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15日トンガ火山噴火による衝撃波に伴う急激な気圧変化を観測
気象観測機「ソラテナ」の気圧データを研究者向けに無償提供
全国3000カ所の観測網で17日も気圧変化を確認、衝撃波が地球1周して再来か
モバイル/インターネット >株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開 千仁)は、トンガ諸島付近で発生した大規模な火山噴火の影響とみられる急激な気圧変化について、全国約3000カ所に設置された独自の気象観測機「ソラテナ」が高密度に観測していることを確認しました。当社は、研究者によるメカニズム解明のため、今回の気圧の観測データを無償で提供いたします。
1月15日13時頃にトンガ諸島周辺のフンガトンガ・フンガハアパイで大規模な噴火が発生した影響で、全国で一時的な気圧変化が観測されました。15日20時頃に「ソラテナ」が観測した気圧変化は、15日の噴火に伴う衝撃波「空振」によるものとみられます。また、17日9時頃にも同様の気圧変化を捉えており、これは空振が地球を1周して再び日本に到達したことで引き起こされた可能性が考えられます。
「ソラテナ」は、気圧や気温、湿度など全6要素を1分毎に観測する独自の気象観測機で、全国約3000カ所の日本最大級の高密度な観測ネットワークを築いています。全国の観測データを研究にご利用いただくことで、噴火に伴う津波の発生や空振の現象解明などに役立てていきたいと考えています。
気圧データ提供に関するお問い合わせはこちらから |
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トンガ火山噴火の衝撃波に伴う気圧変化を確認
2022年1月15日の20時から21時過ぎにかけて、独自の気象観測機「ソラテナ」で全国的な気圧変化を観測しました。これは、15日13時頃にトンガ諸島周辺のフンガトンガ・フンガハアパイが噴火した時の衝撃波「空振」によるものとみられます。
「ソラテナ」による気圧変化を見ると、気圧が上昇した後、すぐに気圧の下降が起こり、同心円状に伝搬している様子がわかります。これは、衝撃波に特有の加圧(気圧上昇)と減圧(気圧下降)を捉えていると推定され、火山噴火の規模が大きいことを示しています。
〜17日は空振が地球を1周して再び到達か〜
また、1月17日の9時前から10時過ぎにかけて、再び全国で気圧変化を観測しました。「ソラテナ」の気圧データから、関東や伊豆諸島など日本列島の南東側から同心円状に、気圧が上昇し、直後に下降している様子がわかります。15日に発生した気圧の変化は約2hPaで、17日は大きいところでも1hPa程度でした。
これは15日の噴火に伴う衝撃波による気圧変化とみられ、17日9時前に地球を1周して再び到達した可能性が考えられます。衝撃波の速度が一定だと仮定すると、地球を一周して再び日本に到達する時間帯は、17日9時前後と想定されていたためほとんど一致しています。
加えて、地球を反対回りで進んできた空振が16日17時から18時頃に日本付近を通過したとみられ、同時間帯に微小な気圧変化が観測されました。
※関連ニュース
1月15日 お天気ニュース:トンガでの火山噴火による衝撃波か 日本各地で急激な気圧変化
https://weathernews.jp/s/topics/202201/150195/
1月16日 お天気ニュース:火山噴火による空振で津波が発生か 気圧急上昇の観測と良好な対応
https://weathernews.jp/s/topics/202201/160175/
1月17日 お天気ニュース:トンガ火山噴火による衝撃波が地球1周して再来か 今朝も各地で気圧変化
https://weathernews.jp/s/topics/202201/170085/
気象観測機「ソラテナ」の気圧データを研究用に提供
東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授によると、トンガで発生した大規模な火山の噴火に伴う空振が、日本を含む環太平洋各地での津波を発生させ、津波を大きくした可能性があると言います。
当社は現象解明や防災につながる研究にご活用いただくため、気象観測機「ソラテナ」による今回の気圧の観測データを研究用途に限定し、無償で提供します。データ提供を希望される研究者の方は、利用目的を明記の上、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
▼気圧データ提供に関するお問い合わせはこちらから
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提供データ仕様
データ種別 | 現地気圧 |
単位 | hPa |
データ期間 | 2022年1月15日20:00〜17日10:00(日本時間) |
時間解像度 | 1分間隔 |
地点数 | 今回有効なデータを取得した全国約1600地点 |
提供方法 | CSVファイル |
参考:高性能気象IoTセンサーを企業向けに販売
当社は、今回の火山噴火による衝撃波を捉えた「ソラテナ」(Ver.1.0)の観測データを他の様々な情報とあわせて解析し、その解析データを気象予測に反映させることで、より高精度な天気予報を可能にしています。
また、法人向けに新たに開発した気象IoTセンサー「ソラテナ」(Ver.2.0)の販売を行っています。企業向けの「ソラテナ」は、気温・湿度・気圧・照度・紫外線・風向・風速・雨量の8要素を1分毎に観測します。小型かつ軽量なため持ち運びも簡単で、電源を入れるだけで観測が開始します。観測データは専用ウェブサイトから閲覧できるほか、観測データはクラウドに保存されてAPIなどで提供できることから、企業は観測データをクラウド経由で取得して、自社のシステムに組み込むこともできます。なお、企業向け「ソラテナ」の観測データは、企業様での利用に限らせていただきます。
製品仕様につきましては、下記プレスリリースをご参照ください。
▼2021年10月21日発表:高性能気象IoTセンサー「ソラテナ」法人サービスに新機能
/news/37811/