ニュース

ウェザーニューズ、「北極海の海氷傾向2017」を発表

例年より速く融解進む、海氷域面積は観測史上2番目に縮小

〜北極海の北東航路は8月中旬、北西航路は9月上旬に開通の見込み〜

株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)のグローバルアイスセンターは、2017年の北極海の海氷傾向を発表しました。今夏の北極海の海氷は、例年を上回るペースで融解が進み、最小面積は観測史上2番目に小さくなる見込みです。また、北極海の北東航路(ロシア側)は8月中旬、北西航路(カナダ側)は9月上旬に開通する見通しです。近年は、ロシアのLNG開発プロジェクトが活発化しており、極東からの建設資材やモジュール輸送ならびに、生産開始後のLNG輸送のため北極海航路の活用が期待され、安全航海のために高精度な海氷情報のニーズが高まっています。ウェザーニューズは、7月14日に超小型独自衛星「WNISAT-1R」を打ち上げ、海氷分布を詳細に把握することで、船舶の安全運航の支援を強化していきます。

北極海の海氷傾向2017
 北極海の海氷域面積は現在800万㎢で、例年を上回るペースで融解が進んでいます。9月中頃には390万㎢まで縮小し、観測史上最小を記録した2012年の328万㎢に次ぐ、2番目に小さい面積になる見込みです。
 特に、ロシア沿岸域での融解が速く、チュクチ海ではベーリング海峡を中心に記録的な速度で開水域が広がっています。冬~春にかけて海氷の流動が強く、海氷が融解しやすい状況になっていたことが原因と考えられます。一方で、カナダ沿岸域やグリーンランド周辺では海氷が例年以上に残り、この時期としては厳しい氷況となっているところがあります。理由の一つとしては、地球温暖化によって北極海の海氷が長期的に減少傾向にあり、以前よりも流動的になったことで、高緯度域からこれらの地域に海氷が流れ込みやすい状況になっていることが挙げられます。
 今後も海氷の融解が続き、ロシア沿岸域では8月中旬までに開水域が東西でつながり、北東航路は開通が遅れた昨年と比べて1カ月早く開通する見込みです。カナダ沿岸域についても、9月上旬までに大半の海氷が融解し、北西航路が開通する予想です。

2012年以降の海氷域面積推移(年別)
※2017年の点線は予想
北極海の海氷分布(2017年7月13日時点)と
過去の航路開通期間(緑色部分)
および2017年の予想開通期間(赤・黄色部分)

◆独自の超小型衛星「WNISAT-1R」を7月14日に打ち上げ
 1979年の統計開始以来、北極海の海氷域面積は長期的に減少傾向で、北極海航路の活用が注目されています。また、近年は、ロシアのLNG開発プロジェクトが活発化しており、極東からの建設資材やモジュール輸送ならびに、生産開始後のLNG輸送のため北極海航路の活用が期待され、安全航海のために高精度な海氷情報のニーズが高まっています。ロシアのNSRA(The Northern Sea Route Administration)によると、今年、ロシア側の北東航路の通航許可を得た航海数はすでに390を超え、昨年と同様のペースとなっています。
 ウェザーニューズは、2011年より北極海を通航する船舶への運航支援サービス「Polar Routeing Service」を行っています。複数の衛星データから航路上の海氷の状況を解析し、船舶および運航会社に対して推奨ルートや気象・海象リスクなどをお伝えしています。実績としては、2015年に12航海、2016年に90航海を支援しました。7月14日には、独自の超小型衛星「WNISAT-1R」を打ち上げ、海氷データを詳細に取得することでサービスの品質を向上していきます。

 

本ニュースをプリントアウトしてご覧になりたい方はこちら