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船長、陸上オペレーター、ウェザーニューズのコミュニケーションをより緊密にし、
「環境運航」、「航海の最適化」を実現するコミュニケーション・システム

Capt’s DOSCA※を4月1日リリース

株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区、代表取締役社長:草開千仁)は、安全・経済・環境運航を目的とした、船陸間のコミュニケーション・システムとして洋上を航行する商船上で使用する「Capt’s DOSCA (Captain ’s Dynamic Operation System for Counter planning and Analysis、キャプテン・ドスカ)」を4月1日よりリリースします。
Capt’s DOSCAは、海運会社の「安全性」「定時性」「経済性」「環境性」など、多様化するニーズに対応した航海計画を提供する当社のOptimum Ship Routeingサービス(以下、OSRサービス)を採用する本船に順次インストールされ、船長、海運会社のオペレーター、そして当社のコミュニケーションをより緊密にし、最適な航海を三者で確認しながら計画、実施するコミュニケーション・システムです。環境運航、海上通信のブロードバンド化など、海運業界の新しいテーマにも対応していきます。

航海の最適化に必要不可欠な船陸間の緊密なコミュニケーションを実現

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航路比較
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Capt’s DOSCAは、海運会社が求めるニーズに基づいて、最適な航路や船速、エンジン回転数を航海計画として視覚的にわかりやすく伝達します。また当社が船速や燃料消費量を予測するシミュレーションエンジンを使い、当社が提供した航海計画を船長自ら検証する機能があり、船長にとってより納得感のある情報の提供が可能になります。そして、船長が評価・検証した航海計画を陸側に返送し、航海計画の共有を図る機能を有します。
Capt’s DOSCAは、当社のOSRサービスを採用する約1,000隻に順次インストールされます。まずはコンテナ船を対象とし、ばら積み船にも順次展開していきます。

※OSRサービスは、船長、海運会社のオペレーターと当社の間の相互信頼・コミュニケーションにより、コンテナ船の場合一航海平均で約30MT(当社調べ)の燃料節減を達成。

環境運航、航海の最適化を実現するイノベーション

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Marine Station
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現在、国際海事機関のIMOにおいて、船舶から排出されるCO2削減に向けて、効率運航の指標としてEEOI (Energy Efficiency Operational Indicator、エネルギー効率運航指標) を用いた取り組みが議論されています。Capt’s DOSCAではEEOIを自動計算する機能を搭載しており、今後さらにニーズが高まる環境運航へもいち早く対応しています。
また、波や風によって発生する船の動揺を測るセンサー「Marine Station」をCapt’s DOSCAに接続することで、本船の動揺データを自動的に送信する機能も搭載しており、本船の「いま」を陸上からリアルタイムで把握することも可能になります。当社では将来的に全船からの「Marine Station」の船舶動揺データを海運会社間の枠を超えて共有し、航海の更なる最適化を海運業界と共に取り組んでいきたいと考えています。

海上通信のブロードバンド化など、これからのテーマを見据えた多彩な機能

現在海上でも大容量、常時接続が可能なブロードバンド通信が普及しつつあります。Capt’s DOSCAは、船陸間のコミュニケーションが飛躍的に向上する海上通信のブロードバンド化を見据えた機能を搭載しています。
これまでの通信インフラでは、送信できるデータ量や双方向のコミュニケーションに限度がありました。Capt’s DOSCAは、ブロードバンド・モードを搭載しており、通信環境にあわせて本船の航海計画検討に必要十分な15日先までの世界中の気象・海象情報を最大1日4回更新(6時間間隔)で受信することが可能です。また、上述の「Marine Station」で得られる情報の陸上との共有など、ブロードバンド化のメリットを最大限活かした機能を搭載しています。
今後の新しいニーズに対しては、オンライン・リモートでのアプリケーションアップデート機能を活かし、積極的に対応していきます。

多様化する海運会社のニーズに応えるため海運会社、船長と共創

これまで、当社の海運会社向けウェザールーティングサービスは、「安全に早く到着する航路情報の提供」でした。しかし、世界的な経済変動、CO2排出量の規制、燃料油の高騰などの要因により、海運会社のニーズは「安全に早く到着する航海」以外にも、「燃料消費を最小限に抑える航海(経済性)」、「運送契約で要求される到着日時どおりに到着する航海(定時性)」など、多様化してきました。そこで当社では、これら海運会社の様々なニーズに応えるOSRサービスの提供を2009年12月より開始し、「航海の最適化」を海運会社、船長とともに実現してきました。
航海の最適化には、船長、海運会社、そして当社の相互信頼に基づく緊密なコミュニケーションが必要不可欠です。この度リリースするCapt’s DOSCAは、「OSRサービスをもとにした船陸間のコミュニケーションを更に円滑にし、どのように航海を最適化するか」を最大のテーマに海運会社、そして実際に活用する船長と共に構築しました。

※Capt’s DOSCAのネーミングは、日本語で「キャプテンどうですか?」とまず状況をお伺いするスタンスがニュアンスとして含まれています。