サステナビリティへの貢献Sustainability

Commitmentコミットメント

気象を味方に、未来を豊かに、あなたとともに

1970年1月、福島県いわき市。小名浜港を襲った爆弾低気圧により、貨物船が沈没。15名の尊い命が奪われました。当時の気象技術ではそのような爆弾低気圧の予測が難しく、また、船乗りのための気象情報も存在しなかったのです。

「本当に役立つ気象情報があれば、この事故は防げたかもしれない」

創業者の石橋は、この事故をきっかけに気象の世界へと進み、1986年にウェザーニューズを設立しました。

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昨今、台風の大型化、季節外れの大雪、乾燥による沈静化しない山火事など、気候変動による気象の極端化を私たちは目の当たりにしています。これまで経験したことのない極端気象により尊い人命が失われ、経済活動が停止されることもあります。

こうした気象の急激な変化による災害を減らすため、気象リスク最小化への取り組み、気候変動の緩和という大きな社会課題へのアクションを起こすべきタイミングにきています。

いますべきことは、100年後の気候変動に向けた緩和と適応(自助・公助・共助)への取り組みです。年々激しくなる気候変動による気象災害から人を守るために、創業以来、日々の気象と向き合い続け、「精度90%以上の気象予測技術」と「世界最大規模の気象データベース」というコアコンピタンスを持つウェザーニューズだからこそ、気象・気候の社会問題に挑む使命があります。

気象はその土地で暮らしている人々が最も理解し、その変化を敏感に感じ取ることができるもの。ウェザーニューズは"サポーターとの共感・共創"の理念を掲げて、サポーターの皆様と共に気象サービスを創りあげてきました。この価値創造が、いま顕在化している社会問題への解決・SDGsの貢献につながると信じています。

地球存続へのアクションに責任のある企業・個人・研究機関とともに、気候変動解決に向けての仕組みづくりを行っていくこと、そして、これまで培ってきた事業や取り組み、気象観測技術をさらに強化していくことがウェザーニューズのミッションであり、持続可能な社会へ貢献することにつながると考えています。

ウェザーニューズは、日々の天気予報から視点を拡大させ、100年後の気象への対応策、気候変動・激甚災害の解決に向けて、より一層、世界中のサポーター(顧客・株主・パートナー)の皆様とともに価値創造を推進し、気候変動という大きな社会課題の解決に挑んでいきます。そして、持続可能で豊かな未来をともに創造してまいります。

> 環境基本方針
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Materialityマテリアリティ

気象を味方に、未来を豊かに、あなたとともに

私たちは気象を事業ドメインとし、また「いざというときに人の役に立ちたい」という経営理念を持つ企業として、気象を軸とした価値創造を通して人間社会・企業活動・地球環境がともに持続可能な社会の実現を目指します。

持続可能な社会の実現に向けて、社会課題の重要性と私たちの事業・経営理念とを照らし合わせて、重点的に取り組むべき4つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。

まず、事業を通じた社会への価値創造として、「気候変動の緩和」と「強靭な街づくり」を、次に社会への価値創造を推進するための重要な基盤として「技術革新&パートナーシップ」、「ダイバーシティ&インクルージョン」を特定しました。

そしてこれらの企業活動全体を支える経営基盤として「ガバナンスの強化」に取り組みます。

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気候変動の緩和

気象・気候を味方につける

サンフランシスコから東京まで荷物を運ぶ大型の貨物船。より安全に、かつCO₂排出量を抑えるためにはどの航路とスピードで航海すればよいのか。昨日より体感気温の上昇が予想されるエリアの電力会社では、安定的に、かつ過剰な発電によるCO₂排出量を抑えるにはどのような発電計画を策定すればよいのか。
ウェザーニューズでは日々、このような複雑な最適解をAI等を活用した最新の予測技術を用いて、お客様の事業利益最大化と環境負荷低減に貢献しています。
また、それらの提案を通して削減できたCO₂排出量をお客様とのパートナーシップで可視化し、業界・社会全体として持続的に成長できる仕組みづくりに取り組みます。

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強靭な街づくり

気象・気候に適応できる暮らし

気象・気候の変化を捉え、自然災害から私たちの生命・財産・経済を守る情報を提供します。また、災害による危険や被害を大幅に抑えられる街づくり、迅速な復興を可能にする強靭な地域づくりを実現します。

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技術革新&パートナーシップ

誰もが気象情報にアクセスできる社会へ

世界中の誰もが必要なときに有益な気象情報を入手できるようにするため、経済・社会・環境を支える気象・気候技術の革新と利便性を追求します。

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ダイバーシティ&インクルージョン

気象・気候への想いを持つ人財が輝ける会社であるために

気象・気候に想いを持つ世界中の人々のために公正で公平な雇用・成長機会を提供し、一人ひとりの能力が最大限に発揮されるよう支援します。

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マテリアリティの特定に当たっては、SDGsを活用し、GRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)/国連グローバル・コンパクト/WBCSD(世界経済人会議)が発行した SDG Compassを参考にして、専門知識を有する外部専門家の協力を得ました。

Governanceガバナンス

コーポレートガバナンスの基本的な考え方

当社は、自らが市場に対して開かれた会社であるという深い自覚を持ち、株主をはじめ、お客様、役員・スタッフなどを含むあらゆる人々との情報交信を通じ、当社の「サポーター価値創造」を、社員全員の力で実現することを経営理念としており、中長期的な企業価値・株主価値の最大化に努めております。また「いざというときに人の役に立ちたい」という理念を持つ企業として、人間社会・企業活動のみならず、地球環境がともに持続可能となる社会の実現が私たちのミッションであると考えております。
Transparency(透明性)という当社の企業理念のもと、法律に規定される情報開示にとどまらず、自ら企業理念・文化・経営戦略・ビジネスモデル・将来の価値創造に向けたビジョン等を積極的に開示し、当社の企業価値を巡る根源的な考え方を示すことで、サポーターとの相互信頼を醸成し、中長期的な企業価値の向上の共創を目指します。

ガバナンス体制

当社は監査役会設置会社であります。上記のとおりのコーポレートガバナンスの基本的な考え方に基づき、事業に精通した取締役と独立した立場の社外取締役から構成される取締役会が、的確かつ迅速に重要な業務の執行決定と取締役による職務執行の監督を行うとともに、法的に監査権を有する監査役が公正性と独立の立場から、取締役の職務執行を監査し経営の監督機能の充実を図る体制が、経営の実効性と公正性・透明性を確保し、当社の健全で持続的な成長に有効であると判断し、現在の体制を採用しております。

体制図

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取締役会

(役割)
取締役会は「経営の実効性と公正性・透明性」を実現するため当社事業に精通した取締役と独立した立場の社外取締役から構成し、的確かつ迅速に重要な業務の執行決定と取締役による職務執行の監督を行うとともに、取締役が経営者として職務の執行・監督を効果的・効率的に行うために執行役員制を採用し、執行役員に業務執行の権限を委譲したうえで、取締役(会)が執行役員の業務執行を監督します。また、各監査役は、独任制のもと取締役会に出席し、業務執行の意思決定状況や、取締役の職務の執行に対する監督状況を確認しております。
(構成)
当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に必要な取締役会全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性を確保するために、スキルマトリックス等を活用し取締役の選定をしております。うち社外取締役は、企業経営者・有識者など全取締役の1/3以上選定することとしています。

監査役会

(役割)
監査役会は、当社グループの業務に深い見識を有する社内監査役と、専門性に優れた社外監査役から構成され、公正性と独立の立場から取締役の業務執行について業務監査並びに会計監査を行い、経営の監督機能の充実を図ることで経営の実効性と公正性・透明性を確保し、健全で持続的な成長 に寄与しております。
(構成)
監査役4名以内で構成されており、法令に定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、補欠監査役を選任することがあります。

指名委員会・報酬委員会

(役割)
指名委員会取締役会の諮問機関で、取締役会から示された当社の経営陣に新たに参画する取締役・監査役・執行役員の候補者を、その遂行実力、人格等の面から総合的に評価し、取締役会へその内容を答申しております。

報酬委員会
取締役会の諮問機関で、取締役会から示された当社取締役・執行役員の報酬体系・報酬額案について、各取締役・執行役員の実力・実績を基本として役職・責任に応じて客観的な視点から評価し、取締役会へその内容を答申しております。

(構成)
指名委員会[社外]取締役(2名)・監査役(2名)、[社内]代表取締役(1名)・監査役(2名)から構成されております。

報酬委員会[社外]取締役(2名)・監査役(2名)、[社内]監査役 (2名)から構成されております。

役員の業績評価

個々の役員・スタッフの業績に対する評価は、一人ひとりが、「MMCL(My & My Colleague Leader=私は私と私の仲間のリーダー(自らが行動を見せることにより仲間をリードしていく起業家))」の精神に基づき、(大)事業方針にそって各人が(小)目標・課題・問題点などを定め、これらを「有言」し、テーマを共有化することをこの評価システムの基本としております。
3ヶ月ごとに役員・スタッフにより開催されるMMM(Matrix Management Meeting)にて、客観的な市場の目による評価に基づき、全社の目による管理・確認を行っております。また有言・実行に際しては未達成でも評価され、単なる「結果主義」に陥ることなく「プロセスも同様に評価する」と考える透明性、納得性の高い業績評価システムを運営しております。

内部統制システムの整備の状況

当社は、取締役会において決議された「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づき、内部統制システムを整備し運用しております。

倫理行動規範

ウェザーニューズは気象情報の価値は「人命や財産を守ること」にあり、当社の使命と認識しています。持続可能な社会の実現に貢献し、社会から信頼される企業であり続けるために、当社グループの全ての役員、及び、スタッフ一人ひとりが社会的責任の重要性を認識し、行動しなければなりません。

社会的責任を果たし、持続的な成長・発展を遂げるため、規範的行動を明確化した倫理行動規範を策定しております。当社のスタッフ一人ひとりがこれを遵守し、企業価値、株主価値、コンテンツ価値を高め、自然と共存する豊かな人間社会に貢献します。

また、社員一人ひとりが倫理行動規範を意識した活動を行うよう、以下のような取り組みを行っています。
1)行動規範に関する研修を、社員全員に対して毎年実施
・「行動規範」を一人ひとりが深く理解し業務に繋げていくこと
・ハラスメントについての理解浸透
・ハラスメントに遭遇した際の対処、及び相談先に関する理解の向上

2)行動規範に反する行いを見た・受けた場合に、社員が相談できる場「Pit in Spot」と、内部通報の「ほっとライン」を設置
・Pit in Spot…「体と心の相談」「仕事や働き方の相談」「仲間とともに心身のリフレッシュ」「仲間と知見を高めあう(英会話、日本語等)」の4つの機能を持つ
・ほっとライン…通報者保護のために第三者期間を窓口とし、匿名性が保たれた社外窓口。電話とメールで対応が可能

Future Vision未来のビジョン

地球環境との共生

気候変動がもたらす極端気象により、2018年には世界で6000万人もの人※が影響を受け、時には家を失い、命を落としているいま、気候変動は人類の存続にとって待ったなしの課題となっています。
気候変動の抑制のためにはCO₂排出量削減が重要なテーマの一つであり、世界中の国や企業、個人一人一人それぞれがCO₂排出量削減に取り組んでいます。
しかし、その規模の大きさや不確実性により、実感を持った取り組みにつながりにくいという課題があります。

天気予報は、まずは正しく実況を観測することから始まります。
それにより精度の高い予報を出すことができます。そして精度の高い予報に基づき、人々は、傘を持っていく、車にチェーンをつけるといった具体的で効果的な対応を取ることができます。
気候変動の緩和においても、まずは地球の「いま」を知ることが第一歩であると考えております。
そこから一人ひとりが今できるアクションを考え、実際に行動することが未来の持続可能な社会の実現につながるものと確信しております。

航海気象チームでは、世界の大型船舶の約半分にあたる1万隻をサポートしており、その一船一船から、海上の波の高さや風の強さ、船のエンジンの回転数に関する情報が数時間おきに提供されます。それらを解析することで精度の高い気象予測と、安全かつ最も燃費効率の良いルートとエンジン回転数を提案することができ、その結果、年間にして約280万MTのCO₂排出量の削減に貢献しています。

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このように「いま」を知り、それぞれが最適なアクションを取り、実際の環境負荷低減効果を可視化するという動きを社会全体に広げることができれば、企業や業界、そして個人一人ひとりが環境負荷低減により深くコミットでき、その取り組みを加速することができると考えています。
そのためには、個人・企業・行政・大学など、多くのステークホルダーがお互いのパートナーシップをよりいっそう強化し、叡智を結集する必要があります。また、CO₂や環境の変化に特化した新たな観測ネットワークや情報収集プラットフォームの構築、そしてわたしたち一人ひとりが気候変動を自分ごととして捉えて参加可能な仕組みづくりなどが求められるでしょう。

ウェザーニューズは創業以来、世界中から気象データを収集し、独自の気象解析・予測技術を高め、時には気象観測衛星など、自分達で観測インフラの開発・展開を行ってまいりました。またユーザー参加型の双方向型のサービス・仕組みづくりを行うことで、世界約2,500社の企業と一日に寄せられるリポート数が約18万通にものぼる個人サポーターとのパートナーシップ関係を強化してきました。
それらの経験と強みを結集することで、気候変動緩和への挑戦の一歩として「地球環境のいま」の可視化に挑戦します。

例えば、人工衛星が常に宇宙から地球上のCO₂量や気象の変化を観測し、世界の船舶や航空機全てがCO₂観測器を備え付け海上や上空のCO₂濃度をモニタリングし、わたしたち一人ひとりがいつでも今いる場所のCO₂濃度や大気の状態を測り、それらの環境に関するビッグデータを一箇所に集めて誰もがアクセスすることができれば、「地球環境のいま」がリアルタイムに見えるようになるでしょう。 さらに、地球全体の自然バランスに影響を与えないことを前提に、最新の科学技術を用いて極端気象による大雨や落雷などの自然災害を軽減する気象制御に関する研究をパートナー企業とともに継続的に取り組んでおります。

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ウェザーニューズは、わたしたち一人ひとりが「地球環境のいま」を知り、100年後も豊かな社会でありつづけられる未来を想像しながら、今日・明日の行動を変えていくためのリードカンパニーとなることを目指します。

参考動画:気候変動への適応と緩和を考える会

※国連広報センター:https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/32225/