2025.12.22
日本最大、ウェザーニューズが独自の花粉観測機を1000台運用する理由とは?
まもなく本格的な花粉シーズンが到来し、花粉の飛散量は全国的に平年を上回る予想です。毎年多くの方が「目が痒い、鼻水が...」といったつらい症状に悩まされる季節、ウェザーニューズが高解像度な花粉予報を提供できる秘密は、全国各地で目を光らせる独自の観測インフラ、IoT花粉観測機「ポールンロボ」にあります。
この可愛らしい観測機は、全国のご家庭や病院、学校など約1000箇所に設置され、日々リアルタイムで花粉を観測し続けています。今回は、全国の花粉症対策を支える「ポールンロボ」の進化と、その観測データがどのように予報に活かされているのか、その仕組みを紹介します。
花粉観測に革命!目視から自動化しリアルタイム観測が可能に
現在、全国に設置されているポールンロボは、2005年の初代から数えて8代目にあたります。初代機は観測結果をサポーターの皆さんに目視で読み取って報告していただくというアナログな方法でしたが、2代目からは通信機能が搭載され、インターネットに接続することで自動観測とリアルタイムでのデータ送信が可能となりました。

そのデザインは、当初の四角い形から、ご家庭の軒下にも設置していただきやすいよう「愛着を持ってほしい」という願いを込めて、顔に見立てた丸い球体へと進化しました。この改良を重ねたポールンロボの登場は、花粉観測に革命をもたらしました。
ポールンロボが誕生する以前、花粉の観測は「ダーラム法」という、人が顕微鏡で一つ一つ花粉を数える手法がメインでした。この伝統的な観測も、スギとヒノキの花粉を判別するため、現在もウェザーニューズで併用していますが、ポールンロボによって花粉の飛散状況がリアルタイムで把握できるようになった結果、ウェザーニューズはきめ細やかな予報を実現できるようになりました。
花粉とホコリを区別する、きめ細やかな観測
手のひらサイズで可愛らしいポールンロボですが、その内部には花粉を正確に判別する最先端のテクノロジーが詰まっています。ポールンロボは、人の顔に見立てた口元のスリットから、ファンを使って人の呼吸量と同量の空気を一定量吸い込みます。
吸い込まれた空気中の粒子に対しては、内部に搭載されたレーザーセンサーが光を照射します。花粉とホコリでは、粒子の表面のカタチや大きさが異なっており、花粉がツルツルしているのに対し、ホコリはザラザラしています。この違いをレーザーセンサーが精密に見分け、スギやヒノキの花粉に該当すると判定した粒子のみをカウントしています。

また、松の花粉はスギ・ヒノキよりも形状や大きさが大きく異なるため、これらも識別してカウントから除外しています。
そして、観測した花粉の数に応じて、LEDで光る目が「白」「青」「黄」「赤」「紫」の5段階で変化します。これにより、設置場所の花粉飛散量がひと目でわかるようになっており、これはリアルタイムな花粉の飛散量を可視化する非常にユニークな機能です。
全国1000台の品質管理、花粉に目を光らせる「ポールンロボ」の秘密
観測インフラとしての『ポールンロボ』の信頼性は、専門のスタッフによる徹底した検査と運用管理によって支えられています。
花粉シーズンの観測を終えたポールンロボは、一度ウェザーニューズに戻り、クリーニングや部品交換などが行われます。そして翌シーズン、全国の設置者(さとおや)さんの元へ向かう前には、必ず出荷前検査が実施されます。
この検査には、ヒカゲノカズラの胞子である「石松子(せきしょうし)」という粉が用いられます。石松子を撒いた実験用のビニールハウス内にポールンロボを吊り下げ、四隅に置いたサーキュレーターで粉をまんべんなく散布し、すべてのロボが花粉をきちんとカウントできるかを確認します。
この厳密な検査をクリアしたものだけが、全国の設置場所へと出荷され、花粉シーズンを通して皆さんの生活を守るために稼働しているのです。
こうして検査を終えたポールンロボは、全国1000ヵ所へ発送されます。発送は2026年1月ごろの予定です。全国の設置場所へと出発し、花粉シーズンを通して皆さんの生活を守るために稼働します。

ユーザーと共に作る1kmメッシュの高解像度花粉飛散予報
また、国の機関であった環境省は2021年をもって花粉の自動観測事業(愛称:はなこさん)を終了しました。このような状況下で、全国1000箇所という大規模かつリアルタイムな花粉観測を継続しているのは、ウェザーニューズだけです。
私たちは、もはや生活インフラともいえるこの花粉情報の提供に、責任をもって取り組んでいます。ポールンロボが観測した花粉のデータは、1分ごとにウェザーニューズへと送信されています。ユーザーの皆さんにご協力いただき実現している、この全国約1000箇所という高密度の観測網こそが、予報精度の向上を支える生命線なのです。
この複合的な解析のおかげで、ウェザーニューズは1km四方のピンポイントで、1時間ごとの時系列という非常に詳細な花粉予報を出すことができています。
実際にこのデータは、アプリの通知サービス「花粉対策アラーム」での臨時の大量飛散情報の配信や、全国の花粉シーズンインやピークの発表といった重要なサービスに活用されています。「痛い、かゆい」というつらい症状を少しでも軽減したいという思いから、ポールンロボは厳しい出荷前検査をクリアし、今日もあなたの街で花粉に目を光らせています。ぜひ、ウェザーニュースアプリで最新情報を活用し、万全の対策にお役立てください1。


