2025.11.07

Maritime Innovation Summit 2025 in Greece: 海運業界の持続可能な未来に向けて、イノベーションサミットをギリシャで開催

ウェザーニューズはギリシャの日本大使館で、海運業界向けのイノベーションサミットを開催しました。当日は70名を超える参加者が集まり、ヨーロッパにおける当社の海運サービスの取り組み紹介や、今後の海運市場の発展に向けた意見交換が行われました。

本ブログでは、本イベントの開催目的や基調講演の内容をご紹介します。

ギリシャの日本大使館に、海運政策大臣や海運関係者70名が集結

2025年10月23日、ギリシャの日本大使館で「海洋イノベーションサミット(Maritime Innovation Summit)」を開催しました。

ギリシャは、世界有数の船主国として長年にわたり世界の物流を支えてきました。アテネ周辺には、世界を代表する多くの船主や海運オペレーターが拠点を構えています。

今回のイベントでは、海運業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、船舶向けの最新気象技術やサービス、海事安全、戦略的な協力関係について議論することを目的としていました。「本当に求められる気象情報サービスとは何か」を考える上で、海運の中心地であるギリシャはまさに最適な場所でした。

本イベントには、ギリシャの海運・島嶼政策大臣イオアニス・K・クシラス氏、日本国大使の伊藤公一氏、Ariston Navigation Corp. 社長兼CEOのイオアニス・キシラス氏をはじめ、ヨーロッパに拠点を置く海運事業者の幹部など約20社・70名が参加しました。

持続可能な未来に向けビジョンを共有

ギリシャの海運・島嶼政策大臣 イオアニス・K・クシラス氏
ギリシャの海運・島嶼政策大臣 イオアニス・K・クシラス氏

基調講演では、ギリシャのワシリス・キキリアス大臣は「日本はイノベーション、自動化、ロボット工学のパイオニアです。ギリシャには経験、ノウハウ、そして誰よりも海を熟知した人材がいます。この組み合わせは爆発的な力を持ち、グリーントランジション、持続可能な開発、そしてゼロエミッション海運という共通目標を掲げ、海運の未来を再構築することができます。」と述べ、ギリシャと日本の関係の将来について言及しました。

ギリシャの日本国大使 伊藤公一氏
ギリシャの日本国大使 伊藤公一氏

また、ギリシャの日本大使伊藤公一氏は「情報の正確さは、海運の新たな原動力です。人工知能ツールとデジタルプラットフォームの進化により、気象予報はもはや航海の安全だけでなく、船隊全体の戦略的効率性にも関わってきます。気候変動の影響を受ける世界において、ウェザーニューズは安全、テクノロジー、そして持続可能性という、海運の未来を体現しています。」とウェザーニューズに期待のメッセージをいただいた他、「日本語で”crisis”は「危機」と表しますが、「機」という言葉は「好機」を意味します。あらゆる危機を乗り越えれば、必ず進歩の可能性が生まれます。日本とギリシャの協力はまさにその好例です。信頼、友情、そして共通の海洋精神が、困難を新たな発展の展望へと変える好例です。本日のレセプションが、両国の友情と協力をさらに深めることを願っております。」とスピーチを結びました。1

本イベントは、長年にわたる活動で築いてきた信頼関係と実績が、日本大使館との協働を可能にし、実りあるイベントを実現させることができました。 そして、ギリシャの海運市場に対して、ウェザーニューズの取り組みを知っていただく機会となり、当社の強みを生かしてビジネスを支援していくという私たちの姿勢をご覧いただくことができたと思います。 ギリシャ海運・島嶼政策大臣をはじめ、すべての来場者がこのイベントに対して満足し、イベントの成功を実感しました。

ギリシャからグローバルへ、ウェザーニューズの原点と未来

Weathernews staff at the event
Weathernews staff at the event

ウェザーニューズは、正確な天気予報があれば防げたはずの海難事故をきっかけに、1986年に創業した日本の民間気象会社です。「船乗りの命を守りたい、いざという時人の役に立ちたい」という創業当時の想いは今も受け継がれており、このサミットは、ギリシャの海運市場に対して長期的に向き合ってきた結果です。

2016年にわずか1人でアテネ事務所2を開設して以来、チームは大きく成長してきました。この成長は、2016年以降に42%拡大したギリシャの海運業界の発展を映し出すものでもあります。

私たちは単に気象情報を提供するだけではなく、ギリシャに特化したソリューションを開発し、信頼関係を築き、世界の海上輸送の28%を担う海運コミュニティの一員となっています。

今回のサミットでINTERCARGOや主要な船主、政府関係者の方々と築いたつながりを活かし、ウェザーニューズはこれからも、このアテネの地から、船舶の安全運航支援に尽力していきます。

アテネのオフィスは、私たちにとって単なる事業拠点ではなく、ギリシャの海運市場に対するコミットメントの象徴です。

今後の取り組み

ウェザーニューズは、海洋イノベーションのさらなる推進に向け、在ギリシャ日本大使館との協力を継続していきます。 2026年夏に開催されるポシドニアへの出展2に加え、テッサロニキ国際見本市2026 3への参加準備もすでに進めています。

ウェザーニューズの最新の取り組みはこちらをご覧ください4





Footnotes

  1. 1:https://www.newmoney.gr/roh/palmos-oikonomias/nautilia/kikilias-ito-ellada-ke-iaponia-anigoun-neous-orizontes-sti-naftiliaki-ke-technologiki-sinergasia-pics/ ↩︎
  2. 2:Weathernews Greece ↩︎ ↩︎
  3. 3:https://posidonia-events.com/ ↩︎
  4. 4:https://thessalonikifair.gr/en ↩︎