2025.11.19
【感謝と決意】ウェザーニュースアプリ、国内利用者数No.1達成!「いちばん使われる」ための挑戦と工夫
この度、ウェザーニュースアプリは、多くの方々に支えられ、国内利用者数No.1を達成することができました。 これは決して自社だけの力ではなく、日頃からウェザーニュースを利用し、支えてくださったすべてのユーザーの皆さまのおかげです。心から感謝を申し上げます。
今回のNo.1達成は、私たちにとってゴールではなく、さらなる進化への通過点だと思っています。本記事では、これまでの道のりと、これからも進化を続けていく決意をお話ししたいと思います。
なぜ自ら予報を作っていないアプリに負けているんだ
現在、テレビ、ラジオ、ネット、様々なアプリなど、気象情報はあらゆる媒体で手に入る時代です。例えば大手検索サイトやニュースアプリにも天気予報や雨雲レーダーが搭載され、IT企業が気象データを購入してアプリとして展開しているものもあります。
8年前のある日、お天気アプリ「ウェザーニュース」など個人向けサービスを担うチームの会議は、ある「敗北感」に包まれていました。 「天気予報のプロであるはずの私たちが、なぜ、自ら予報を作っていないアプリに、利用者数で負けているんだ」 私たちウェザーニューズは、長年培ってきた予測技術と予報の品質に絶対の自信を持っていました。しかし当時、お天気アプリの利用者数では大手ポータルサイトが提供するお天気アプリに大きく差をつけられていたのです。
「このピンポイントで高精度な気象データを、もっと多くの方に役立てて欲しい!」 この強い思いが、私たちを突き動かしました。2017年に専門チーム「GrowthHackチーム」を立ち上げ、アプリの認知度、利便性を向上させ、利用者数を増やしていく本格的な挑戦がスタートしたのです。 まず、運営・開発・デザイン・予報センター・広報など、それまで縦割りになりがちだった部署の垣根を超えて、チームがワンフロアに集結するように組織の構造を変えました。そして、徹底的な計測をもとにチームで課題やアクションを共有し、高速でPDCAを回し始めました。目標はただ一つ、「いちばん使われているお天気アプリ」になることでした。
「知らない」の壁を壊す、全メディア露出作戦を開始
どんなに良い情報があっても、その存在を知ってもらえなければ意味がありません。 「ウェザーニュースを知らない」という壁を壊すことが最初のミッションでした。
そこで私たちが取り組んだのが「トランスプラットフォーム戦略」です。生活に欠かせない気象情報を、アプリだけでなく、ウェブ、ニュースアプリ、YouTube、X(旧Twitter)、Instagramなど、あらゆるメディアとプラットフォームで展開しました。 また、予報や運営の現場でも、積極的にメディアの取材に応えていきました。ニュース番組での気象見解の詳しい解説、ドキュメンタリー番組の予報現場への密着、情報番組での桜や紅葉など季節のおすすめ情報の紹介など、様々な取材を通じて気象会社として行なっているありのままを発信していきました。
あらゆる媒体を通じて接点を増やし、ウェザーニュースを「知っている状態」に持っていく。この戦略により、ウェザーニュースの認知度は徐々に拡大していきました。さらに、天気によってアプリへのアクセス数が大きく変わる傾向を活かし、雨天時や台風接近時など、人々が天気を最も必要とするタイミングを狙ってテレビCMを展開。気象データをもとに時間帯やエリア、訴求軸を組み合わせたクリエイティブ選定を行いながら、より効果的な認知拡大を図りました。
しかし、圧倒的なリーチ力を持つ大手ポータルサイトのアプリに利用者数で追いつくことは、依然として大きな壁として立ちはだかっていました。

「最も当たる」ことこそが一番の価値
「一見どこでも手に入る天気予報の中で、ウェザーニュースを選んでもらうためには?」 チームは再び、本質的な問いと向き合いました。私たちが辿り着いた答えは、きわめてシンプルで、そしてプロフェッショナルとしての根幹を成すものでした。
「天気予報が一番当たること」 当たり前のことですが、予報が外れていては、ユーザーの信頼は得られません。そして、予報精度の向上こそ、自ら予報を作っているウェザーニューズだからこそ実現できる、他社には真似のできない最大の強みでした。
私たちは予報を徹底的に評価し、精度向上に取り組みました。その結果、第三者機関から「予報精度No.1」の評価を3年連続で継続することができています。これは、アプリの「ウェザーリポート」を通じて、リアルタイムの現場状況を共有してくださるウェザーリポーターの皆さまとの「共創」があったからこそ達成できたことです。
信頼の基盤が固まったことで、私たちはさらに自信を持ってアプリの情報を届けられるようになりました。
最先端のクラウド技術を習得、これでIT力でも大手に負けない
認知拡大と予報精度の向上。これらが揃っても、いざという時に使えない、使いにくいアプリでは意味がありません。使いやすさと安定性は、ユーザーに選ばれ続けるための生命線です。
そこで特に力を入れたのが、IT基盤の強化でした。 最新のクラウド技術を導入し、同時にユーザーの利用状況を徹底的に分析。どの天気の時に、どのコンテンツが見られているのか、画面の表示速度や滞在時間など、アプリのパフォーマンスを検証しました。
台風や地震の際はトラフィックが一気に増大しますが、そういった緊急時にこそ、アプリが止まることなく情報が瞬時に表示されることが求められます。私たちはサーバーの強化を継続的に行い、緊急時でもストレスなく使える強固な安定性を実現しました。
この技術投資は、コンテンツの進化にもつながっています。特に人気の雨雲レーダーは、この最新のクラウド技術のもと、業界唯一の30時間先まで250m四方/10分間隔という高解像度予測を可能にしました。私たちは、ITインフラの力でも大手企業に決して負けない、強固な基盤を身につけることができたのです。

その時は、ウェザーリポーターと一緒に勝つ
天気予報は「当たる」ことが最も重要ですが、ユーザーの皆さんは「今日は洗濯物を外干しできるか」「どんな服装を選ぼうか」など、その先の意思決定のために情報を見てくださっています。
私たちは予報精度を高めると同時に、その意思決定までサポートする独自のコンテンツ開発に注力しました。全国のユーザーから寄せられる貴重な「ウェザーリポート」のデータを活用し、停電リスク予測、天気痛予報、路面凍結予報、冠水アラームなど、生活に密着したオリジナルコンテンツを年間50以上も生み出しました。 この「ウェザーリポーターとの共創」によって生まれた、他社にはない独自の予報とサービスこそが、ウェザーニュースを選んでいただく強固な理由になると確信していました。

そしてついに「その時」が訪れました。
2025年9月。ウェザーニュースアプリは、日本国内の天気カテゴリにおいて月間利用者数No.1を達成し、「いちばん使われているお天気アプリ」となりました。 社内の連絡ツールにシェアされた瞬間、「ついに!」「やった!」「よかった!」と、あらゆるコメントやスタンプが飛び交いました。
「なぜ自ら予報を作っていないアプリに負けているんだ」——あの日の悔しさが、すべての挑戦を始めた原点でした。
チーム発足から8年。毎日の朝会では、アプリのアクセス数、プッシュ通知の開封率、バナーのタップ率、ユーザーの滞在時間など、様々な計測結果を皆で確認し、同じ目標を共有しました。運営と開発のコミュニケーションを密にし、データを元にしたPDCAを高速で回すことで、地道なグロースを積み重ねました。予報センターでは、予報の徹底的な評価を元に、精度の追求に妥協することはありませんでした。チーム全員が「ユーザーに信頼され、選ばれるアプリになるためには何が必要か」を常に考え、この改善の道のりを一丸となって歩んできたのです。
そして、ここまで来るために決して欠かすことのできなかった存在が、ウェザーリポーターの皆さんでした。ウェザーニュースの天気予報や機能には、日々ウェザーリポーターの皆さんから届く現地の報告が余すことなく取り込まれています。そんな皆さんとの共創が、最高の結果として花開いた瞬間でした。

唯一無二のコミュニティと世界へ
国内利用者数No.1達成は、私たちが積み重ねてきた努力、そして皆さまとの共創が実を結んだ結果だと、心から嬉しく受け止めています。
ですが、これは私たちにとって「ゴール」ではなく、ここからが本当の「スタート」です。
気象が世界中の人々の生活やあらゆるビジネスに影響を及ぼしている現状において、「いちばん使われているお天気アプリ」となった今、私たちには社会への貢献をより一層深めていく責任があります。地域防災の支援からビジネス効率化のサポート、そして高まる気象リスクへの対応まで、取り組むべき課題は多岐にわたります。
私たちの最大の強みは、20年間をかけてウェザーリポーターの皆さんと築き上げてきた、気象を軸とした強固なコミュニティです。この唯一無二のコミュニティを、創業以来40年にわたり気象ビジネスをリードしてきた経験と知見を基盤に、ウェザーニューズは全社をあげて、日本中へ、そして日本から世界へと広げていきます。
皆さまの生活を豊かにし、そして命を守り抜くという揺るぎない使命のもと、私たちはこれからも決して歩みを止めることなく、進化し続けることをお約束します。
そして最後に、いつもウェザーニュースを利用してくださる皆さんへ、改めて心からの感謝をこめて。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします!


