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ウェザーニューズ、2012年の北極海の海氷傾向発表

海氷の融解が進行、北東航路・北西航路とも開通の見込み

~ 北東航路は8月中旬~9月下旬まで、北西航路は9月に開通 ~

株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区 代表取締役社長:草開千仁)のGlobal Ice Centerは、2012年の北極海の海氷域面積が近年の傾向と同様減少傾向にあり、ロシア側の北東航路、カナダ側の北西航路の両北極海航路ともに開通する可能性があると発表しました。 2005年に初めて北極海に船舶が航行可能な航路が出現し、2009年に2隻の船舶が商業航行した「北極海航路」は、航海日数の短縮だけでなく、燃料消費量やCO2の大幅な削減が可能と、経済的にも環境的にもメリットがあり、海運業界から大きな注目を集めています。 Global Ice Centerでは、今年も北極海と北極海航路の最新の情報をGlobal Ice Centerウェブサイト(https://www.weathernews.com/GIC/)を通じて発表していきます。

現時点の北極海の海氷域面積は、近年と同様「減少傾向」

6月に入り、北極海では気温の上昇とともに海氷の融解が進んでいます。現在の海氷域面積と2007年から2011年までの海氷域面積を比較すると、ほぼ例年並みの面積となっている事がわかります(図1参照)。
また、北極海全域の海氷分布を見てみると、今年はラプテフ海の氷が少ない事がわかります(図2参照)。東京大学山口研究室の解析(※)によると、この海域は昨年の冬から今年の春にかけて海氷の発散(散らばり疎らになっていくこと)が大きくなっていることがわかりました。このため冬期に結氷した氷は薄く、今後の気温の上昇に伴い融解しやすい状況であると考えられます。
※詳細は東京大学山口研究室のサイト(https://www.1.k.u-tokyo.ac.jp/YKWP/2012arctic.html)をご参照ください。

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図1:北極海の海氷域面積
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図2:北極海の海氷分布(左:2011年6月1日 右:2012年6月1日)

北東航路は8月下旬に、3年連続で開通の見込み

昨年の冬から今年の春にかけて海氷域の発散傾向が大きく、形成された氷が薄いと考えられる海域は、ラプテフ海からセベルナヤ・ゼムリヤ諸島東部です。この海域では早ければ7月中に氷がなくなる可能性があります。またチュクチ海では海氷が厚く、例年より遅くまで海氷が残ると予想されます。 これらのことから、今年は北東航路側で昨年よりは遅くなるものの、8月中旬頃に航路が開通する見込みです。一方北西航路は西側の海氷が厚く、昨年よりも開通が遅れる見込みです。

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図3:2012年9月10日の海氷分布予測

ウェザーニューズの北極海航路支援への取り組み

当社では、2008年にGlobal Ice Centerを立ち上げ、北極海を始めとする全世界の海氷のモニタリングや海氷の予測を行なっています。昨年初めて北極海を航行する船舶に対し、安全な航行を支援するPolar Routeingサービスを提供しました。
また、ご提供するサービスの精度を更に高めるため、北極海の海氷を観測する民間初の超小型商用衛星「WNI衛星」を本年9~11月の間、ロシアより打ち上げる予定です。

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9~11月に打ち上げる民間初の超小型商用衛星「WNI衛星」

Global Ice Centerでは、北極海の海氷が今後どう変化していくか、リポートやWNI衛星を通じて引き続き監視していきます。そして、極域を航行する船舶の船長をサポートしていきます。

<参考情報1:過去30年の北極海の海氷域面積の推移(Global Ice Center調べ)>
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<参考情報2:2005年以降の北極海航路の開通状況(Global Ice Center調べ)>
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