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ウェザーニューズ「猛暑見解2025」を発表 「猛暑日」「熱帯夜」などを算出

7月末〜8月前半はダブル高気圧の影響で40℃級の酷暑に警戒

〜「猛暑日」日数予想、最も多いのは京都で26日・甲府で25日など内陸ほど顕著に~

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株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:石橋 知博)は、「猛暑見解2025」を本日発表しました。今年の夏(7〜9月)の気温は全国的に平年より高くなる見込みです。特に、7月末〜8月前半にかけて暑さのピークとなることが予想されます。太平洋高気圧に加え、チベット高気圧が日本付近にまで張り出し、高気圧が上空で重なり合う「ダブル高気圧」が発生した場合、35度を超える猛暑日が継続し、地域によっては40度前後に達する「酷暑」となるため、厳重な警戒が必要です。
今年は平年よりも早く東北まで梅雨明けし、暑さの厳しい日が早く始まる可能性があります。こまめな水分補給などの暑さ対策をしっかり行い、熱中症には十分警戒してください。最新見解は、「ウェザーニュース」アプリやウェブサイトからご確認いただけます。

ウェザーニュース「長期予報」ウェザーニュース「熱中症情報」
https://weathernews.jp/opinion/https://weathernews.jp/heatstroke/

◆7~9月の平均気温は全国的に平年より高い

図1. 夏の気温傾向

7月になると、太平洋高気圧の本州付近への張り出しが強まり、梅雨明けが平年よりも早くなる可能性があります。その場合、平年よりも早く夏空が広がり本格的な暑さが訪れる見込みです。
8月はチベット高気圧の日本付近への張り出しが強まる時期と弱まる時期がある予想です。日本付近への張り出しが強い時期には、全国的に猛暑日となる所が現れるなど、暑さが一層厳しくなるおそれがあります。
9月になっても、太平洋高気圧の日本付近への張り出しは平年よりも強く、前半を中心に残暑が厳しくなる見込みです。
このため、一時的に暑さの和らぐタイミングはあっても、7~9月の平均気温は全国的に平年より高く、今年も各地で暑い夏になりそうです(図1)。
昨年は、7月は全国的に記録的な高温となり、8月に入っても顕著な高温が続きました。これは、インド洋北部やフィリピン近海の対流活動が活発になり、太平洋高気圧の張り出しが強い状態が続いたことや、上空の偏西風が平年より北寄りを流れ、日本付近は暖かい空気に覆われやすかったこと、2024年春まで続いたエルニーニョ現象などが影響したとみられます。また、日本周辺海域の海水温が顕著に高かったことも影響したと考えられます。
今夏の偏西風は平年より北寄りを流れる予想で、日本付近は平年より暖かい空気に覆われやすい時期がある見込みです。また、日本の周辺海域の海面水温は全般に平年より高く、特に北日本太平洋沖ではかなり高くなる予想です。このため、大気下層が冷やされにくく、北日本を中心に高温をもたらす要因の1つになる可能性があります。なお、北半球中高緯度の対流圏の平均気温は昨年よりも低めになると予想されているため、今年も気温は平年より高いですが、昨年よりはやや低めになると予想しています。
以上のことから、7~9月の真夏日や猛暑日、熱帯夜の日数は全国的に平年よりは多いものの、昨年よりは少なめになると予想しています。


全国の都道府県庁所在地における2025年7〜9月における「真夏日」「猛暑日」「熱帯夜」日数の予測では、「真夏日」日数は、全国的に平年より多くなる予想です。「猛暑日」日数は、平年と比べると、東京・名古屋・大阪・広島・福岡などの大都市や京都・岐阜・甲府などの内陸部でより多くなる見込みで、京都で26日、甲府で25日など1ヶ月近い日数で35℃以上となるおそれがあります。「熱帯夜」日数も各地で平年より多く、沖縄は89日で平年よりも8日ほど多くなる見込みです。

※詳細は末尾の注釈参照
※下記に都道府県庁所在地別「真夏日」「猛暑日」「熱帯夜」日数の予測を記載

 

◆暑さのピークは7月末~8月前半、8月末~9月前半は残暑が厳しい

7月末〜8月前半はフィリピン近海の対流活動が活発となり、本州付近への太平洋高気圧の張り出しが強まり、暑さのピークとなる予想です。熱中症には十分な警戒が必要です。この暑さのもう一つの鍵となるのがチベット高気圧です。太平洋高気圧とチベット高気圧は広がる高度が違うため、同時期にチベット高気圧が日本付近まで張り出した場合は、太平洋高気圧と上空で重なり合って“ダブル高気圧”となり、二つの高気圧が非常に背の高い一つの高気圧のようになって厳しい暑さをもたらします。35度以上の猛暑日が続き、海風の入りにくい内陸部などでは40度前後の酷暑になることがあります。
なお、7月上旬も本州付近への太平洋高気圧とチベット高気圧の張り出しが強まり、本州付近では厳しい暑さとなる時期がある見込みです。
8月末〜9月前半も太平洋高気圧の日本付近への張り出しは平年よりも強めで、残暑が厳しい見込みです。暑い期間が長くなるため、夏バテにならないよう体調管理が大切です。

◆2つの高気圧の見解(図2)

(1)太平洋高気圧:7月以降本州付近への張り出しが強まる
7月以降、太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強まります。今年は北への張り出しが平年並か強く、西日本から北日本で暖かい空気に覆われやすくなり、気温が高くなる見込みです。ただ、8月は上空の寒気が入りやすい時期もあり、不安定な天気となって、暑さが幾分和らぐ時期もありそうです。

(2)チベット高気圧:日本付近への張り出しは概ね平年並だが、7月と9月を中心に日本付近への張り出しを強める時期がある
チベット高気圧とは、北半球の夏季にチベット付近を中心に広範囲に広がる上空の高気圧です。今夏は、太平洋高気圧の日本付近への張り出しが平年より強い7月や9月を中心に、チベット高気圧も日本付近に張り出しを強める時期がある見込みです。

これらの太平洋高気圧とチベット高気圧の張り出しが重なる時期は、猛暑になりやすくなります。

図2. 今年の猛暑ピーク時の天気図イメージ
※本予報は6月24日時点のものです。最新の見解は「ウェザーニュース」アプリまたはウェブサイト
https://weathernews.jp)からご確認ください。

 

◆エリアごとの見解 7~9月の平年との気温比較

エリア

平均気温

7~9月の暑さ見解

北日本

平年より高い

7月:気温は平年より高い予想です。北海道は数日周期で天気が変わりますが、天気がぐずついて、暑さが収まる時期もある見込みです。東北は平年よりも早めに夏空が広がり、暑さの厳しい日が早く訪れる可能性があります。暑さの厳しい日が多くなるため、暑さ対策をしっかりと行ってください。

8月:気温は平年より高い予想です。上旬と下旬は晴れて暑い日が多くなります。中旬は上空の寒気や湿った空気の影響でぐずつく時期があり、蒸し暑い日が多い見込みです。
また、台風の影響で暑さの収まる時期もありそうです。

9月:気温は平年より高い予想です。季節の進行が平年より遅く、前半を中心に残暑が厳しい見込みです。ただ、前線や湿った空気の影響で東北を中心に曇りや雨となり、暑さの収まる日もある予想です。

東日本

平年より高い

7月:気温は平年より高い予想です。平年よりも早めに夏空が広がり、暑さの厳しい日が早く訪れる可能性があります。まだ身体が暑さに慣れていないため、暑さ対策をしっかりと行ってください。

8月:気温は平年より高い予想です。晴れて暑さの厳しい日が多くなり、熱中症に警戒が必要です。中旬以降は上空の寒気や湿った空気の影響で雲が広がりやすく、暑さの和らぐ時期もある見込みです。にわか雨や雷雨が発生しやすいため、天気の急変にもご注意ください。また、台風の影響で暑さの収まる時期もありそうです。

9月:気温は平年より高い予想です。前半を中心に高気圧に覆われて晴れて残暑の厳しい日が多くなります。後半は台風や前線、湿った空気の影響で強い雨の降る日もあり、暑さが収まる時期もある見込みです。

西日本

平年より高い

7月:気温は平年より高い予想です。平年よりも早めに夏空が広がり、暑さの厳しい日が早く訪れる可能性があります。まだ身体が暑さに慣れていないため、暑さ対策をしっかりと行ってください。

8月:気温は平年より高い予想です。晴れて暑さの厳しい日が多くなり、熱中症に警戒が必要です。中旬以降は上空の寒気や湿った空気の影響で雲が広がりやすく、暑さの和らぐ時期もある見込みです。にわか雨や雷雨が発生しやすいため、天気の急変にもご注意ください。また、台風の影響で暑さの収まる時期もありそうです。

9月:気温は平年より高い予想です。前半を中心に高気圧に覆われて晴れて残暑の厳しい日が多くなります。後半は台風や前線、湿った空気の影響で強い雨の降る日もあり、暑さが収まる時期もある見込みです。

沖縄

平年より高い

7月:気温は平年よりやや高い予想です。高気圧の影響で、晴れて暑い日が多いですが、湿った空気の影響で天気がぐずつき、暑さの和らぐ日もある見込みです。

8月:気温は平年より高い予想です。強い日差しが照りつけ暑い時期と、台風や湿った空気の影響で、暑さの和らぐ時期がありそうです。夜間も気温が下がりにくく、寝苦しい日も続きます。こまめに水分を補給するなど熱中症対策をしっかり行ってください。

9月:気温は平年より高い予想です。台風や湿った空気の影響で暑さが和らぐ時期と晴れて暑さが厳しい時期とがある予想です。

◇お天気アプリ「ウェザーニュース」の熱中症対策コンテンツ

〜熱中症警戒アラートをスマホで受け取れる通知サービス〜
「ウェザーニュース」アプリでは、熱中症警戒アラートおよび熱中症特別警戒アラートが発表された際に、ユーザーへ即時にプッシュ通知します(無料)。熱中症警戒アラートは熱中症の危険性が極めて高くなると予想される日の前日17時頃と当日朝5時頃に発表されるため、事前の対策や予定の変更などに役立ちます。

〜危険な時間と場所が詳細にわかる「熱中症情報」〜
また「熱中症情報」では、48時間先まで1時間ごとの熱中症予報と、7日先までの週間予報を、1km四方で確認できます。一般的に熱中症危険度のランク分けは全国一律ですが、当社は熱中症患者搬送者数とWBGTとの関係を分析し、時期・エリアによる熱中症の発生傾向を考慮した独自の熱中症危険度を6ランク(“ほぼ安全”、“注意”、“警戒”、“厳重警戒”、“危険”、“非常に危険”)で表示します。
熱中症警戒アラートの発表基準である暑さ指数33℃以上は「非常に危険」となり、熱中症警戒アラートよりも詳細に危険な時間帯と場所が確認できます。
さらに、24時間先までの熱中症リスクを250mの超高解像度でマップ上に表示し、どこでいつ危険なのか、熱中症のリスクをひと目で把握することができる「熱中症レーダー」も便利です。「熱中症情報」と併せてご活用ください。

◇高性能気象IoTセンサー「ソラテナPro」

「ソラテナPro」(※1)は、気温・湿度・気圧・雨量・風向・風速・照度の7つの要素を1分毎に観測する小型の気象IoTセンサーです。
ソラテナProでは「暑さ指数(熱中症リスク)」も確認できるため、熱中症対策に有効です。気温、湿度、風速などの観測データをもとに、環境省熱中症予防情報サイトに示されている屋外でのWBGTの計算式を用いて算出し、“注意“、”警戒“、”厳重警戒“、”危険“の4ランクで判定します。利用者の設定条件を満たした場合は、プッシュ通知やメールでお知らせするので見逃しの軽減につながります。なお、高い信頼性と安全性も担保されおり、国土交通省の新技術情報提供システムNETIS(登録番号 KT-240014-A)に登録済(※2)であり、日本で初めての補完観測の予報業務利用の承認を気象庁から取得(※3)した製品です。


※1 ソラテナ Pro はウェザーニューズの登録商標です:
/news/43713/
※2気象IoTセンサー「ソラテナPro®」が国土交通省 新技術情報システムNETISに登録:
/news/46841/
※3 「ソラテナPro」が日本初の補完観測の予報業務利用の承認を取得:
/news/50737/

 

◆2025年7〜9月における「真夏日」「猛暑日」「熱帯夜」日数の予測

 真夏日猛暑日熱帯夜
札幌1602
青森2112
秋田3339
盛岡3021
山形44103
仙台29311
福島461211
新潟48619
富山561518
金沢581032
福井621324
宇都宮501113
前橋581823
水戸45812
さいたま582024
千葉59843
東京571234
横浜56742
長野56103
甲府672516
静岡59532
名古屋761939
岐阜752241
59946
大津641722
京都722641
奈良711926
大阪762156
神戸681260
和歌山741146
鳥取651718
松江591026
岡山732038
広島711748
高松722347
徳島70943
松山731241
高知77540
山口721922
福岡701951
大分68935
長崎66653
佐賀712042
熊本742045
宮崎68938
鹿児島78970
那覇84289
※この予測は過去の平均気温や熱帯の対流活動の指数、各日数との統計関係から独自に算出したものです。なお、過去データは気象庁のデータを使用しています。

 

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