

正常(+)

22位

福島県

1.76

正常(+)

23位

富山県

1.78

正常(+)

24位

山口県

1.77

正常(+)

23位

神奈川県

1.78

正常(+)

24位

京都府

1.77

正常(+)

25位

山口県

1.79

正常(+)

24位

長野県

1.77

正常(+)

25位

熊本県

1.79

正常(+)

24位

兵庫県

1.77

正常(+)

27位

愛知県

1.80

正常(+)

24位

大分県

1.77

正常(+)

28位

和歌山県

1.81

正常(+)

24位

愛知県

1.77

正常(+)

28位

北海道

1.81

正常(+)

24位

石川県

1.77

正常(+)

29位

島根県

1.82

正常(+)

31位

長崎県

1.78

正常(+)

29位

栃木県

1.82

正常(+)

31位

三重県

1.78

正常(+)

29位

愛媛県

1.82

正常(+)

31位

秋田県

1.78

正常(+)

29位

滋賀県

1.82

正常(+)

34位

神奈川県

1.79

正常(+)

34位

鹿児島県

1.83

正常(+)

34位

広島県

1.79

正常(+)

34位

福井県

1.83

正常(+)

34位

埼玉県

1.79

正常(+)

36位

大阪府

1.84

正常(+)

37位

東京都

1.81

正常(+)

36位

兵庫県

1.84

正常(+)

37位

岩手県

1.81

正常(+)

38位

山梨県

1.85

正常(+)

39位

静岡県

1.82

正常(+)

38位

大分県

1.85

正常(+)

39位

和歌山県

1.82

正常(+)

40位

高知県

1.86

正常(+)

41位

福井県

1.84

正常(+)

41位

岩手県

1.87

正常(+)

42位

香川県

1.86

正常(+)

42位

岐阜県

1.92

正常(+)

43位

富山県

1.87

正常(+)

43位

福島県

1.95

正常(+)

44位

栃木県

1.90

正常(+)

44位

長野県

2.03

正常

45位

滋賀県

1.92

正常(+)

45位

香川県

2.06

正常

45位

島根県

1.92

正常(+)

-

佐賀県

-

-

全国平均

1.76

正常(+)

全国平均

1.78

正常(+)

※報告が一定数に満たなかった都道府県は「-」で表示しています。

 

本ニュースをプリントアウトしてご覧になりたい方はこちら