2025.08.07

圧倒的な速さと専門的な解説で命を守る地震情報を届けたい 「ウェザーニュースLiVE」の地震発生時の裏側

「地震だ!」と感じた瞬間、私たちの頭には様々な疑問や不安がよぎります。切迫した状況で、命を守り、適切な行動をとるためには、迅速かつ正確な情報が必要です。

当社は、お天気アプリ「ウェザーニュース」で最新の地震情報をお届けしている他、YouTube登録者数145万人(2025年7月時点)の気象情報番組「ウェザーニュースLiVE」を24時間365日生放送で運営しており、地震発生時にはどの番組よりも早く地震に関する放送へ切り替えて放送を行っています。 今回は、「ウェザーニュースLiVE」における地震発生時の放送について、多くの視聴者へ伝える立場として意識していることや、毎週取り組んでいる地震訓練について、モバイルインターネット事業部 動画制作チームの林和久氏に話を聞きました。

地震発生直後の視聴者は最大40倍に、いざというとき選ばれる理由とは

ウェザーニューズ モバイルインターネット事業部 動画制作運営チーム 林和久 氏
ウェザーニューズ モバイルインターネット事業部 動画制作運営チーム 林和久 氏

地震はいつ、どこで発生するかわかりません。外出中や就寝中に大きな揺れを感じたとき、情報を集めようと多くの人がまず手にするのはスマートフォンではないでしょうか。YouTubeやTikTokで24時間配信している「ウェザーニュースLiVE」は、お手元のスマートフォンからすぐにアクセスできる利便性の高いコンテンツです。

「ウェザーニュースLiVE」では、地震が発生するとすぐに地震情報に特化した放送に切り替わります。このとき、視聴者数が最大で約40倍にまで急増することがあります。これは、地震発生時に「ウェザーニュースLiVE」が信頼できる情報源として、視聴者から支持されていることを示しています。

視聴者の皆様に選ばれる理由は、地震情報をどこよりも早くお届けする速報性、専門的な知識を持った解説員による詳しい解説を提供する専門性、視聴者からの情報も共有する双方向通信型の放送という3点にあると私たちは考えています。

速報性:24時間生放送、地震発生時は即座に地震に関する放送へ切り替え

気象庁から「緊急地震速報」が発表されると、スタジオに隣接する副調整室(放送サブスタジオ)に緊急アラームが鳴り響き、番組スタッフはすぐに放送画面を切り替えます。地震発生から「ウェザーニュースLiVE」の画面に「緊急地震速報」が表示されるまで、わずか数秒という速さです。

揺れが収まった後も、気象庁から受信した震源や震度に関する情報を、ほとんど時差なく最速で伝える体制が整っています。

深夜に大きな地震が発生した場合でも、「ウェザーニュースLiVE」は解説員が自宅からオンラインで生中継を行い、詳しく解説します。

多くの人が就寝中に起こる深夜の地震は、特に不安を感じやすいものです。私たちは、こうした不安を少しでも和らげ、視聴者の皆さまに安心をお届けするためのバックアップ体制を整えるようにしています。

専門性:地震のメカニズムを解説、視聴者へ適切な行動を促す

大きな地震が起きたとき、「ウェザーニュースLiVE」の解説員が詳しくお届けします。特に震度5弱以上の地震が発生した際は、山口剛央をはじめとする専門的な知識を持った解説員が、多角的な視点から地震についてわかりやすく解説します。

具体的には、過去にその場所でどんな地震が起きたか、最近1か月間に周辺で起きた地震の傾向、「正断層型」「逆断層型」といった地震のメカニズム、周辺にある断層との関連、今後の余震の見通しなどを詳しくお伝えします。

また、視聴者からの質問に答えながら解説を進めることもあるため、地震の情報をより深く理解していただけると思います。

双方向通信:アプリユーザーから届く被災地の生の声をお届け

視聴者のコメント(左上)、ウェザーリポート(右上)、ソラミッションの結果(左下)、天気アプリ「ウェザーニュース」のバナー表示(右下)
視聴者のコメント(左上)、ウェザーリポート(右上)、ソラミッションの結果(左下)、天気アプリ「ウェザーニュース」のバナー表示(右下)

地震が起きると、YouTubeの視聴者数がぐっと増え、チャット欄には多くのメッセージが飛び交います。これは、多くの人がリアルタイムで状況を知ろうとし、同時に不安を共有したり情報を交換したりしている表れだと考えられます。

また、お天気アプリの「ウェザーニュース」も重要な役割を担っています。ユーザーからの体感報告により、揺れの強さや揺れの範囲が気象庁が発表する震度情報よりも早く把握することができます。また、ウェザーリポートやソラミッションにより寄せられる情報で、詳細な被害の状況を確認することができます。さらに、「ウェザーニュース」からは地震発生を知らせる通知が届き、人々が迅速に情報を集め、安全確保行動へと移るきっかけを作っています。

YouTubeのチャット: 「揺れが強く感じられた@東京都大田区」や「被害はなかった@静岡」など、視聴者の方々が揺れの体感や被害の有無を、現在地とともにリアルタイムで投稿してくれます。

ウェザーリポート: 地震で物が落ちた写真や、室内の照明が揺れている動画など、被害の様子を視覚的に伝える情報が届くこともあります。

ソラミッション: アプリのアンケート機能「ソラミッション」では、ユーザーが“揺れを感じたかどうか”、“その揺れがどのようなものだったか”、“被害の有無”などを選択式で回答することができます。この結果は地図上に表示され、地震発生時の状況を広範囲にわたって把握するのに役立ちます。

これらの「生の声」は、番組のキャスターがライブ配信中に拾い上げ、視聴者へと共有することで、視聴者の皆さんは地震発生直後から正確な情報をタイムラグなく受け取ることができます。 地震発生時にはYouTubeのような動画プラットフォームと「ウェザーニュース」のような専門アプリが連携し、人々が情報を得て行動するための重要な役割を果たしていると感じており、「ウェザーニュースLiVE」では単に事実を伝えるだけでなく、視聴者の皆さんが適切な防災行動を取れるような情報発信を常に心がけています。

「いざという時」に備えて、地震訓練を毎週実施

地震訓練終了後の反省会の様子
地震訓練終了後の反省会の様子

「ウェザーニュースLiVE」では、大きな地震や津波の発生があった場合を想定して、定期的に地震津波訓練を行っています。この訓練では、視聴者に的確な情報を伝えられるよう、大地震発生時の情報伝達方法や津波警報・注意報が発表された際の呼びかけ方などを確認します。刻々と変化する状況に動揺したり手間取ったりすることなく、指定時間内は中断なしでノンストップで行うことで、より現実に近い状況を再現しています。 訓練を通して、スタッフは実践的な対応策を学び、実際の状況下でも冷静に放送を続けられるよう備えます。また、訓練後には反省会を開き、改善点などを洗い出して次の災害に備えています。

迅速かつ適切な情報提供で全視聴者の防災意識を高めたい

近年、南海トラフ巨大地震や首都直下型地震のような大規模な地震がいつ発生してもおかしくない状況です。このような中で、「ウェザーニュースLiVE」は、皆さんの防災意識を高め、適切な情報入手をサポートしたいと考えています。

私たちは24時間365日体制で最新の気象情報を生放送でお届けしており、日頃からチャットや天気リポートを通じて視聴者の皆さんと活発にコミュニケーションを取っています。この日頃からの信頼関係こそが、有事の際に「ここに行けば正確な情報が得られる」という安心感につながり、大きな力を発揮すると考えています。

緊急時など緊迫した状況では、命を守るために迅速かつ正確な情報が不可欠です。「ウェザーニュースLiVE」を信頼できる情報源の一つとして活用していただくことで、地震や気象災害による被害の軽減を目指していきます。

過去の情報発信例

「ウェザーニュースLiVE」では、2016年4月に熊本県で発生した熊本地震について、いち早く注意喚起を行っていました。この地震では、4月14日と16日に震度7の非常に強い揺れを観測する大地震が2回発生し、多くの被害が出ました。「ウェザーニュースLiVE」は、最初の大きな地震が起きた翌日の4月15日の地震解説で、これまでの地震データや過去の事例をもとに、今後さらに規模の大きな地震が起きる可能性があるとして、視聴者に警戒を呼びかけていました。専門的な知見を活かして早期に注意を促すことで、多くの人に事前に備えるようにお伝えしていたのです。 【地震情報】熊本県震度7 2016.4.15 0:10更新