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四国初「防災チャットボット」の実証実験を高松市で実施

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 株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:草開千仁)は、11月26日、香川県高松市で実施された「令和元年度高松市職員非常参集訓練」において、SNSを活用した対話型の災害情報流通基盤システム「防災チャットボット(SOCDA)」を用いた実証実験を実施しました。「防災チャットボット」は被災者に必要な情報を自動で提供する次世代の対話型災害対応システムです。LINEなどのSNSを通してAIが自律的に被災者とコミュニケーションを取り、対話の中から被災者の安否や被害の状況、不足物資などの災害関連情報を自動で抽出・集約し、被災直後から数ヶ月先の避難生活まで継続して被災者に必要な情報を提供します。これまでに茨城県、静岡県下田市、三重県、兵庫県伊丹市・神戸市、宮崎県日向市で「防災チャットボット」の実証実験を実施しており、四国では今回が初めてとなります。 
 訓練当日は、高松市の職員が「防災チャットボット」を用いて被害状況を報告しました。寄せられた報告はAIにより集約・整理されて、災害対策本部での迅速な状況把握に活用されました。

訓練当日の様子


高松市で「防災チャットボット」の実証実験を実施

 今回高松市で実施された訓練は、大規模地震の発生による交通の混乱や、公共交通機関の運休に備えた実践的な非常参集訓練です。6時30分に震度6強の地震が発生したことを想定し、地震発生直後に災害対策本部から職員へ参集を指示するメールが配信されました。連絡を受けた一部の職員が、徒歩や自転車、バイクで勤務場所に向かう途中で、防災チャットボットを用いて文字や写真で被害状況を報告しました。寄せられた193件の報告をAIが整理、集約して地図上に表示し、災害対策本部は迅速に市内の被害状況を把握することができました。
 ウェザーニューズは、全国の災害対応に「防災チャットボット」を役立てていただけるよう、今後も実証実験を重ね、システムや操作性の改善に取り組んでいきます。

被害報告依頼のプッシュ通知画面
職員が被害状況を報告する様子
報告された被害状況


「防災チャットボット(SOCDA)」について

 「防災チャットボット」は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する戦略的イノベーション創造プログラムSIPの「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」テーマI「避難・緊急活動支援統合システムの研究開発」(研究責任者:国立研究開発法人防災科学技術研究所 臼田裕一郎)における研究開発項目「対話型災害情報流通基盤の研究開発」(共同研究機関:株式会社ウェザーニューズ、国立研究開発法人情報通信研究機構)として開発しているLINEベースのチャットボットです。自律的に被災者とコミュニケーションを取り、対話の中から安否確認や避難場所、不足物資などの災害関連情報を自動で抽出・集約し、被災者に必要な情報を自動で提供することができます。実現すれば、府省庁や自治体の既存システムと連動して膨大な災害関連情報を統合し、政府の意思決定を支援する次世代の避難・緊急活動支援統合システムになります。
 当社は、気象情報を提供するとともに、「防災チャットボット」の根幹となるAIのシステム部分の開発を担っています。今後も引き続き、技術開発および実証検証を進めていきます。

 

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