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2050年に向けた海運業界のカーボンニュートラルを考える
環境運航の脇役として海運の脱炭素化を支援

[公開] 2022年02月25日

世界中で脱炭素化への動きが顕著になる中、IMO(国際海事機関)による2050年までのカーボンニュートラル達成の宣言を受け、船舶の使用燃料を重油からLNGやアンモニア等へ切り替えを図るなど、海運業界の脱炭素化の動きが活発化しています。

脱炭素化へ取り組んでいくにあたって、自社の稼働している船隊が年間いくらのCO₂を排出しているのかという点は、海運会社にとって非常に大きな関心事です。一方で、CO₂排出量の試算には、膨大な航海数のモニタリング業務やシステム開発が必要なケースも多く、コストの増加が懸念されています。

ウェザーニューズは、これまで安全性や経済性を軸に船舶の運航支援に取り組んできましたが、脱炭素化の市場ニーズに応じて、CO₂排出量の最小化(環境性)をサービス価値に追加した「環境運航」という考えの下、CO₂排出量監視サービス「Carbon Intensity Monitoring(以下、CIM)」を開発しました。CIMは、リアルタイムで航海中の船舶のCO₂排出量を表示でき、航海終了後には総合的なレポートを提供します。

「CO₂排出量を削減する」と一口に言っても、その具体的な施策は状況によって様々です。例えば、保有船舶の中から、CO₂排出量のベンチマークを超えているものを把握できたとします。その船舶が抱えている課題は、運航手法であるのか、そもそも燃費が悪い船なのか等の分析を実施し、その課題を掘り下げることで、より最適な運航手法を実現するソフトウェア対策や、エンジンの改良や環境性能の高い船舶に入れ替える等のハードウエア対策が見えてきます。

このようなサイクルにおいて、CIMを用いることで、航海終了後に直ちにレビューし、データ分析から改善策を検討するなど、早い段階での環境性評価や対策検討が可能となります。加えて、ウェザーニューズという第三者によるレポートがあることで、算出数値の信憑性にも繋がると考えています。
交通気象事業主責任者(航空・航海・陸上) 岩佐 秀徳

このように、海運業界のカーボンニュートラル実現のプロセスとしては、CO₂の見える化がまず現状理解の上で必要であり、その次は削減のソリューション、さらに次は削減量の価値化やカーボンオフセットの仕組みが待っていると考えています。

CO₂の見える化や価値化は、環境運航に取り組む荷主、運航会社と船主、その他ステークホルダーの努力を可視化することを意味します。環境運航の脇役として、今後もウェザーニューズは海運の脱炭素化に向けて取り組んでいきます。


※CIMの詳細は、2021年9月29日発表のプレスリリース「「CIM(Carbon Intensity Monitoring)」の本格提供開始」をご参照ください。
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▼関連サイト
GRID社公式note 「ウェザーニューズが挑む脱炭素の未来ー海運編ー」

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