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12月1日〜7日のタイ南部での大雨・洪水について

熱帯低気圧と北東モンスーンによって記録的大雨に

〜今後1ヶ月程度はベトナム南部〜タイ南部で引き続き大雨に注意〜

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 12月1日〜7日にかけて、タイ南部で大雨による洪水が発生し、交通機関への影響や人的被害が発生しています。株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、タイ南部の大雨に関する分析と今後の見通しを発表しました。

12月1日〜7日のタイ南部での大雨について
 タイ気象局の自動気象観測(AWS)によると、タイ南部のタイランド湾沿岸(南シナ海側)の広い範囲で12月1日から7日の間に500mmを超える雨が降りました。特にBangjakでは857.6mm、Nakhonsithamaratでは756.2mmの大雨となりました(図1)。JAXAの人工衛星の観測データを元にした解析においても、このタイ南部の南シナ海側で1000mmを超えた地域があることがわかります。(図2)

 
図1:タイ南部の2016年12月1日から12月7日までの6日間の積算雨量 (タイ気象局の自動気象観測(AWS))
図1:タイ南部の2016年12月1日から12月7日までの6日間の積算雨量
(タイ気象局の自動気象観測(AWS))
図2:2016年12月1日から12月7日までの6日間の積算降水量 (JAXAの全球降水量解析データGSMaPより算出。リモートセンシングであるため、図1のような地上での観測に比べて一般的に誤差が大きい。)
図2:2016年12月1日から12月7日までの6日間の積算降水量
(JAXAの全球降水量解析データGSMaPより算出。リモートセンシングであるため、図1のような地上での観測に比べて一般的に誤差が大きい。)

 11月下旬以降、例年通り南シナ海南部からマレー半島周辺では対流活動が活発化する時期に入りました。さらに今年の秋以降、ラニーニャ現象が発生しており、南シナ海では海面水温が平年より高く(図3)、積乱雲が発達しやすい状況となっています。12月1日から2日にかけて、タイランド湾で発生した大規模な積乱雲群がタイ南部を通過しました。その後、マレー半島の西海上で熱帯低気圧となり(図4)、その熱帯低気圧に向かって北東モンスーンによる東寄りの非常に湿った空気が流れ込み続けました。これらの結果、タイ南部の南シナ海側では激しい雨が1週間にわたって断続的に降り、記録的な大雨となりました。

図3:2016年11月27日〜12月3日の平均海面水温の平年偏差 (米国大気海洋庁の海面水温データより算出)
図3:2016年11月27日〜12月3日の平均海面水温の平年偏差
(米国大気海洋庁の海面水温データより算出)
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図4:2016年12月1日から11日までの熱帯擾乱の軌跡(12月4日に熱帯低気圧に変化)

◆今後の見通し〜1ヶ月程度はベトナム南部からタイ南部で引き続き大雨に注意〜
 今後も南シナ海周辺の海面水温が高い傾向は続き、対流活動が活発な状況が継続すると予想されます。さらに北東モンスーンの風によって、南シナ海上で発生した積乱雲が南西方向へ流されるため、今後、1ヶ月程度はベトナム南部からタイ南部にかけて、平年より雨量が多くなる見込みです(図5)。すでにベトナム南部では大雨となっている地域があり、ホーチミンでは大潮も重なり冠水などの被害が発生しています。年末年始、この地域を訪れる予定のある方は大雨・冠水に十分に注意してください。

図5:2016年12月16日から2017年1月12日までの予想積算雨量の平年偏差(単位:mm) (気象庁1ヶ月予報より算出)
図5:2016年12月16日から2017年1月12日までの予想積算雨量の平年偏差(単位:mm)
(気象庁1ヶ月予報より算出)