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11月17日、宮崎県日向市の総合防災訓練で LINEを活用した「防災チャットボット」の実証実験を実施

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 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、11月17日、南海トラフ巨大地震及び地震発生に伴う大津波を想定して宮崎県日向市で実施される総合防災訓練において、SNSを活用した対話型の災害情報流通基盤システム「防災チャットボット(SOCDA)」を用いた実証実験を実施いたします。「防災チャットボット」とは、LINEなどのSNSを通してAIが自律的に被災者とコミュニケーションを取り、対話の中から安否確認や不足物資、被災状況などの災害関連情報を自動で抽出・集約し、被災直後から数ヶ月先の避難生活まで継続して、被災者に必要な情報を自動で提供する次世代の災害対応システムです。これまでに茨城県、静岡県下田市、三重県、兵庫県伊丹市・神戸市で「防災チャットボット」の実証実験を実施しており、九州では今回が初めてとなります。 
 訓練当日は、日向市の住民や消防団が「防災チャットボット」を活用して、被害状況や避難場所の必要物資などを報告していきます。寄せられた報告は、アビームコンサルティング株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:岩澤俊典)が開発するAIを用いた高度自然言語処理プラットフォーム(以下、AI-PF)に集約・整理され、災害対策本部の情報収集や意思決定の判断材料として活用されます。


災害対策本部の意思決定に「防災チャットボット」を活用 
 今回、日向市で実施される総合防災訓練は、南海トラフ巨大地震に備え、迅速かつ的確な情報伝達と、避難誘導や救助活動等に万全を期して、防災意識の高揚と関係機関の連携強化を図ることを目的とした訓練です。
 「防災チャットボット」は、本訓練の参加者(消防団、自主防災組織、住民など)と災害対策本部のコミュニケーションツールとして活用されます。訓練は2部構成となっており、参加者は津波発生時の避難を想定した1部では“避難者数”、被災後を想定した2部では“災害現場状況”について「防災チャットボット」を用いて報告します。

防災チャットボットによる報告のイメージ
(①都市名+②地区名+③避難場所+④人数)

 訓練参加者から寄せられた報告はAI-PFによって収集・整理されます。AI-PFは、SNS等に投稿されるインフラ等の被災状況や被災者・避難場所の状況、帰宅困難者の状況等をリアルタイムで解析し、場所やカテゴリ毎に分類できるシステムです。日向市災害対策本部がこれらの情報を監視し、状況の早期把握、救援活動や被災者への迅速な対応に役立てられます。

日向市総合防災訓練について

・日時  :11月17日(日)8時5分〜Ⅰ部訓練開始、10時00分〜Ⅱ部訓練開始
・会場  :日向市役所(庁舎・駐車場)、市体育センターほか
・訓練目的:南海トラフ巨大地震に備え、迅速かつ的確な情報伝達と、避難誘導や救助活動等に万全を期して、
      防災意識の高揚と関係機関の連携強化を図る。
・訓練想定:南海トラフ巨大地震及び地震発生に伴う大津波
・訓練内容:
<Ⅰ部訓練>災害対策本部運営訓練(図上演習)、職員安否確認訓練、情報伝達訓練、職員参集訓練、 防災チャットボット災害対応訓練(災害情報収集訓練)、シェイクアウト訓練、津波避難訓練(一部の地区では、津波避難訓練後に自主防災会による炊き出し訓練、初期消火訓練等を実施。) 等

<Ⅱ部訓練>道路啓開訓練、大規模災害多数傷病者救急救護訓練、炊き出し訓練(試食)、応急給水訓練(体験)、安否情報入力体験、防災備品展示、防災パネル展示、非常食試食、災害時伝言ダイヤル体験、簡易担架作成体験、 ロープワーク体験、模擬避難所体験、簡易トイレ展示 等

・協力機関:陸上自衛隊第43 普通科連隊第4中隊、日向警察署、アビームコンサルティング、NEC、 ウェザーニューズ、構造計画研究所、西日本電信電話、ニード、中村消防防災、ホンダカーズ宮崎、日向市東臼杵郡医師会、日本赤十字社日向地区、宮崎県防災士ネットワーク日向東臼杵支部、日向市自主防災会連絡協議会、日向市区長公民館長連合会、日向市消防団、 日向アマチュア無線クラブ (順不同)

「防災チャットボット(SOCDA)」について 
 「防災チャットボット」は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する戦略的イノベーション創造プログラムSIPの「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」テーマI「避難・緊急活動支援統合システムの研究開発」(研究責任者:国立研究開発法人防災科学技術研究所 臼田裕一郎)における研究開発項目「対話型災害情報流通基盤の研究開発」(共同研究機関:株式会社ウェザーニューズ、国立研究開発法人情報通信研究機構)として開発しているLINEベースのチャットボットです。LINEを通して自律的に被災者とコミュニケーションを取り、対話の中から安否確認や避難場所、不足物資などの災害関連情報を自動で抽出・集約し、被災者に必要な情報を自動で提供することができます。実現すれば、府省庁や自治体の既存システムと連動して膨大な災害関連情報を統合し、政府の意思決定を支援する次世代の避難・緊急活動支援統合システムになります。
 当社は、気象情報を提供するとともに、「防災チャットボット」の根幹となるAIのシステム部分の開発を担っています。今後も引き続き、技術開発および実証検証を進めていきます。

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