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ウェザーニューズ、2013年 花粉飛散傾向発表
来春の花粉、2月上旬から飛散開始 2012年より3〜4日早い花粉シーズンに
~西・東日本は2月上旬、北日本は2月下旬から飛散開始の予想~
株式会社ウェザーニューズ(本社:東京都港区 代表取締役社長:草開千仁)は、11月29日(木)、2013年の花粉シーズンにおける全国および、各12エリアの“スギ・ヒノキ花粉飛散”傾向を発表しました。本発表は、花粉症に悩む方にシーズンの花粉傾向を知ってもらい、早めの対策を取ってもらうことを目的としています。
来春の飛散時期傾向
スギの雄花は、寒さのピークを越え比較的暖かくなると、休眠を終えて花粉の飛散を開始します。この冬は、段々と寒気の流れ込みが強まり、年末から1月にかけて東~西日本の広いエリアで真冬らしい寒さの日が多くなる見通しです。2月に入る頃になり一時的に寒気が緩むタイミングがあると、西~東日本の太平洋側など早い所では花粉が飛散し始めそうです。2月中旬になると、寒気が緩み春の気配を感じられる日が増えてきて、西~東日本を中心に飛散開始となるエリアが一気に増える見通しです。その後は日本海側や東北地方などでも花粉が飛び始めて約1か月の間に飛散開始エリアが北上し、3月上旬には東北地方北部までスギ花粉が飛散し始める予想です。なお、ウェザーニューズでは、花粉観測機『ポールンロボ』を使用し、花粉を10個を観測した日が2日以上あった場合に飛散開始と定義し、各エリアの飛散開始時期を発表しています。
昨シーズンは、全国的に寒い日が続き、花粉の飛散の開始がやや遅れる傾向がありました。2012~2013年の冬も、西日本を中心に寒い冬となる見通しですが、昨シーズンより気温がやや高めの傾向となる予想であるため、飛散開始は昨シーズンより3日〜4日ほど早いか、同じくらいのタイミングとなりそうです。また、飛散開始後は1週間~10日前後で本格的に飛散し始め、西~東日本では3月上旬~中旬、北日本では4月上旬~中旬にスギ花粉の飛散ピークを迎える見通しです。また、スギ花粉のピークを過ぎた後、桜の花が咲く頃にはヒノキ花粉の飛散量が増え、西~東日本では4月上旬~中旬に飛散のピークを迎えそうです。平年(2008年~2012年の平均飛散開始時期)と比較すると、2013年の花粉飛散は全国平均で平年並みか、平年より4〜5日ほど遅くなる見通しです。西日本や東日本は平年並みかやや遅く、北日本では平年並みの飛散開始となる見込みです。
全国各地のスギの『雄花リポート』
携帯サイト「ウェザーニュース」には、「サポーター」と呼ばれる全国各地の会員から、天気などに関する様々なリポートが寄せられます。下記の写真は、今年の9月下旬~11月にサポーターに募集を行ったスギの『雄花リポート』です。11月の『雄花リポート』でも、昨年より多いというリポートが見られ、さらに、9月~10月に調査した雄花が膨らみ、緑色から薄茶色へと順調に成長している様子が見られます。また、雄花の数が増えているというリポートも見られました。
来春の飛散量の傾向
スギ花粉の発生源となる雄花の生産量は、前年の夏の天候との相関が高いことが分かってきています。よく晴れて暑い夏ほど植物の光合成が盛んになり、雄花の生産量が多くなると考えられます。2012年の夏は、東~北日本を中心に太平洋高気圧の勢力が強かったため厳しい暑さとなり、記録的な残暑・少雨となりました。このため、雄花の生育には適した条件となりました。一方、西日本は湿った空気の影響を受け、曇りや雨の日が多く、九州や太平洋側を中心に雄花が成長しにくい天候となりました。また、多く飛散した翌年は飛散量が少なくなったり(裏年)、少ない年の翌年は多くなったり(表年)と、花粉の飛散量は交互に増減する傾向があります。2012年の花粉シーズンは比較的飛散量の少ないシーズンであったため、この夏の天候も考慮すると、2013年の花粉シーズンは2012年より花粉量が多くなる見通しです。
全国のサポーターから寄せられた雄花の生育状況のリポートも考慮すると、2013年春の花粉飛散量は、全国的に2012年よりも多いか同程度となり、全国平均では2012年の1.7倍の飛散量、北~東日本では2倍前後、西日本では1.3倍程度の飛散量となる予想です。また、東北や関東の多い所では、2012年の3倍近くになる所もある一方、九州では2012年並かやや少ない飛散量となるところが多そうです。過去の飛散状況と比較すると、2009年と似た傾向となる見通しですが、東北や中部地方では大量飛散した2011年に並ぶ飛散量となる可能性もあります。また、ヒノキ花粉の飛散量は、スギ花粉の飛散量と傾向が似ているため、2013年はヒノキ花粉の飛散量も多いか、2012年並みになる予想です。
主に北海道に多いシラカバ花粉も、前年の夏の天候に影響されます。2012年の夏は記録的な暑さになり、さらに2013年の花粉シーズンは表年ということもあって、2012年の2倍程度の飛散量となる見通しです。平年(2005年~2012年の平均飛散量)と比較すると、2013年の花粉飛散量は全国平均で1.4倍程度となり、平年より多くなる見通しです。西日本では平年並みかやや多い程度ですが、東日本や北日本では平年より多く、平均で平年の1.7倍前後になる予想です。なお、これまでに報告された症状や対策の報告を見ると、症状を和らげるには花粉を体内に取り込まないような対策が有効になりそうです。2月以降は徐々に花粉飛散量が増えていくので、早めに事前対策を進めておくのがおすすめです。