2025.11.06
プロに聞く!紅葉を楽しむためのアプリの使い方

ウェザーニュースのアプリやWebサイトでは、通常の天気予報や防災情報の他にも、季節ごとに天気に関連するコンテンツを数多く発信しています。
その中でも紅葉に関するコンテンツは、山登り、写真撮影、など、ユーザーの関心度が高いコンテンツの一つで、ウェザーニューズとしてもチームを横断して全社的に取り組んでいます。 今回は、予報センターの柿沼茜氏、アプリ運営チームの加藤夕貴氏、右梅絢一氏に集まっていただき、今年の秋に向けた新しい取り組みやおすすめのアプリの使い方などを座談会形式で話してもらいました。
1日最大400件、現地の様子を確認し紅葉の見頃を予報

広報:今年の夏は暑かったですがすっかり秋めいてきましたね
アプリ担当 加藤:すっかり秋の空気になりましたね。実は、7月の初旬に、関係者を集めて今年の紅葉コンテンツをどう運用するか社内ミーティングを実施しました。
広報:そんなに早くから?
予報センター 柿沼:はい。紅葉の見頃予報を行う時に、夏の間にどれだけ雨風の影響を受けたか、というのも重要なポイントなんです。7〜8月にかけて、大雨や台風の影響がで始めるころ、紅葉スポットの管理者へ現地の様子を独自取材して、葉の傷み方などを確認します。
アプリ担当 加藤:お天気アプリ「ウェザーニュース」のユーザーの皆さんにもアンケートをとりました。今年は、「葉っぱの大きさ」や「葉っぱの形」という面でいうと北海道と四国が悪化傾向がみられます。四国を除く西日本では、極端に状態の悪い樹木の報告は届いていません。
予報センター 柿沼:紅葉予想は、これらの葉の状態に加え、気温、日照、といった情報をもとに総合的に判断し、見頃予想日を算出しています。 特に気温の推移を重視します。だいたい気温が8℃を下回ると葉が色づき始めて、5℃くらいになるとさらにぐっと進み日照も少なからず影響します。
紅葉の見頃が近づいてきたこの時期も継続的に現地への独自取材を行い、観光協会や行政機関、施設管理者などの協力を得て、葉の様子をチェックしています。 取材件数は多い時で1日400件。1件1件お電話しながら「葉の色付きはどうですか?」と問い合わせ、「今が一番綺麗で見頃!」と言われるとこちらも嬉しい気持ちになり、見に行ってみたいなと思います。 今年も紅葉シーズンがはじまるな、とワクワクしています。
今年は1,200地点の予報にチャレンジ!ここが面白いウェザーニューズの独自紅葉情報

広報:ウェザーニューズ独自の紅葉情報にはどのようなものがありますか?
右梅:ウェザーニューズでは2012年以来、14年以上紅葉の写真をデータとして蓄積しています。これらの写真を予報に使っているのは、ウェザーニューズならではの取り組みです。そして、今年は過去最高の1,200地点の紅葉予報にチャレンジします!日本で1,200地点を超える紅葉名所を確認できるのはウェザーニューズだけです。
柿沼:新しく追加した紅葉名所は、アプリユーザーの皆さんから教えていただいた紅葉スポットです。1,000地点の予報を実現するために、今まで手動で行っていた作業を一部自動化するなど、工夫を重ねました。また、週末のおすすめスポットを紹介する時には、人気の高い名所をもれなく紹介できるように運用をアップデートしました。
その他、ウェザーニュースLiVEには気候変動をテーマとした「100年天気予報」というコーナーがあるのですが、そこでは2100年の紅葉の見頃予報をご紹介しました1。このまま温暖化が進むと、一部の地域で紅葉できない可能性もあると知り驚きました。
年間75,000通のお便りが届く、紅葉を楽しんでもらうためのアプリ活用法

広報:アプリユーザーの皆さんへ、アプリのおすすめの使い方を教えてください。
加藤:3つのパターンでご紹介しますね。
⛰️紅葉狩りに行きたいあなたへ 紅葉スポットページから、名所を検索できます。 都道府県を選択すると紅葉の名所が写真で表示され、旅のイメージが掴めますよ🍁 今の紅葉の状況と見頃予想が一目でわかるので、アプリ初心者の方にもおすすめです!
🚗旅のついでに紅葉を楽しみたいあなたへ レーダー画面の「紅葉モード」を選ぶと、紅葉の色づき状況を「まだ」「見頃」「落葉」の3段階でマップに表示してくれます。2か月先までの予想が、3日ごとに、250mメッシュの細かさで確認できるため、旅行の予定に合わせて見頃の名所があれば、寄り道をして紅葉を楽しんでみてはいかがでしょうか😊
🍁毎年紅葉を楽しんでいるあなたへ お気に入りの名所を見つけたら、「紅葉アラーム」の登録がオススメです。登録地点が「色づき」「見頃」になった時にプッシュ通知を受信できるので、しっかり見頃を狙えます💪 最大5か所まで無料で登録できるので、行きたい名所が複数あっても大丈夫です!
右梅:アプリユーザーの皆さんからは、毎年75,000通の紅葉の写真が届きます。 私たちは、現場から集まるこの”喜びの声”を他のユーザーの皆さんにも知って欲しくて、ぜひ現場を訪れて秋の美しさを感じて欲しくて、日々情報の作成に取り組んでいます。 こうしたお便りが届くと、紅葉を楽しむ皆さんの笑顔が目に浮かぶようで私たちも嬉しくなります。集まった素敵な写真は、秋の知らせを届けるニュースとして、ウェザーニュースのニュース記事にも使わせていただいていますよ。
なお、ヒグマがでたのでアプリで紅葉名所を取り下げたところもあります。皆さんに安全に楽しんで欲しいので、情報発信をする立場として、情報の発信の仕方にも注意を払っています。
色付きに期待!今年の紅葉の見頃は平年並〜やや遅い予想

柿沼:毎年、北海道の大雪山旭岳で最初の紅葉の知らせが入ります。今年はすでに東北・北海道、長野県の一部では見頃を迎えており、11月の後半から関東以西で色付きが始まります。また、北陸・東海・近畿・中国・四国では平年並かやや遅く、九州では平年より遅い見頃となる予想です。
今年は夏の記録的な暑さの影響で葉焼けしているなど葉の健康状態があまり良好ではないため、一部の葉の色付きに影響する可能性がありますが、既に紅葉シーズンが終了した大雪山・銀泉台(北海道)では予想よりも鮮やかな紅葉となりました。今後は、葉が鮮やかに色づくために必要な日差しと雨が見込めそうですので、これから見頃を迎えるエリアにも期待したいです。


