ニュース
株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、2020年を見据えて、都市部で起こる局地現象を高精度で捉える都市気象予測モデルの実用化を目指し、9月1日より筑波大学計算科学研究センター日下博幸教授と都市気象に関する共同研究を開始し、9月13日に気象予測モデルの精度を検証するために観測を実施しました。観測当日は、つくば市内の4か所で気象観測ドローン、観測気球、地上観測機器の計11台を用いて、予測モデルの精度検証に必要な地表から上層にかけての気象データを取得しました。2020年夏の実用化を目指して、筑波大学と予測モデルの開発と観測データによる検証を繰り返し、都市部の気象を数十メートル単位で予測できる次世代のモデルを構築していきます。また、当社は日本代表チームをサポートしており、東京都内のビル街を走るマラソンやトライアスロン、自転車競技で必要とされる都心を吹き抜けるビル風の予測に利用していきます。
◆ 筑波大学とドローン気象観測を実施、都市気象予測モデルの精度検証へ
都市部では熱帯夜に代表されるヒートアイランド現象、ビル風、都市型ゲリラ豪雨など都市特有の局地現象(都市気象)が発生します。そのような局地現象を予測するためには、建物周辺の気流を表現できる1m〜100m程度の解像度のシミュレーションを行うことが必要です。筑波大学計算科学研究センター日下教授の研究室では超高解像度のシミュレーションが可能な都市気象予測モデルの開発を行っており、当社はその実用化を目指して9月1日より筑波大学と共同研究を開始しました。
共同研究において、都市気象予測モデルの精度を検証するため、全4回の観測を筑波大学とともに実施します。第1回として、9月13日に茨城県つくば市の公園など4地点で観測を行いました。観測センサーを搭載した4台のドローンと1台の観測気球を飛ばして上層のデータを取得すると同時に、6台の移動式観測機器を用いて地上観測も行いました。今回は観測センサーを搭載した複数台の独自気象観測ドローンを同時に飛行させ、風向/風速・気温・湿度・気圧を観測しました。複数台のドローン気象観測は国内ではこれまでほとんど例がありませんが、これにより予測モデルの精度検証に必要な空間的な気象データを取得することができました。
当社は観測データの取得検証を繰り返し、都市気象を予測できる新たな気象予測モデルを構築していきます。